微々たる生態
ところで、無し無しの私は酷い虚無感に襲われる事があって、それは結構突然来たりする。
原因も自己分析もできてる。
未確定であるかも分からない未来に怯えている。
華の女子高生であるのに、老後のことを考える。
意味は無い。
私に発生する税金にすら私自身で払ってる訳でもないのに、その先のことで不安になる。
まぁ、友達がいない。趣味もない。
目標や夢なんて言った希望もないからだから。
家に帰っても私個人にメリットは無い。
だから高校生活を始めてからほぼほぼ人の来ない本屋さんで週2から3でバイトをしている。
バイトと言えど働いている身だからスマホなんかみてサボる訳にも行かず、遅々としてすすまない時計の針を見るのが仕事の大半になっている。
駅の構内にある本屋さんは夕方から夜にかけて忙しくなるけど、9時以降働けないので、結局の所忙しくなってくる時間帯に上がる訳になる。
上がりまであと30分くらいか。
なんか新刊出てたっけなとあまり本も読まないくせに立ち上がって店内をフラフラする。
と、見慣れた顔を見つけた。
「お客様ぁ〜」
「ひゃああ!!」
思ったよりも大声を出されて私の方がびっくりする。
その大きな声につられ、店内にいたほとんどの人の視線が集まってしまう。
なんとも、気まずい。
「やあ、あはは……」
「あ」
私に気付いた風は驚いた顔、少し困った顔、少し嬉しそうな顔と順番に表情を変えて行った。