プロローグ
練習を兼ねて、描写が多めになっています。
誤字やアドバイスがあればお気軽に書き送ってください。
「おい!どういうつもりd…ってえ、あ、、、うわああああああああ」
俺の体が少し軽くなったと思った次の瞬間、俺の身体はなすすべもなく大空へと放り出された。冷たい大気が頰を撫で、一気に耳元を空気が流れて轟音が鳴った。
(これが重力加速度か…確か次の期末の範囲だったよな。ってそんな事考えてる場合かよ!)
風を全身で受けてぐるぐるもがきながら、この状況を打開できる方法を探った。
(このまま落ちていったら時期の地面とぶつかって文字通り木っ端微塵だ。滑空ぐらい出来ればいいが…確か前に本で読んだような。)
そんなことを考えながら手を広げたり気を付けの姿勢をしたりと意味のない動作を繰り返していた最中、ふと、俺は眼下の光景に目を奪われた。
雲の合間から見えたのは大きな町、いや都市と呼ぶべきだろうか。平安時代の都のように大きな道路が市街の中心を貫き、その周りには多くの建物が密集している。空気の流れに逆らい、スカイダイビングのように両手両足を広げると、姿勢と思考が少し安定してきた。市街を眺めていると、隙間からは緑が見え、道も綿密に張り巡らされているのがわかった。
(グー○ルマップって体験型だったらこんな感じなんかな…)
全身で受ける風が心なしか心地よく感じられてきた。全く勉強していない期末の当日の朝のような謎の余裕を感じていると、さっきまで視界を遮っていた雲がどき、市外の中心にあるひときわ大きい建物が目に入った。
(あれは…城か?)
雲が完全にいなくなると、無数の塔と、高く、大きく連なった城壁が見えた。また、その周りに建つ家は他の家より数十倍は大きく、赤、青、黄、緑とそれぞれの屋根がカラフルに塗り分けられていた。しかし、白く塗り固められ、所々赤の装飾が施された城は、周りの建物と比べても明らかに大きい。
(っていうか大きすぎじゃね?…)
市街を通る大路も城の正面の門に収まりきってしまい、周りの家も比較的大きそうだが、大学のキャンパスと、門にある警備の人がいる所(伝われ)ぐらいの差がある。何よりも、いかにも王様が住んでそうな大きい建物の前に、異常な広さの庭がある。それも、俺の真下に。城壁の内側の半分ほどをその庭が占めていて、残ったスペースに塔やら平屋やらドームやらが建っている。
(こんだけでけえ城があるってことはこの国と王政はさぞ繁栄してるんだろうな〜)
風に揺られ、人生初のスカイダイビングを呑気に満喫しながらそんなことを考えていると、グーグ○マップが猛スピードで俺に接近していることを思い出した。
(まだやってねえゲームも、読みかけの本も、心残りしかねえな。)
辺りを見渡すも海もなければ飛び込めそうな水場もない。まあ、水に落ちても普通に死ねるとは思うが。
やけくそで脳をフル回転している間にも、平野レベルのクソ広い庭はどんどん近づいてくる。
(せめてこのスポーツと風景でも楽しむか。)
俺は地上の風景に目を凝らした。
(ん?何だあれ。)
だんだん近づいてきた。顔全体が風で圧迫される。眼下で何やらうごめいているものが見える。
(あれは、、、人か?でもなんかみんなはじに寄ってるけど…)
群衆は中心を空け、庭の周囲に散らばっている。中心には何やら白い台座のようなものが佇んでいた。最後の雲の横を通り過ぎた。吹き付ける風が強くなってきた。
(真ん中にあるのは、ええと…人と…棒か?)
一番高い塔が迫ってきた。まぶたが閉じられない。庭にいる人が見えるようになってきた。建物の前には、何やら高そうな服を身に纏った一団と、その周りには鎧をつけた兵士。
(ん!?台座の上は…女の人!?)
加速が止まらない。風に打たれ、顔が痛い。台座の人は、正確には少女だろう。何やら目の前を一心に見つめている。彼女の乗る台座は軽く100メートルを超している。体積求めろとか言われたらめんどくさそうだ。台座の下は白いマントを羽織った人が取り囲んでいる。
(クッッ、やばい、このままじゃ…)
手を広げて必死にブレーキをかけるも、風圧で四肢がもげそうになる。もうすぐ塔の高さにたどり着く。眼下の人々が騒々しく動き回り始めた。俺にきずいたのだろうか。みんな上を見上げている。何人かはこちらを指差してしきりに何か言っている。なんだか惨めだ。塔のてっぺんを通り過ぎた。頭が痛い。鼓膜をやられたのか、心が静寂に包まれた。純白の台座が近付いてくる。
少女の表情が読み取れるようになった。心底驚いているといったところか。目が大きく見開かれている。顔立ちが整っていて、率直にいってかわいい。黄金ののショートヘアと、白と赤のきらびやかな装備がよく似合っている。
(あぁ、こんな彼女が欲しかったなぁ…)
って、ん?俺は彼女はいたはずだが…。変な感じだ。それはそうと、地面はもう目と鼻の先だ。申し訳ないが、俺はあの純白の台座を意図せず汚すことになりそうだ。クラスの親友、師匠、上で世話になった奴ら、愛しいあの人の顔が次々に脳裏に浮かんでは消える。
(これまでか。いろいろあったが、俺の人生も悪くはなかったのかもな。)
覚悟を決め、目を瞑った。何も感じなくなり、時の流れがスローモーションのように遅くなる。
いや、遅くなった。
「ごふっっっっっ!?!?!?」
急な減速で、慣性に押し潰されそうになる。
(助かっ…た?)
そう思った刹那、俺の額が耐え難い激痛に襲われた。直後、全身が地面と衝突した。薄れゆく意識の中に、聞き覚えのある声が響いた。
《『英雄創成の儀』 を確認 『リュウタロウ』 に称号 『勇者』 を付与. 》
ここまで読んでいただき、超特大感謝感激感謝です。中国語ではありません。中国といえば、私は中国人とに日本人を見分ける時に顎を見ます。ちょっとしゃくれてたら中国人です。他意はないです。
次回からはストーリーに入っていきます。
早めにかけるかは分かりませんが、善処します。