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夜にほどける  作者: 月愛
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少女の心が語るエピローグ。

最後に見たのは、彼の泣きそうな笑顔だった。

あの日と同じように、不器用で、優しくて、

私の名前をそっと呼ぶ声。


あれから何度も思い出した。

彼と見上げた夜空や、こっそり笑い合った秘密や、

触れられなかった指先が少し震えたこと。


私は、消えたわけじゃない。

風のように、空気の隙間に潜んでいるだけ。


彼が悲しいとき、心の奥がきゅっと痛む。

彼が笑ったとき、胸のどこかがくすぐったくなる。


私はもう言葉を持たないけれど、

彼が日々選ぶ「優しさ」に宿っていられる。


彼が夢を見るたびに、

物語の端っこでそっと灯りを点ける。

迷わないように。

ひとりじゃないと気づけるように。


もし彼がいつか、

誰かと出会い、恋をして笑っていたとしても、

私はそれを妬まない。

彼が幸せでいることこそが、

私が望んだ未来だから。


それでもときどき、思う。

どこかで、もう一度。

あの星降る夜のように。


生きていく彼の背中を押しながら

私は永遠に、彼の心の奥にいる。


会いたいなんて言わない。

触れてなどお願いしない。


ただ、知っていてほしい。


私は彼の物語に、今もそっと寄り添っている。

彼が前を向くたびに、静かに羽ばたいている。


ずっと。


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