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0005 お気に入り

3人は、宿で宿泊する部屋に来ていた。


「お部屋広ーい!」

「綺麗で良かったね。スイ」


軽く荷物を整理しながら、今後についてを話しだした。


「…んで、こっからどうすんだ?」

「そうだね、軽く偵察にでも行こうかな…スイは……」

「スイも行くもん!」


まだ幼い彼女を連れて行くのは少々気が引ける。マカはガーノに意見を問いた。


「……どうする?」

「…いいんじゃねぇの?」


マカは眉をあげ、当たり前のように言った。


「じゃあ3人で行こうか」

「うん!」


彼らは支度を進めた。マカは一足先に宿の部屋を出て、ある人物に会いに行った。


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「ってことだから、ここの警備はよろしくね」

「…何故わざわざ私に?」


そう。村の入口にいた警察官、岩橋圭である。


「急にこの中の人が居なくなったら君達が困るでしょ?ここへ来た人の身分確認までしているところを見ると、君たちはなにかに警戒しているようだしね」


その言葉を聞くと、諦めたような、呆れたようなため息がこぼれた。


「なるほど。貴方々の監視は指示されていない。どうぞ、お好きに」

「……ありがとう」

「…これが仕事だからな」


監視という言い方に少々疑問を覚えつつも、彼の計らいに感謝した。


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彼らは偵察に出た。

魔獣達は種族関係なしに、まっすぐ行進をし、あの村に向かっている。

その様子を、3人は森の茂みの中から隠れてみていた。

ガーノは四角い片眼鏡型の小型機器を目につけている。


『…………』


3人の間では沈黙が走った。


「各個体のレベルは?」


マカはガーノに問いかけた。ガーノがつけている小型機器は、レベル測定器である。


「4.5.4.3.5.4.4.5.4.5.3.4……」

「ごめん。もうわかんない」

「ん」


いつまで続くか分からない数字の羅列を、スイが遮った。


「村への到着は?」

「このペースでずっと進んでんなら…明日の昼には着きそうだな」

「了解」


それだけ聞くと、マカは反対方向を向き、木の裏で立ち上がった。


「帰るよ」

「もういいの?」

「うん」


想像より早い撤退にさすがに不安を持ったが、3人は村へと戻る道を進んだ。


「…で、お前の予想は当たったか?」


マカは横目でガーノを見て、薄く笑った。


「さあ、まだ分からないな」

「そうか」


ガーノはその一瞬の表情の変化を見逃さなかった。


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「ってことだから、そこまでに戦力固めといてね」

「……はぁ」


今、彼らは村の人からの歓迎を受けて夕食を取っている。この村に迫り来る脅威を討ち滅ぼそうとしている人々に感謝し、歓迎しているのだ。

そのため、村の大広間にて、食事会が開かれていた。

ちなみに、今、マカが話しかけている圭もご飯を食べている。


「貴重な情報、感謝する。だが、それこそなぜ私に?」


マカは、横目で彼を見た。


「ここには私の他にも何人か、警察の警討課はいる。それなのに、何故」

「僕が君を気に入ったから」


食い気味に答えた彼女は、面白そうに笑っていた。


「は?」

「それ以外の理由はないよ」


圭は、しばらく喋らなかった。


「料理、食べないのか?」

「うん。いいかな」


しばらく、ふたりは喋らなかった。


「フェアリーサン所属のアカネ警部補に、お三がたのことを事前に聞いていた」

「……?」

「“フェアリーサンの中で3人は、一番の手練だよ”と、言っていた。」


マカはその言葉を聞いて、意外そうな顔をした。実際、アカネが人を褒めることが珍しいのである。


「私は、あなたたちの力を借りようとも、借りずとも、何も変わらないと思っていた。」


「だが、初対面でのガーノさんのあの質問。幼いながらもかなりの魔力量を持つスイさん。そして、正しい決断を続けるマカさん。」


マカは、ゆっくりと顔を圭の方に向けた。


「…確かに、あなたたちがいなかったら、我々がいたとしても、いつ襲撃に会うか分からない恐ろしさが芽生え続けていたであろう」

「え?」


本当にわけがわからない様子だった。


「…あなたたちが、この偵察での結果を村側に伝えたから、こんな歓迎をしているのでは?」


「……ガーノ」

「あ?」

「偵察の結果、村の人に伝えたか?」

「?…いいや、言ってねぇけど」


ふたりはしばらく見つめ合い、言葉を失った。そして、今が最悪の事態であることを察知した。


「…そういう事か」


マカは頭を抱えたが、その口角は上がっていた。


「岩橋巡査部長。君が何をそこまで警戒していたか、僕にもわかったよ。ただ、もう遅いかもしれない」

「…そのようだな」


さっきまでの穏やかな雰囲気はなくなり、ふたりは、仕事モードに入った。


「判別はできるか?私はできる」

「僕も。んじゃ、分かったら全部僕たちにくれ」

「…分かった。何をするかは知らんが…

お前たちを信じよう」

「…やっぱり、君、気に入った」


マカは再び笑った。



圭は、例の魔獣の裏に誰かの意図があると踏んでいた。そこで、討伐に集った者、又は村の者に内通者がいる可能性を踏んでいた。

そして、ふたりは考えた。今回、その内通者が、わざと食事会を催すよう仕向けたのだとしたら……と


「失礼!1度手を止めてくれ!その料理に毒物を混入された可能性がある!今、私と…医者である彼彼が調べるので、協力を頼む!」


