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【プロローグ】 その少女

空想に逃げるしかない、悲しい子のおはなし。


 少女は午後の授業が好きだった。

程よい暖かさが眠気を誘うから。


少女はギターが好きだった。

掻き鳴らしている間は何も考えなくていいから。


少女は石ころが好きだった。

存在しつつも誰も気に留めないから。


少女は夜が好きだった。

自分の存在が溶けて無くなって行くから。


少女は空想が好きだった。

空想の中ではいつでも神様だったから。


———————————————————————


少女は一人が好きだった。

周りに気を遣わず無駄な思考をしなくて済むから。


少女は一人になりたかった。

神になりたかったから。


少女には友人がいた。

人との間に距離を作ることができなかったから。


少女は一人ではなかった。

何も考えずに生きていたから。


———————————————————————


今まで少女は空想の中で生きていた。

空想の中にいなければ疲れ切って死んでしまう。


これまでの少女は空想に生かされていた。

唯一の逃げ場がそこしかなかった。


少女を構成している物はまさしく空想であった。

空想が生活の一部になった時、少女は自分の存在価値を見出した。


この中には誰も入れなかった。入ることを許さなかった。

自分の心の中に侵入する存在は皆一様に敵だった。




今日も少女は空想の中に消えていった


どうしようもないよね。

逃げるしかないもんね。

卑怯な子。

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