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ちょっとエッチ(無自覚)で可愛い後輩アンソロジー  作者: 釧路太郎
バイセクシャルな後輩は俺の事を何とも思っていない

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第七話

「明日って何も予定無いって言ってましたけど、一緒にどこか遊びに行きません?」

「どこかって、行きたい場所でもあるの?」

「僕、お店でラーメンを食べたいんですよ。ほら、友達とか彼女とラーメンを食べに行くことってないじゃないですか。だから、お店のラーメンってほとんど食べた事なくて、いつか美味しいラーメンを食べたいなって思ってたんですよ。河崎さんってあんまりラーメン食べない人ですか?」

「どうだろう。お店の人ともあんまりラーメンの話ってしたことが無いからわからないけどさ、学生の時に比べたらほとんど食べなくなったかもな」

「じゃあ、河崎さんが学生の時に食べに行っていたお店に行きましょうよ。その後は僕が学生の時に行ってたところにケーキ食べに行きましょうよ」

「それは無理だと思うよ。だって、俺が学生の時って札幌だからな。ラーメンを食べるためだけにわざわざ札幌になんて行かないでしょ」

「確かにそうですけど、世の中にはラーメンを食べるためだけに札幌に行く人だっているかもしれないじゃないですか。ほら、札幌ラーメンって有名ですからね」

「中にはそういう人もいるかもしれないけどさ、俺も君もそんなにラーメンが好きってわけじゃないだろ。それはちょっとおかしいんじゃないかなって思うけど」

「残念です。でも、いつか河崎さんが通ってたお店に連れて行ってくださいね」

「通ってた店じゃなくて通ってた店の系列店ならこの町にもあるけどな」

「じゃあそこに連れて行ってくださいよ。そこでもいいじゃないですか」

「まあ、そうだね。お昼にでも食べに行こうか」

 見終わった映画の感想よりも先にラーメンの話題が出てしまったという事は、松本舞はこの映画があまりお気に入りではなかったという事だろうか。人を選ぶ映画だという事もあるので会う会わないはあると思うのだが、松本舞にとってはあまり好きな感じの映画ではなかったという事なのだろう。

「この映画ってたぶん続きか別の話ありますよね?」

「うん、スピンオフも併せて四部作の一本目だからね」

「やっぱりそうだったんですね。前に見た映画の続きなのかなって思いながら見てたんですけど、僕が見たのって昔の話なんですかね?」

「前に見たのって、この映画で死んだ背の高い人が主役のやつだった?」

「そうです。あの背の高い俳優さんが活躍するやつです。その時付き合ってた女の子があの俳優さんの大ファンだったらしくて、一緒にその映画を見に行ったことがあるんですよ。僕は全然映画に詳しくないからアレがさっき見た映画と繋がってるって思わなかったんで似たような話なのかなって思って見てましたもん。でも、僕は今日見た映画の方が好きかもしれないですね。前に見たやつって背の高い人が活躍するだけだったからわかりやすかったけど、それだけだったって思いますからね」

「まあ、あれは全部見た人用の映画だからね。あの映画単体で見ても面白いと思うけどさ、全部見てから見た方が良かったかもしれないよ」

「じゃあ、今日はもう遅いんで、明日ラーメン食べに行った後に続きも見せてください」

「そんな時間あるかな。ほら、君だって明後日の準備とかもあるだろうし、早めに帰った方がいいんじゃないの?」

「確かに準備とかありますけど、僕ってそんなに準備に時間とかかけないんですよ。化粧とかもこのポーチに入ってるやつだけで大丈夫だし」

「それだけじゃなくてさ、服とかも変えなきゃいけないんじゃない?」

「その辺は河崎さんのを借りれば大丈夫じゃないですか。ほら、僕ってオーバーサイズの服を着ることが多いからわからないですって。それに、制服に着替えるから問題無いし」

 松本舞はクローゼットを勝手に開けて俺の服を物色し始めた。見られて困るものが入っているわけじゃないので問題はないのだが、人によっては服を見られることに抵抗があるんだろうなと思ったりもしていた。

 その中でもいくつか松本舞に気に入られた服もあったようで、何着か選んでは俺の前に持ってきていたのだ。最近ではあまり着なくなった服なので久しぶりに見たような気がするのだが、変な匂いとかはついていないようで安心した。

「これとこれなんですけど、どっちも僕が好きな感じなんですよね。下にショーパン履いてこれ着たら可愛くなると思うんですけど、河崎さんもそんな感じで着てたんですか?」

「そんなわけないだろ。俺は普通に着てたよ。ショーパンとか履くと思う?」

「思わないですけど、そういうの履いてる河崎さんって面白そうだなって思ったんですよ。ほら、普段とのギャップって言うか、意外な一面って言うか」

「どっちも同じ意味だろ。そんなに気に入ったならあげるよ。最近それは着てなかったしこれからも着る予定無いし」

「ええ、さすがに貰うのは悪いですよ。でも、どっちも来てみたら可愛く見えちゃうんじゃないかなって思うですよね。そうだ、今度来た時に僕が着るように保管しといてください。それが一番いいですね」

「え、今度来た時って、また来るつもりなの?」

「何ですか。僕が来るのって迷惑だと思ってるって事ですか?」

「そういうつもりではないんだけどさ」

「じゃあ、どういう意味ですか。僕はちょっとショックを受けてしまいましたよ。今すぐ横になりたい気分なので、続きはベッドの中でお願いしますね」

 松本舞と一緒にいてわかったことは、俺はこいつが何を考えているのか全く理解出来ていないという事だった。

 飲み終えた缶を台所に並べてみたのだが、俺の四倍以上は松本舞が飲んでいたという事実に驚かされてしまった。それだけではなく、これだけの量を飲んでも一切酔っているそぶりを見せない松本舞の強さも思い知らされたのであった。

「僕って壁側じゃないと寝られないんで先にベッドに入ってますね。ちょっと、酔っちゃったみたいで横になりたいんで」

 これだけ飲んでもちょっとしか酔えないというのは恐ろしい。ストロング缶ばかり選んでいた理由もわかるのだが、それに付き合わないで良かったと俺は思っていたのだった。

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