喪心スペクトラム
何故なんだろうか
今日は憂鬱な気分
友達としゃべりながら
帰るこの道
いつも通りなのに
皆から遠く感じる
自分だけまだ
皆よりずっと後ろにいる
そんな気がする
バイバイって言って
独りの帰り道
憂鬱な気分は増して
ずっとベンチに座ってたい
でも帰らないわけにはいかなくて
仕方なしにまた歩き出す
まだ知らない
恋という美味しい時間
大切なものは
自分以外見つからない
我儘に愛されていたいのに
イヤホンをつけて
音と言葉の調和に溺れる
家が嫌いなわけじゃない
ただ戻りたくないんだ
パッチワークじゃなくて
捨てられたぬいぐるみが
似合うあの|家庭≪ばしょ≫に
世の中の大半はこんなとこにはいなくて
ただ自分は
はずれくじを引かされた
そう思うとつらくなる
劣等感の染みついて抜けない
歌の中の声は訴える
『今ここで自分を殺しせば
望む世界に浸れるって信じてるの?
別の世界に期待してるんでしょう?』
信じてなんかいないけれど
期待してしまう
此処にいるのは
それほどの苦しみで
逃げて求めた場所が
鎖でつながれていて
結局は同じように
つらくなるのだとしても
逃げ惑うその途中は
きっと楽だから
全て捨てて解き放たれるから
檻の中の自由でも手にしたい
もう家はそこに見えてる
すぐ横の道路
救急車が向かってくる
その光が視界に広がる
このまま道路に飛び出したい
愚かな自由を手にしたい
強い衝動が体を駆け巡る
誰かに乗っ取られた気分
怖くて恐ろしくて
しゃがみこんだ
目の前にはドアがある
憂鬱にとらわれた顔を
何気ない顔で覆う
愛さぬ人に
心配されて
心配させるのは嫌だから
やさしさだと思われてる
でも違う
冷たいだけ
遊園地ですれ違う人達と貴方は
心の中じゃ変わらない
波のように
押して押されて
きっとまた
こんな気分になって
同じこと考えるんだろう
杭につながれて
それ以上離れられず
回り続けてる
メリーゴーランドみたいで
輪廻みたいでもある
それが途切れるのは
死ぬ時だと
信じたい
@kakimiya_yuki
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