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◆ 19:魔導書リルスの章末解説書①

 初めまして! 私は魔導書のリルス。魔導書リクスの姉にあたるわ。


 第一章では、地球の梨里杏様と、エルデリアのリリア様が入れ替わったお話だったけど、いかがだったかしら?


 ん? 少し、難しかったって?


 私でさえ少し混乱したんだから、地球人にはちょっと難解だったかもしれないわね。


 それはそうと、ここまで読んでくれたことに感謝するわ。本当にありがとう。



 それでは、第二章に入る前に私から補足をしておこうかしら。


 後ほど、エルデリアにいるリリア様も触れるかもしれないけど、どうして『選律の儀』に合格しなくてはいけなかったのか……?


 それはリアノス様が多額の借金をしていたからなの。主に、アルフィナの実家である、バルクレア魔鉱交易商会からね。


 リアノス様は、度重なる高難易度魔法のために、大量の魔法石を消費したわ。研究に金を使い、魔法石のために金を使いと、セリュージュ家はどんどんと貧乏になっていったの……


 そこに訪れた、『選律の儀』の開催!!


 しかも、地球の梨里杏様を呼び寄せる日と同じという、完璧なタイミングでね!!


 そしてなんと、『選律の儀』でアーシェル皇子の従者に選ばれた者は、王族から莫大な準備金が頂けるの! リアノス様は、それが目当てだったのね。本当に、セリュージュ家はカツカツのカツカツだったようで……


 あ、あれ……? リアノス様って、本当は我儘で酷い男なのでは……!?


 コ、コホン——


 ま、まあ、これからもリリア様たちのために、研究は続くそうだから、仕方のないことですわ。



 あとはね……興味深かったことがあったから報告しておこうかしら。


 リリア様は運良く、エルデリアに飛ばされた際もスニーカーを履いていたの。泊まっていたのが旅館だったら、間違いなく裸足だったでしょうけどね。


 で、そのスニーカーにアルフィナが大層興味を示したそうで……


『ちょっと、見せてくれない? リリアがいま履いてる靴』


 きっと彼女の事だから、こんな聞き方をしたんでしょうね。そしてアルフィナはそのスニーカーを貸して欲しいと言ったの。バルクレア魔鉱交易商会で分析して、同じようなものを作りたいからって。


 そう言われたリリア様は、黙ってスニーカーを貸しただけじゃなかったの。


『じゃあ、これもついでに複製してくれない? し、下は貸せないけど、下も同じような素材感で作ってくれると嬉しいかも……』


 そう言って、ブラジャーを渡してしまったの!!


 こちらの下着事情に、すぐに気付いたんでしょうね! なんて、先見の明があるお方!!



 地球に行っちゃったリリア様の話は、残念ながら私には分からないの。なぜなら、私は——


「こんな時間まで、なにベラベラと喋ってるんだ」


「どうされました? リアノス様?」


「いや、リルスの独り言がうるさいから、本を閉じたまでだ。それではまた明日だな、ディセル」


「はい、おやすみなさいませ、リアノス様——」





〈 梨里杏とリリア ⚜️二十歳の夜、二人は世界を越えた⚜️:第一章 完 〉 

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