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夢巡り  作者: みこ
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銀河鉄道の夜①

しばらくはカムパネルラ視点で進めようと思います!

「アン、アン、起きて!君を今物語の世界に送ったよ!君は今誰かの中にいるはずだ」


(ニゲラね、確かに誰かの中にいるわ、ここは学校かしら?)


「よかった成功したんだね!それじゃあこの世界を楽しんでね」


(わかったわ!それにしても今は授業中かしら?理科の授業ね!私少し得意なのよ理科)


「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われていたこのぼんやりと白いものが本当は何かご存知ですか?」


学校の先生が黒板に吊るしてある大きな星図の白くけぶった部分を指差しながら生徒たちに問いをかけた


(こんなの簡単よ、星だわ!早く手をあげなさいよ)

アンは名前も知らない誰かの中で思った、それと同時にアンが宿っている宿主が手をあげたそれから四、五人手をあげた、1人のとても眠たそうにしている少年も手をあげようとしていたが急いでやめてしまったようだ、ところが先生はそれを見つけると眠たそうな少年を名指しした


「ジョバンニさん。わかっているのでしょう?」

(へぇ〜あの子ジョバンニっていう名前なのね。)


ジョバンニは勢いよく立ち上がったのはいいものの上手く発言できない様子だった、するとジョバンニの前の席に座っていた少しぽっちゃりとした少年がジョバンニの方を向いて

クスッと笑ったのだ、ジョバンニの顔は真っ赤になってしまいました。

(なにあの子感じ悪いわ。私あの子嫌いかも)


すると先生がまた云いました


「大きな望遠鏡で銀河をよく調べると銀河はだいたい何でしょう?」

ジョバンニは分かっている様子だがすぐに答えようとしない、少し困った様子の先生は目をこちらの方へ向けて

「では、カムパネルラさん」と名指ししてきた


(私が入っている子はカムパネルラというのね、とっても変わった名前だわ)


カムパネルラはもじもじ立ち上がったまま答える事ができない様子だった。

(どうして?さっきあんなにも元気に手をあげていたのに、

何かあるのかしら?)

先生はその様子が意外だったのか、しばらくじっと見ていましたが急いで「では、よし」と云いながら自分で星図を指しました。


「このぼんやりと白い銀河を大きないい望遠鏡で見ますと、もうたくさんの小さな星に見えるのです。ジョバンニさんそうでしょう。」

その掛け声と共にカムパネルラがジョバンニの方を見ると

ジョバンニは顔を赤くして頷いてた、しかししばらくすると目に涙が溜まっていた。それと同時にアンの頭の中に声が響いた

「ジョバンニやっぱり君はそうだったんだね」

(これはカムパネルラが考えてる事が頭の中に流れてきてるんだわ)


「勿論僕も知っていたよ、そしてジョバンニ、君もね。

あれは僕のお父さんの家でよんだ雑誌の中にあったのだ

僕はその雑誌を読むとお父さんの書斎から大きな本を持ってきて銀河といわれるページをひらいて、まっ黒なページいっぱいに白い点々のある美しい写真を二人でいつまでも見たのだから、それをジョバンニが忘れる筈もないのに答えなかったのは、この頃彼は朝も昼も仕事が辛そうで学校に来ても皆んなとはしっかり遊ばず、僕はジョバンニとあまりものを言わなくなってしまったので、僕はそれを気の毒がってわざと答えなかったのだ」


(つまりカムパネルラとジョバンニは答えを知っていたけどジョバンニがこの頃色々大変だから答えられず、それを知ったカムパネルラはわざと自分も答えなかったということね!

でもそれってとても哀れだと思うわ。)


先生はまた云いました。

「ですからもしもこの天の川がほんとうに川だと考えるなら、その一つ一つの小さな星はみんなその川のそこの砂や砂利の粒にもあたるわけです。またこれを巨きな乳の流れと考えるならもっと天の川とよく似ています。つまりその星はみな、乳のなかにまるで細かにうかんでいる脂油の球にもあたるのです。そんなら何がその川の水にあたるかと云いますと、それは真空という光をある速さで伝えるもので、太陽や地球もやっぱりそのなかに浮かんでいるのです。つまりは私どもも天の川の水のなかに棲んでいるわけです。そしてその天の川の水のなかから四方を見ると、ちょうど水が深いほど青く見えるように、天の川の底の深く遠いところほど星がたくさん集って見えしたがって白くぼんやり見えるのです。この模型をごらんなさい。」

先生は中にたくさん光る砂のつぶの入った大きな両面の凸レンズを指しました。

「天の川の形はちょうどこんななのです。このいちいちの光るつぶがみんな私どもの太陽と同じようにじぶんで光っている星だと考えます。私どもの太陽がこのほぼ中ごろにあって地球がそのすぐ近くにあるとします。みなさんは夜にこのまん中に立ってこのレンズの中を見まわすとしてごらんなさい。こっちの方はレンズが薄いのでわずかの光る粒即ち星しか見えないのでしょう。こっちやこっちの方はガラスが厚いので、光る粒即ち星がたくさん見えその遠いのはぼうっと白く見えるというこれがつまり今日の銀河の説なのです。そんならこのレンズの大きさがどれ位あるかまたその中のさまざまの星についてはもう時間ですからこの次の理科の時間にお話します。では今日はその銀河のお祭なのですからみなさんは外へでてよくそらをごらんなさい。ではここまでです。本やノートをおしまいなさい。」

そして教室はしばらく机の蓋を閉めたりノートを重ねたりする音でいっぱいでしたがしばらくすると生徒たちは各々教室を後にしました。カムパネルラと同じ組みの7、8人は相談ごとがあるらしく校庭の隅の桜の木の下に集まることになっていました。


読んでいただきありがとうございます

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