其之参 統治機構と尊称について
『統治機構』
【幕府】
将軍を首長とする武家政権。もしくはその政庁のこと。史実における幕府は全て(形式上は)将軍の家政機関の形態をとっていた。語源は中国の戦国時代、王に代わって指揮を取る出先の将軍が張った陣地を「幕府」と呼んだことに由来する。
江戸幕府の所領は御料もしくは御領を正式名称としながらも天領、江戸幕府直轄領、徳川幕府領、徳川支配地、幕府領、幕領など様々な呼称があった。
【藩】
大名が支配する領地および支配組織のこと。江戸時代当時は、大名領は領分、大名に仕える者や大名領の支配組織は家中などといった呼称が用いられていた。
・支藩
江戸時代の藩主家の一族が、弟や庶子など、家督相続の権利の無い者に所領を分与(分知)するなどして新たに成立させた藩のこと。参勤交代による本家当主不在時などに本家の代理として活動したり、本家の当主が幼少である場合の後見役として活動した。
【領地】
旗本・御家人・藩士などが治める所領のこと。石高が1万石に近いほど統治機構は藩に近づいていく。
『尊称』
【御所号】
「◯◯御所」の尊称のこと。摂家や将軍家一門、公卿などといった限られた人間のみに許された称号であり、尊称としては最高位に値する。
【公方号】
室町時代以降、将軍の敬称として盛んに用いられるようになった称号。当初は将軍だけでなく、将軍家の他の有力者(鎌倉公方など)にも用いられたが、江戸時代以降は将軍のみの敬称として定着した。
【屋形号】
御所号に次いで位の高い尊称。いわゆる「御屋形様」。室町時代から江戸時代においては、名門武家の当主や大藩の藩主にのみ使用を許された。貴人の館を意味する。尊称であるが、重臣の場合は御屋形、屋形などと略称したケースもあった。
【殿】
武士の主君に対する敬称として最も一般的なもの。殿様。「地名+殿」でその土地に殿(邸宅)を構える貴人を指す敬称として用いられていた。隠居後は隠居先の屋敷名で呼称された。




