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あとがき
名前のつけられない喪失と一緒に生きていく。
手を伸ばしても触れられない存在
思い出せば胸がきゅっと痺れるような誰か。
この物語の少女は、彼の人生から姿を消してしまったけれど
彼女の願いはひとつだけだった。
「彼が生きる未来を、光の方へ導きたい」
たとえ自分がその手を取れなくても。
一方で青年は、
「忘れないこと」を選んだわけでも
「囚われ続けること」を望んだわけでもない。
ただ、
確かにそこにいた愛しさと向き合いながら
歩き続けることを選んだ。
前へ、前へ。
時々、少し振り返りながら。
見えない絆というものは
時に、誰よりも強く、あたたかい。
姿を失っても、終わらない関係がある。
それは決して「悲劇」ではなく
ひそやかな「奇跡」かもしれない。
この物語が、
あなたの心の奥で眠っている
大切な誰かの記憶を
少し優しい色に変えてくれたなら。
ページの向こうで
少女も青年も、きっと微笑んでいます。
いつかまた、どこかの物語で
お会いできますように。




