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(15)21時 お祖母ちゃん、グッドアイデア!

 15分ほどして山腹にある祖母の家に着いた時にはミアキはスイッチが切れたかのように眠り込んでいた。祖母がミフユの荷物を持って家の引き戸を開けるとミフユがミアキを背負って家の中に入った。


「今日はミアキをプールに連れて行っててねえ。まあ、遊び疲れやけ」


そんな事を祖母は言っていた。


 妹をえいっと布団に寝かせるとミフユは居間に戻って畳の上に座り込んで扇風機を回した。ミアキだったら「あ〜」って羽根に向かって言って面白がる所か。


「冬ちゃん、冷たいお茶飲むかい」

「ありがとう、おばあちゃん」


 チセが卓袱台の上に冷たい麦茶のグラスと冷蔵庫で冷やしておいたらしい一口水羊羹を置いた。ミフユはグラスを手にした。よく冷えたお茶が心地いい。


「マミちゃんって大学の地元の子なんだけど受験の時はうちに泊まってって言われていてね。彼女、お父さんが家にいないと一人っきりみたいだから言葉に甘えようかなあって思ってる」


 マミのお母さんはいないみたいだ。それはパン屋さんのご夫婦がお父さんにしか触れなかったり、マミ自身の話からお母さんの過去の話しか出なかった事から察した。そういう話を触れない受験友達が欲しかったのかも知れない。


 チセは何か思いついたようで考え込んでいた。


「冬ちゃん、東京にも同じような大学あるって言っとったと思うんやけど」

「うん」

「東京にも同じような大学があるのならそちらの見学とかで泊まってもらうとか春海と守雄さんに相談してみたら?そうしたら冬ちゃんも春海たちも相身互いで良さそうやけどねえ」

「おばあちゃん、グッドアイデア。そのアイデアいただきます。あとでお母さんに聞いてみる」


 ミフユはそういうと大きな口で水羊羹を一飲みにしてお茶を一気飲みした。甘さが疲れを吹き飛ばしてくれる。すぐお母さんにメッセしてみよう。 マミちゃんへの逆提案、どう反応するか楽しみだ。

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