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(11)16時30分 カスクートの美味しいパン屋さん

 レジのおばさんはマミを見ると大喜びだった。


「マミさん、久しぶり。今日はお友達と一緒?」

「ええ。大学のオープンキャンパスで一緒になったお友達、遠くから来ていて、じゃあ、神戸の美味しいパン食べてもらわないと帰らせられないなって思って案内してきました。カスクートって表に出てないけど出来ます?」


奥からパン職人らしい男性の野太い声が聞こえた。


「マミちゃんかい。蕎麦屋の出前やおへんけど、たった今、奇跡のタイミングで作ったばかりやから出すよ」


すぐ奥から作りたてのバゲットにハムやレタス、チーズをはさんだパンを載せたトレイを持ってエプロン姿のがっしりしたおじさんがあらわれた。


「久しぶりやなあ。元気そうでよかったわ。お父さん、よく来てくれてるけど、たまにはマミちゃんも顔見せて欲しいな」


マミは少し俯くと右手で髪の毛をいじった。そしてすぐ笑顔でおじさんに返事をしたが、ミフユはその様子に少し引っかかるものを感じていた。


「お父さんが買ってきてくれてたからついつい自分で来る機会がなくって。今日は深江の大学に見学に行ってたので。合格したら頻繁にきますよ」


おじさんは破顔一笑した。


「ほー。じゃあ、カスクート2つはおっちゃんからの激励でプレゼントや。これ食べて受験頑張ってな。マミちゃんが買いに来てくれへんとうちのおかんも寂しがるからなあ」


どうやらレジの人が奥さんらしい。


「うちの人、珍しく甘いわねえ。それでマミちゃんたちが頑張れるならいいか」


そういって奥さんは夫から渡されたカスクート2個をマミたちが買ったパンと一緒に袋に詰めた。


「ありがとうございます」


マミは元気よくお礼を言った。続いてミフユもお礼を伝えた。


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