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お化けは詳しく描写しよう

 さて。

 書きたいジャンルが決まったら、次はメインとなるお化けや化け物の設定を考えていきます。


 ここはなるべくふわっとではなく、詳細に考えます。

 一度も姿が出てこなくても、生い立ちや出てくる理由なんかも考えておきます。


 なぜかというと、出てくるときのインパクトがとても重要になってくるからです。


 例として映画「リング」の貞子の場合を考えてみましょう。

 テレビ画面に井戸が写って、その井戸から女が這い出てくる。そして、徐々にカメラに近づいてきて、今度はテレビ画面からも抜け出てくるシーン。強烈ですよね。

 これは映画だけのシーンで、たしか原作の小説には出てきてません。

 もし、原作にこのシーンがあったのなら、きっと詳細に描かれていたと思います。登場人物たちの五感をフルに使って。

 原作での貞子が呪い殺すシーンは、実際に書籍をお手に取って読んでみてください。また違った怖さが描かれています。



 さて、詳細に描写することの例として、たとえば「白いお化けに襲われた」というシーンがあったとしましょう。


【僕は夜中に急に目が覚めた。トイレに行こうと起き上がると、そこには白いお化けがいた。僕はお化けに襲われた】


 はい。これだとお化けがどの位置にいるのか、いったいどんなお化けなのか、またどういう風に襲われたのかが描かれていませんので、想像しにくいですね。怖さ半減です。


【僕は夜中に急に目が覚めた。トイレに行こうと起き上がると、視界の端に何か白いものが映った。ゆっくりと左に目を向けると、ベッドのすぐ横の床に男の子の顔が生えていた。まるで床から顔だけが飛び出してるみたいに。小学校低学年くらいだろうか、血走った目が天井を凝視している。その子の見ているものは……天井には、小さな両足がにゅっと飛び出していた。その子のものなのか? 男の子を見ると、視線はいつの間にか俺の方を向いていた。ゾクッとした瞬間に僕のからだは金縛りにあったように動かなくなる。男の子の顔が徐々にこちらに近づいてくる。だれか、助けてくれ! ……そこで僕の意識は途絶えた。」


 どうですか。

 どんな状況なのかがわかると怖さがいっそう増しませんか。

 これって、ホラーに限らず、意中の美少女に会ったり、いじめっ子が登場するシーンでも使えるかもしれませんね。どんなキャラなのか分かったほうが感情移入しやすいです。

 幽霊には恐怖が。美少女には恋愛感情が、いじめっ子には憎さが生まれます。


 自分も描写が苦手なので、うまい例としてあげられたか自信がありませんが、とにかく、怖さを読者に感じてもらうためには描写です。


 「よくパニック状態でよくそこまで意識が向くね?」と疑問に思われる方がいらっしゃると思いますが、ホラーにおいてはその状況からいかにして逃げ出そうかという心理が働くので、敵を分析する余裕がある程度うまれます。

 

 孫子先生もおっしゃってますよね。「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」と。

 敵をまずよく観察しないと、逃げるにも逃げられないのです。異常な状況にさらされた場合、次の瞬間にはすでに殺されている場合だってあるわけですからね。

 

 ちなみに、ナイフをもった暴漢に襲われる場合も、人はナイフだけをじっと見てしまうそうです。(だから、犯人の顔はあまり覚えてないことが多いそうですが)。 


 登場人物の性格によって、どこまで描写するかは加減したほうがいいかもしれません。

 冷静な人物でも、実はそういう状況に弱くすぐに失神してしまうとか。

 豪胆な人物は最後まで戦おうとするとか。

 ひとりの登場人物で描ききれなかった場合には、いろんな人物を出して、その都度描写を補ったりしてもいいかもしれません。


 また逆にあえて描写を少なくすると、「謎」が生まれます。

 「謎」というのも別の恐怖となり得ます。わからないものというのは怖いですからね。


 この辺はさじ加減です。状況によって使い分けてみましょう。



 次回はその恐怖の対象の登場のさせ方について、もう少し掘り下げてみます。

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