「はあ?毒?」「私、もう結構食べちゃったよ?」「言うのが遅せぇんだよ」


他の皆からの不満はあったが、渋々、調査に協力してくれている。


「今、このタイミングで、毒を盛るなんて」

「スイ、俺らは犯人探しだ」

「…わかった」


「岩橋巡査部長。多分、みんなの様子を見るに、これは遅延性の毒物だ。その上、匂いと味での判断はできなさそう。……つまり、僕で判別が不可能になった」


マカは、鼻が効く。そして、毒耐性もある。遅延性の毒で、匂いも分からないとなると、彼女は毒の判別ができないのだ。


「私に任せる……と」

「入っているモノさえ分かれば、毒の解析して、解毒剤ぐらいは作れる。だから、頼んだよ」


圭は辺りを見回した。


「ひとつでも、毒入りが分かればいいんだな?」

「ああ」


圭は迷うことなく、ある皿を持ってきた。


「これだ。食べてはいけないと判断した」

「仕事が早くて助かるよ」


「ガーノ!全員の持ち物を調べろ!赤い砂時計を持ってるヤツが多分犯人だ!」

「了解!」


「スイ!お薬作るの、手伝ってくれる?」

「もちろん」


「岩橋巡査部長。他にも毒入りが見つかったら、僕に」

「理解している」

「……頼んだよ」


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マカとスイは、宿の部屋で解毒剤を制作していた。


「失礼する。これで毒入りは最後だ」

「お、ありがとう」

「こっちも、解毒剤作れたよ」

「そうか」


圭は思い出したかのように、言った。


「あと、ガーノさんが犯人を捕らえたそうだ。指示を待っている」

「そうだね。なら、ソイツはひとまず、警察の方で預かっといてくれ。また落ち着いたら、こっちで受け取るから」

「了解した」


マカから解毒剤を預かり、部屋のドアへ向かった。


「では、この解毒剤を配りに行ってくる」

「スイも行く。分量とかあるし」

「では、頼む」


「あとひとつ」


今すぐ部屋を出ようとする2人をマカが呼び止めた。彼女は頬を膨らませた。


「僕、女だけど」

「…ああ」


圭は視線を逸らした。

マカは普段、そんなの気にしないが、加護を持っている圭が間違えたので、ちょっとムカついていた。


「“彼”と叫んでから気がついた。まあ、あの場で言い直しても混乱するだけだろうがな」

「わかってるならいいよ」


そして2人は部屋を後にした。



彼女は考えた。あの毒は明日の昼にちょうど効くぐらいの性能だった。関係がないという方がおかしい。しかも、わざわざ、彼女に判別できない、無臭のものである。


(やっとしっぽを掴んだ。絶対、僕がこの手で_____)




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その後、スイとガーノが部屋に帰ってきた。


「警察に犯人預けたぞ」

「ありがとう。ガーノちゃん」

「解毒剤も全員に配り終わったよ」

「スイもありがとう」


マカはひとつ、ため息を着いた。


「さて、今日やることは全部終わった…」

「いや、まだひとつ残ってる」

「え?」


ガーノが、そういうと怪しげな笑みを浮かべた。


「忘れてないよね?行きでの会話」


スイもちょっとだけ怖い笑顔をしている。


「ちゃーんと言ってたよな?“今日は大人しく寝ますって”」

「そんな言い方してないと思うけど…」


※彼女は6徹目である。


「言った覚えはあるんだな?」

「……………おん」

「なら……ね?」


スイは笑っているが、その裏に怒りを感じさせた。さすがのマカも恐れている。


「今日はマカもご飯食べてたし、ゆっくり寝られるんじゃないかな?」

「さすがに7徹目はやばいからな」

「君たち、僕を寝かせるってなると、めちゃくちゃ圧かけてくるよね……」


そう。この状況、結構何回も起こっているのである。


「ま、強制的に寝かせるということで…」

「え゛?」


ガーノが、マカの腕を掴んだ。


「ちょっと待て!離せコノヤロウ!さすがに寝る!寝るから!やめて!!なんか嫌な予感が」


騒いでいる声を聞きつけ、圭が部屋のドアを開けた。


「騒がしいが何かあったのか……」

「あ」


彼は動きを止めた。スイは目を点にした。

そう、傍から見れば、ガーノがマカをベットに押し倒している状況である。


「………」


「スイさん。別の部屋行くか?」

『だあァァッッ〜〜〜〜!!』


その夜、2人の声がコダマした。


その後、誤解を解くのに小一時間はかかったそう。













ごめん。疲れた( ᐛ )

プリ小の方、もうちょい続くんだけど、疲れた!

4000文字だぞこんにゃろ。

あ、根来琴葉です。

いや、こんなに大騒ぎさせる予定じゃなかったんだよ。マジで。

元々、この毒事件は、既に没にしたプロットをなんかいい感じに利用して作ったやつなんです。それが結構伏線多めになってしまった。

まあ結果オーライということで。

そーいや、圭くんは気遣いのできる男です。一応、解毒剤制作時はノックして部屋に入ってました。緊急時は…まあ、しゃーなしやな。

圭くんはこの一幕の為だけに作ったキャラですが、結構良い立ち回りしすぎてて、これからも登場すると思います。マカ以前に僕が気に入っています。マジで。

あと、マカの毒耐性は、即効性のものには効きません。マカは自分の体内で毒を分解する時間があれば対処は可能ですが、摂取してすぐ死んでしまうとかいう毒だったらマカちゃんにも効きます。まあ、普通の人間より強いのは確かですけどねん☆

まーそんなこんなで、おつコレ☆

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