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何かの間違いでもいいから、話しかけてくれたらな




 なんで少女がオレに片想いしていたのか分かったかだって?

 そんなの簡単だろ。


 説明してくれ?

 オレみたいな彼女ができたことのない恋愛下手な奴の口から説明させるなんて、あんたなかなかの根性してるな。

 まぁ、いいよ。




 この子がずっとオレのことを目で追ってるんだよ。


 まるで何かに脳の支配を奪われたみたいに。

 自分の意志とは別にオレの姿を自然に目で追っちまってる。




 自分の前を通るとき。

 視界の隅に入ったとき。

 誰かと話してる声が聞こえたとき。

 珍しく笑ってるとき。



 そのとき、この子はこう思うんだよ。



 その声を自分に向けてくれたらな。

 その笑った顔を自分に向けてくれたらな。

 そしたら、どれだけ嬉しいんだろう。




 何かの間違いでもいいから、自分に話しかけてほしいなって。

 この子はそう思ってる。



 それで胸が少し締め付けられて、苦しそうだ。






 人の恋心をオレみたいな第三者が分かったように話すもんじゃないな。

 悪いが忘れてくれ。


 おいおい。

 なんであんたが顔を紅くしてるんだよ。

 恥ずかしいのはこっちだ。




 好きになったきっかけの記憶は見れたのかって?

 まぁ、見れたけど。


 あんまりこういうのって人に話すものじゃないだろう。

 この子はきっと、自分の気持ちを誰かに知られることを嫌がる。

 



 え?

 話してもいいって?


 なんであんたが勝手に許可だしてんだよ。

 おかしな奴だな。




 どうしても聴きたいって?

 ……まいったな。




 よし、じゃあこうしよう。

 オレがこの子のことを好きになったきっかけを話す。

 それで勘弁してくれないか?




 これは勝手にあの子の心情を吐露してしまった罪滅ぼしでもあるんだ。

 興味はないと思うが、少しだけ付き合ってくれ。





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