試練
投稿遅れて申し訳ない
携帯変わったので_____が変な感じになってると思います
俺はてゐに言われたとうり帰宅した。
下校途中に見えた吹雪桜は物悲しさとは裏腹に華麗に咲いていた。
部屋に引きこもって“魔術とは何か”とか“なぜ使えない”や“不適合者”について考えた。
どれもちゃんとした答えは出なかったが、明日学校へはちゃんと行こうと思った。
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私はお兄ちゃんが『Frame』の試験を受ける前に嫌な事を思い出した。それは、
『お兄ちゃんと私は兄妹じゃないこと』
だった。
前に母とお兄ちゃんが夜中にこっそり話しているのを聞いてしまった。
ショックだった。悲しかった。
でもお兄ちゃんはいつも私に優しくしてくれた。
私はそんなお兄ちゃんが大好きだった。
だけどこの試験で兄妹じゃないことがはっきりしたと思う。
お兄ちゃんがてゐ先生に“帰れ”と言われた時私はお兄ちゃんに声をかけることが出来なかった。
でもてゐ先生が言った帰れは教室のことだと思うから、お兄ちゃんはまだ学校にいると思うから。
と、雛は淡い期待を抱いた。
が、教室に兄の姿はなかった。
「おい、お前の兄貴どこいった」
「え?えっと...」
「まさか、俺が帰れって言ったのが家だと思ったのか...」
「あっ、え、ええっと...」
「まぁいい、もし家にいたら伝えてくれ。明日学校に来たらすぐに俺のとこに来いってな」
「はい…わかりました」
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私は学校が終わると家に急いで帰った。
途中大牙君に話しかけられたような気がしたけどそんなことは気にもとめなかった。
家に着くとドアの鍵は閉まっておらず、玄関は散らかっていていた。
私はすごく驚いた。
今までこんなことがなかったからだ。
いくらお兄ちゃんでもここまではならなかった。
涙を零しそうになったが私より今はお兄ちゃんのほうが苦しいはずだから私はこらえた。
すぐにお兄ちゃん部屋に向かう。
ノックして声をかけたが、返事がなかった。
ので、中に入ろうと思ったが、やはり鍵がかかっていた。
私はこのままではダメだと思ったのでドアを蹴破ろうとしたけど、そんなことする前に鍵が開いた。
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「どうした」
力無い声で俺は雛にこえをかけた。
「えっ、どうしたって…お兄ちゃん大丈夫なの」
「大丈夫?そんなわけないだろ」
「っ…ごめん」
「別にいいよもう」
「で、でも…」
「出てってくれ」
「てゐ先生から伝言があるからそれだけ聞いて」
「…」
「“明日学校に来たらすぐに俺のとこに来い”だって」
「わかったもういいだろ」
「う、うん…それじゃ」
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その会話のあと何度か雛が声をかけてきた。
「お兄ちゃん…ご飯どうする?」
「お兄ちゃん…お風呂は?」
「おやすみ…」
俺はそれをすべて無視し、PCで色々なことを調べた。
『てゐに問い詰めるためだ』
そんなことをしていたら時計の針は早朝3時を指していた。
ので、俺は寝ることにした。
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朝起きると目の前にパジャマ姿の雛がいた。
俺はベットから跳ね上がった。
なぜなら、部屋の鍵は閉めてあったのだから。
雛の後ろの方を見てみると恐ろしい光景が目に入った。
ドアが粉々になっていたからだ。
「わ、わかった」
「…」
「風呂に入って飯食ってくる」
俺は慌てて部屋を出た。
雛は立ち尽くしていた。
俺はシャワーを浴び、制服に着替え、作られていたご飯を急いで完食した。
そして玄関に走った。
雛はもう玄関にいた。
「ご、ごめんまった?」
「…」
雛は何も言わずにドアを開けると、俺の腹部辺りに重い衝撃がはしった。
思わず気を失う。
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目を開けるとそこには珠さんとてゐがいた。
「こ、ここは…」
「学校だ」
てゐがそう言った。
「な、何で俺学校に?」
「お前の妹に頼んで連れてきてもらったんだよ。まーその格好を見るにその必要は無かったな…」
「え?意味がわからないのですが…」
「大和君ね、てゐちゃんが大和君のこと心配で雛ちゃんに頼んでやってもらったのよ」
「は、はぁ…。てゐちゃん?」
「あっ、私とあなたの先生てゐ妖雲は同い年なのよ」
「別にそんなことどうでもいいだろ」
「あっそ」
「それで、てゐ先生何のようですか?」
「え?ああ、あーっとここじゃ何だ移動しよう」
「わ、わかりました」
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俺はてゐと珠さんについて行った。
保健室を出てから教員用?のエレベーターにのって下に降りる。
保健室は一階にあるため地下であることが予想できる。
俺はこの間にてゐに問い詰めようと思ったが、そんな空気ではなかった。
エレベーターのドアが開くとそこには、重い扉があった。
その扉を見た時急に記憶がよみがえった。
『心の扉』
「お、おい、お前いまなんて…」
「え?あっいや何でもないです」
「そ、そうか…」
(てゐが動揺したってことは当たっているのか?
だが、なんだ心の扉って…記憶にあるってことは前に使ったとか、見たとかなんだろうな…)
「とりあえず大和君、ここに入ってもらえる?」
「は、はい。でもここって…」
「いいから」
「わ、わかりました」
俺は珠さんに言われた通りにその扉の前に立った。
俺は数秒立ち尽くした。
そして思いっきりその扉を開けた。
なかから光が出てきて吸い込まれる。
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俺は気がつくとベットに寝ていた。
しかも保健室のものではなく俺のものだったので、気絶でもして家に帰ったのかなと思い、ベットから起き上がろうとしたら…
『体が縮んでいた』
意味がわからなかったがなんとなく予想はついた。
(心の扉の試練か…)
俺は心を落ち着かせ、状況を整理した。
今はどの歳なのか、日時はなどを
するといまは
『5歳の夏の夕暮れだった』
日にちは中旬頃で夏休みの真っ最中だ。
(こんな頃になんかあったか?)
などと思考をめぐらしたが全くわからなかった。
とりあえず部屋を出ることにした。
玄関へ向かうと母がいた。
「あれ?どうしたの大和」
「え?あっ今からどこいくの母さん」
「母さん?どうしたのきゅうに」
(あっしまった怪しまれないようにしなくっちゃ)
「あ、いや、その…ままどこいくの?」
「今からね研究所にいってくるのよ」
「わかった。がんばってね」
「はーい、いってきます。あっ雛のことお願いね」
「うん」
忘れていたがこの頃はまだ母さんとは別居していなかったのだった。
それで、今雛はどこにいるのだろうか…
リビングの方に向かうことにしたとき俺の心臓に重い衝撃が走る。
(!?なんだこの衝撃)
呼吸が荒くなり、脈打ちが早くなる。
(!?なんだよなんなんだよ、くっそ意味わかんねぇ。)
俺はその場に胸を抑えながら膝から落ちた。
(子供の頃にこんなにも大きく体調を崩したことなんてあったか?もしかして…)
『試練』
(この日に何かあったんだ。あまりにも小さすぎて覚えてなかったが、俺が今魔術を使えないことに深く関わっているに違いない。)
俺はそう思うと深呼吸をして立ち上がった。
読んでいただきありがとうございます。