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ちょっとエッチ(無自覚)で可愛い後輩アンソロジー  作者: 釧路太郎
年下だけど後輩のお姉さん

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第一話

 高校三年生になったのだから焼肉屋でのバイトなんて辞めて受験に専念しろと言われているのだけれど、俺は今すぐ辞めようとは思わなかった。今のところ大学に行ってまでやりたいことなんて無いし、大学なんて選ばなければ何とかなると楽観的に考えているのだ。

「吉野君っていつまでこのバイト続けるの?」

「俺は冬までは続ける予定ですよ。それくらいに受験勉強を始めても何とかなると思いますし」

「頭良いんだね。私なんて短大に入るのもやっとだったんだけどな。ちなみになんだけど、どこの大学を受けるつもりなの?」

「それが何も決めてないんですよね。出来れば推薦が良いんですけど、たぶん無理だと思うんで一般ですかね」

「そうなんだ。何も決めてないんだったらうちの大学にしたらいいのに。たぶん、吉野君の家からだったら自転車ですぐの距離だと思うよ」

「入れたらいいんですけどね。平野さんの大学を目指すんだったらもう少し早くから勉強しないといけないような気もするんですけど、学部にもよったりするんですかね。俺はあんまり詳しく調べてないからわからないけど」

「どうなんだろうね。でも、案外簡単に入れるかもよ」

 俺の学力だと平野さんの通っている大学は今から真面目に勉強をして受かるかどうかというレベルなのだ。短大と大学で違いはあるかもしれないのだが、それなりにちゃんとしていないと合格なんて出来ないとは思う。

 他に行きたい大学も無いので平野さんと同じ所に通うというのもありだとは思うのだけれど、そうするとこうしてバイトにきてる時間を受験勉強に当てないといけないという気持ちもあるのだ。

「大学の友達に聞いたんだけど、学部によってはそんなに難しくないって聞いたよ」

「大学って確か三つの学部と五つの学科でしたよね」

「そうだよ。吉野君は調べてくれたって事なのかな?」

「家から近いんで調べたんですよ。雨の日でも歩いて行ける距離ってのはなかなか無いですからね。俺の通ってる高校よりも大学の方が近いですし」

「そう言えば、私の家って吉野君の家から大学に向かう途中にあるんだよね。私は来年で卒業になっちゃうけどさ、吉野君がうちの大学に入ったら一年間は一緒に学校に行けるかもね」

「そうかもしれないですけど、同じ時間の授業を取るとは限らないですからね。大学生って好きな時間の授業を受けれるって聞いてますし、結構時間にゆとりがあるって聞いてるから同じ時間の授業を受けるのって確率低そうですよね」

「かもしれないんで。でもさ、それだったら私が学校に行ってる間に吉野君が私の家で待っててもいいんだよ。同じ時間帯の授業を受けるまで待っててくれてもいいって事ね」

「いやいや、さすがに女性の一人暮らしの部屋には行けないですよ」

「あらあら、意外とうぶなんだね。でも大丈夫だよ。私は一人暮らしじゃないからさ。高校の時からの友達とルームシェアしてるんだけど、彼女って美容系の専門学校に行ってるから毎日忙しいみたいなんだよね。夜遅くに帰って来て朝早くに出て行くことも多いからさ、吉野君が遊びに来ても彼女に会うことはほとんど無いんじゃないかなって思うよ」

「そっちの方がまずいような感じもしてますけどね」

「そんなに気にしなくても大丈夫だって。でも、男を連れ込んでいいかは静香ちゃんに聞いてみないといけないかもね。吉野君みたいに真面目な子だったら問題無いと思うけどさ、静香ちゃんって実は吉野君みたいな可愛らしい子がタイプだって言ってたから会わせない方がいいかもしれないなって気持ちもあるんだよね」

「俺は別に可愛らしい感じじゃないと思うんですけど」

「そうかな。結構可愛らしい感じだと思うけどね」

 平野さんはいつもこんな感じで俺をいじってくるのだ。俺の方がこの焼き肉屋でバイトし始めたのは早いのだけど、それも言ってみれば二週間しか違わないのだ。その二週間でどれくらいの差があるのかというと、早く入ったのが俺というだけで仕事自体は平野さんの方が出来ているのだ。それでも、平野さんは俺の事を時々先輩としていじってくることがあるのだ。

「そうえば、吉野君って学校に好きな子とかいないの?」

「俺はいないっスよ。平野さんは好きな人いるんですか?」

「好きな人とかはいないかな。時々遊ぶ人たちはいるけど、誰か特定の人とってのは今のところないかも」

「この前来てた人達の中にもいないって事ですか?」

「ああ、あの子たちは無いね。全然ないよ。話も楽しくないしお酒を飲んだら誰かれ構わず絡むような人たちだからね。私は同じサークルじゃなかったら話もしてないと思うよ」

「平野さんの友達なのかなってくらいタイプが違いますもんね。あんな感じの軽いノリの平野さんも見てみたいような気もするんですけど、平野さんって酔っぱらったらどんな感じになるんですか?」

「どうなんだろうね。自分では覚えてない事が多いけどさ、友達からはずっと笑ってるって言われるかも」

「ずっと笑ってるって、いつもの平野さんと何も変わらないような気がするんですけど」

「私から笑顔を取ったら何も残らないからね。いつもへらへらしてるなって良く言われるしな」

「へらへらしてるのとも違うと思うんですけどね」

「そう言ってくれるのは嬉しいよ。じゃあ、吉野君がお酒を飲める年齢になったら一緒にお酒を飲んでみようか。ね、いいでしょ?」

「別にいいですけど。俺が二十歳になるまでって結構時間ありますよ」

「とりあえず、約束はしておこうよ。将来的に忘れちゃってもいいんだけどね」

 俺が平野さんとの約束を忘れることなんてないだろうと思ってはいるのだけれど、それを口に出すことは出来なかった。たぶん、俺は忘れないとしても平野さんは忘れてしまっているんだろうな。そんな感じがしていたのだった。

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