0002 代表者
後日、フェアリーサン社をマカとスイが歩いていた。
2人は昨日の違い獣耳と尻尾が生えておらず、マカは白衣を着ている。
「あ、いたいた。ガーノちゃん!」
マカは目線の先にいた人物の名前を呼んだ。
彼は少し不機嫌そうに振り向いた。
ガーノと呼ばれた男は、オレンジ色のメッシュの入った黄色の髪を赤いゴムでひとつに括っている。全身、黒の服で覆われていて、赤と黄色のグラデーションの瞳を持っていた。
「なんだよ、マカ…」
彼の顔がパァと明るくなった。
「ガーにぃ!」
「スイじゃねぇか〜どうした〜?」
「僕の時と露骨に態度変えるのやめてよ。
これでもか弱い乙女なんだよ?」
「どこがだよ。」
「そーだそーだ。」
そう、マカは女である。
ちなみに、ガーノは顔だけ見ると女みたいなので
ほぼ真逆である。
「自分から好きで男装するやつ、俺の知り合いにいねぇぞ。…お前しか。」
「僕だって好きでやってる訳じゃないけど〜?」
「じゃあなんで?」
スイの無邪気な質問に、マカは少し悲しそうに笑った。
「なんでだろうね。」
「んで、なんだよ。俺になんか用があったんじゃねぇのか?」
「そーそー、忘れてた。これね。」
マカはガーノに小さな封筒を渡した。
「…USBか。」
「正解。スイが頑張って取ってきてくれたんだよ〜。」
「マカがスイのこと囮に使っただけだけどね。」
そんなスイの思いがけない言葉にガーノはキレた。
「は?」
「ん?」
それに無言の圧をかけるマカ。
「…ごめん、ここで喧嘩しないでめんどくさい。」
それを宥める最年少。
「ガーにぃ、この中になんのデータが入ってるの?」
スイは前々から思っていた疑問をガーノに投げかけた。
「……?」
ガーノはキョトンとした様子で首を傾げた。
「マカとまんま一緒のことしないで!」
「え、マジで?うっわ〜。」
「露骨に嫌そうにしないでよ。傷つくじゃん。」
スイは、それを見て、ただ単に感想を述べた。
「ほんとに仲良いよね。」
『仲良くない!!』
「仲良いじゃん……」
「はぁ?ざけんじゃねぇ!スイに言われたからってコイツと仲良くするのはごめんだからな!」
「僕も同感だ、このクソガキ、仲良くしても意味はないしね。スイを可愛がって面倒見る方が僕はいいかな。」
「あ゛?誰がクソガキだ!俺の方が年上だろ!?」
「それ見た目年齢だろ?僕の方が明らかに生きてる年数が多い。僕からしたら君はクソガキなんだよ。」
「んだと?」
「ストップストップ!ほらもうめんどくさい!
もー、仲良いんだか悪いんだか……」
その時、社内に爆音で放送が流れた。
《至急、代表者は会議室へ直行してください!!!繰り返します!!!至急代表者は会議室へ直行してください!!!》
2人は耳を抑えた。
「っるせぇ。」
「うう……」
「ったく、何回言ったらわかるんだよ。レタのヤツ。」
「ガーにぃ、マカが……」
スイに言われマカを見ると、目を回して硬直していた。意識がないようだ。
「気絶してる……立ったまま
こいつもこいつでめんどくせーなほんと。」
ガーノはマカに肩を貸し、スイに言った。
「じゃあスイ俺ら行ってくるからいつもの場所で待っててくれ。誰かテキトーにひっかけてもいいから。」
「わかった。行ってらっしゃい、ガーにぃ。」
「はいよ。」
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フェアリーサンには2つの呼び出しの放送が定期的に流れる。
ひとつは「各課の会長」を呼び出す放送。
もうひとつは「代表者」を呼び出す放送。
代表者は、ブラッドレイン内の6つの部隊の隊長のことを指す。
「ほら、マカ起きろ、行くぞ!」
武器や防具の製造、セキュリティなどを任されている部隊。
機械部隊隊長、ガーノ。
「……んん……ッ後でまじ訴える。」
前線に立ち、主な戦闘を任される部隊。
特攻隊長隊長、マカ。
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地下一階の会議室にて。
「ちょっとダギさん!レタちゃんに後で注意して!」
「またこいつが気絶しちまったからよ」
暗い会議室の中で、2人はある人物に話しかけた。
Tシャツに灰色のVネックセーター。褐色の肌に、赤茶色の髪。顎髭を生やし、小さなサングラスを身につけた男。
「ははっ、もう何回もしてるつもりなんだけどねぇ。」
様々な方法で情報収集を行う部隊。
情報部隊隊長、ダギ。
そんな3人の会話にひとりが混ざろうと口を開いた。
黒と赤を基調としたメイド服。桃色のショートヘア、横髪が長く、後ろ髪が三つ編みのハーフアップ
幼い骨格の女性。
「いい加減担当変えたら?ギアルとか引っ張ってきていいからさ。」
怪我の手当や、様々な薬品を作り出す部隊。
薬学部隊隊長、ミュー。
その流れに乗り、もう1人が会話に混ざる。
黒いパーカーにガスマスク。灰色のマッシュヘアは目の下まで長く、顔が一切見えない青年。
「あー自分も賛成です。隊長気絶させるって実績は認めるけど。」
後始末などの汚れ仕事などを行う部隊。
清掃部隊隊長、アムン。
その中で流れに乗らず沈黙を突き通した人物。
緑色のネクタイのスーツを着ている。黒髪にメガネ。あまり表情が読み取れない無口な男。
「……」
ブラッドレインの最後の砦である部隊。
救援部隊隊長、トキナ。
機械越しに音声がながれる。
《皆揃ったな。それでは始めよう。》
その声は、社長。
フェアリーサンのトップ。
数多の実力者を束ねるものだ。
《本日呼んだのは他でもない。
種族間外で集団で動く魔獣の討伐の件だ。》
どうも、1回データ消えて病みかけた根来です。
ひとまず今のところは毎週投稿します。
どっかから2週間に1回の投稿になるかと思います。
前回の見てくださった方ありがとうございます。
Xも確認してくださった方いるのでしょうか。
プリ小の方見た方いらっしゃるのでしょうか。
プリ小の方はね、こっちよりもだいっっぶ進んでますよ。
まあそれが追いつくまでは毎週投稿します。
それでは、次回をお楽しみ。
おつキミ。




