殺したい僕と死にたい君と。
[逢坂真琴のハナシ]
今日も俺は何もない1日を過ごして
そのまま1日を終える。
普通の高校に入り特にやりたいこともなかったので、大学には行かず卒業して就職。
自分に合う表現といえば
"平凡" "普通"
本当に何もないのだ。
このまま定年退職し老後を細々と過ごすのだろうか。
最近は未来に特に期待もせずそんなことばかり考えている。
人生には刺激が必要だと思う。
「シゲキ」って一体なんなのだろうか
思い浮かぶことといえば...殺人 クスリ...
自分には実に無縁な言葉である。
いや、
ただ1つだけあるか
俺が実親よりも信頼し仲が良かった叔父さんの話だ
本当に本当にいい人だった
叔父さんはもうこの世にはいない
叔父さんは殺人をして自殺をした。
ただこれには誤りがある。
叔父さんにかけられた殺人の罪は冤罪だった。
確かに叔父さんは
売れない小説家で
お金もない
毎月ギリギリで生活していたのをよく覚えている。
決して"いい人生"とは言えなかったと思う。
ただ結局それは他人のエゴだし例えいい人生でなかったとしてもそいつを壊してはいけない。
たった一つの身に覚えのない出来事で叔父さんの人生は終わってしまった。いや、強制的にシャットアウトされてしまったのだ。
叔父さんが遺書と一緒に最期の最後に残した小説は叔父さんの名は伏せられて大ヒットを遂げた。
裏では殺人犯が書いたハナシだと話題になったみたいだがそんな信憑性のない話ネットワークの世界にはゴロゴロ転がっていてそんな中の一部に過ぎなかった。