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第1話 (1) 出会い

少女は歩いていた。




灰色の髪に、灰色の酷く汚れた1枚のワンピースを着ていた。

前髪のせいで表情が見えない。




その足元はとてもおぼつかないように見えた。



でも、確かに、1歩、またもう1歩 と、

地面に足をつけて歩いていた。



少女は川のそばを歩いていた。

木の葉の間からもれるかすかな光を反射し、

キラキラとかがやいていた。




少女は川の前で足を止めた、

かと思うと、そのまま崩れるように横へ倒れ、川の中へと消えていった。






_______________




「ふぁーぁ、今日は珍しくいい天気だな」


少年は大きな欠伸をしながら、小さな小屋から出てきた。

腕には、洗濯物がはいった大きな籠を抱えている。



名をヨウというその少年は、田舎の小さな村に住むアリーだ。

アリーは、王都にて、国民を守る騎士になるように厳しい訓練をうける義務がある。


しかし、ヨウは能力があまりにも弱すぎて、訓練についていけなくなり、王都から逃げ出してしまった。


だからこうして、この村で生活をしているのである。






ヨウは鼻歌をうたいながら川へ行き、

籠をおいて洗濯を始めた。




しばらく選択をしていると

どんぶらこ どんぶらこ と、



一人の少女が流れてきました。




ん?少女!?!?!?



ヨウは目を擦り、もう一度少女をみた。

少女は目をつむり、ヨウの目の前を静かに流れ去って行った。



しばらくポカンと少女を見ていたヨウは


ハッとしたようにたちあがり、



「ちょ、ちょっと、まってっ!」



と言いながら、川の中へ飛び込んだ。


_______________








はぁ、はぁ、はぁ、はぁ




泳げないくせに川に飛び込んで僕は馬鹿か…!?

この川が浅くなければ絶対に僕死んでた……。



そんなことを考えながら、ヨウは少女を見た。


この子、こんなにボロボロになって、どこから来たんだろう…。


ヨウはしゃがみこみ、少女の顔を隠していた前髪をさっとかきあげた。


すると、まるで鼈甲のような透き通った美しい瞳と目が合った。


もう一度言う。



()()()()()




うわぁ!




ヨウは叫び声を上げ、しりもちをついた。



少女はゆっくりと立ち上がった。

彼女は何も言わず、ぼーっと、どこかを見ていた。



一時の沈黙のあと、


ヨウは気まずさに耐えられず、少女に話しかけた。

「あ、あの、君、川に流されてたのだけど、だ、大丈夫、なの?」



すると、少女は川の方を横目に言った。

「あなたが、私を、助けた…?」



ヨウが そうだけど… というのと同時に



グゥゥゥゥゥゥゥ



と大きなお音がした。



少女のお腹の音だ。



へ?と、ヨウが少女を見ると、


少女は「お腹、空いた……」



と言って、再び倒れ込んだ。








しりもちをついたままの少年は呆然とした。

しばらくして口を開いた。



「なんなんだ、この子……。」




_______________



ヨウは少女をおぶって、家の扉の前まできた。

誘拐罪にはなるのかな…。と、考えもしたが、やはり目の前で困っている人を放置する方が罪だと思い、連れて帰ることにしたのだ。



ドアノブに手を伸ばしたそのとき、

勢いよく扉が開いた。


内開きの扉であるから、ヨウはそのまま前へ倒れ込んだ。


「いったたたた」


少女の下敷き状態になっているヨウは自分の頭を撫でながら、

扉を開けた人の方を見た。

「姉さん、急に扉を開けないでって前にも言ったじゃん…」


姉さんは呆然として言った。

「仕方ないじゃん……ねぇ、その子誰?」



ねぇ、その子誰?の言葉に、ヨウは上手く言葉が見つからなかった。

「わかんない。」


「わかんないって」

姉さんは目を大きく開けて、それからため息を吐いて言った。


「本当にあんたってやつは……。どうせ倒れてるのを見かけてここまで連れてきたかなんかじゃないの?まぁ、外で話すのはなんだし…とりあえず入りなさい。」





ヨウはえへへと軽く笑みを浮かべながら家の中へ入った。




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