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短編集

私。

作者: 桜川藍己

 私はもう駄目です。人の気持ちがわかりません。分かろうとしても分かりません。だから茶化します。そしてあとになって悲しくなって泣く。限界がきて泣く。壊れてしまう。しょうがないじゃないですか。私は分からない。あなたはなにを考えているのですか? 私になにを求めてるのですか? 分からない。分からない。分からないのです。どうすればいいのです? なにをすればいいのです? なにが正解なのです? 苦しいのです。なにを信じればいいのでしょう? 私には分かりません。私の考えはすべて無視。それなのに押し付けられる。お前はバカだバカなのだから俺の考えだけを聞いていればいい。意味が分かりません。私も人間です。考えます。私の考えもあります。私だけの考えがあります。それなのになにも考えてないとか、それは間違いだとか、聞きもしないのに、クソクソおかしい。この世界はおかしい。おかしい。おかしいです。平等という名の不平等。区別という名の差別。普通という名のマジョリティ。私はなにをすればいいのでしょう? 死ねばいいのですか? 死ねばすべて解決するのですか? いいえ、そうだとしても死にません。あなたが死ねば。

 怒れる人がゆうりです。怒れない人は弱者です。理不尽に怒って、間違えても誤魔化して、怒って抵抗できなくする。私は怖いのです。私は怒れません。どんなにおかしいと思っても笑って茶化します。誤魔化します。そして一人苦しみます。私は本当のことを話したことがありません。すべて偽物。道化を演じています。もう嫌なのです。苦しいのです。本物をださせてください。私は人間です。ピエロでもロボットでもありません。もう泣きたくない。苦しみたくない。私はなにをしているのでしょう? なにが普通でなにが普通じゃないのでしょう? 助けてよ。私は私になりたい。私は都合のいい人間じゃありません。感情のない人なんか存在しません。可笑しいだろ。笑うぞコラ。私はもう限界。壊れそう。壊れそうです。壊れるのです。ボロボロになってそれでも耐えて。終ったと思ったらまだ続く。もう限界。もうやめたい。逃げたい。逃げさせて。期待しないで。私なんかに期待しないでください。期待する癖になにもくれない。期待するだけして失望しないでください。私は人の嘘が分かりません。本当の心が分かりません。分かろうとしても分からないのです。私は建前と嘘に揉まれてボロボロになっています。ふざけんじゃねーぞ? 私はふざけてません。真剣です。大真面目です。辞めろ? こっちからもお願いします。辞めさせてください。三年生だから? だったら私の考えも聞いてください。命令してくるのに引っ張れるわけないじゃなないですか! 無理ですよ。私がバカだと決めつけてなにも考えてないと決めつけて責任だけ押し付けようとして意見という名の命令。聞かなかったら無視。強行突破。もう無理限界。あなたはなにを考えているの? 分からないから分からないのです。離れたら近づいてきて近づいたら離れていく。クソわかってんですよ。私が気持ちを読み取れなくて不器用だからもう一瞬で嫌になったことくらい。でも前みたいに話してくれてもいいじゃないか。ワザと返信を遅らせたり素っ気なくしてみせたり。わーぜんぜんきづかなかったー? 気づかないわけがない。クソ分かってんだよわかってるからこそこっちも気づかないふり。お得意の道化です。クソ。道化が嫌だっていって、嘘が嫌いだっていって、それなのに自らそんなことをする。もうおかしい。私はなにをすればいいの? どうすればいいの? 私は結われた通りの人間になる。なってしまう。バカといわれたらバカを演じる。気持ち悪いといわれたらもっと気持ち悪くなる。不真面目っていわれたら不真面目になる。面白い人っていわれたら面白い人になる。天才っていわれたら天才になる。好きっていわれたら好きになる。嫌いっていわれたら嫌いになる。もうどうしようもない。道化の塊。

 私はどこにいるのでしょう? 本当の私はどこに。私はここにいます。いるのにみえない。みせてよ、みせてください。隠れてないで出てきてください。

 私は体罰を受けてもいい人間なのです。私はストレス発散に使ってもいい人間なのです。私はどんなことでもお願いしていい人間なのです。嫌なことは忘れます。苦しいことは忘れます。一日経てば忘れます。忘れるのです。絶対に忘れるのです。忘れるはずです。忘れてください。忘れました。もう忘れたのです。ホラもう苦しくない。ほら、ほら! なのに、なのになんで涙が出るのでしょう? 苦しくないのに、なにも、なにも、なにも苦しいことなんてなにも無いのに。なにも無いのに。なんで、なんで、止まりません。私は私は。

 手を伸ばしても届かない。ぬるぬるとした透明な。逃げていく。私を置いて。誰も私をみてくれない。みてって叫んでも、目の前で手を振ってもみてくれない。どうせこいつはバカだからってみてくれない。確かに私は人の名前を覚えれない。人の言ったことが水をすくう時のようにどこかへ落ちていく。しっかり考えてからじゃないとなにも喋れない。なにかを覚えるとき人よりも倍以上時間がかかる。でも私はバカじゃありません。時間が掛かっても私はなんでもできます。興味の持てるものならば飽きるまで成長できます。私は天才じゃないし、凡人でもない。誰も私をみない。表面しかみない。表面をみて判断する。中身をみてくれ。誰か中身を。私は人間です。良くみれば分かる筈。ちゃんと人間です。バカにしないでくれ。考えもするし、苦しみもする。逃げたくなるし、性欲もある人間だ。みろ! 私は人間だ! 叩かれれば痛いし、突き放されれば苦しい。人間なんだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 出ているじゃないですか。答え。貴方は人間。それが分かるなら貴方は前に進めますよ。思うままに進みましょう。貴方の生き方は綺麗なのだから。
[良い点] 思ったことをはっきりと書くって言うのは清々としますね、僕もよく同じようなことを感じます、どうしてここまで愚かな下らない奴が地球にいるのか理解に苦しむ、他人を思いやれない人間は死ぬべきだ、や…
2017/12/27 00:47 退会済み
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