第八話 親友
「クソッ…俺はあいつの親友なのにあいつの周りで起こったことに気づかなかった」
そういうと俺は歩き出した。
親友であり幼馴染でもある勇介を危険な目にあわしたくなかった。昔俺はあいつに救われただから…
そうやって歩いていると…
「君は力がほしいのか?」
そんな声が聞こえた。どこにいるかはわからないが。
「君は親友を守る力がほしいのであろう?…なら我がその力をくれてやろう」
背中に何か当たった気がした。すると何故だかわからないが力が溢れてきた。
「これであいつを救える…俺が…俺がぁぁぁ」
だが異変はすぐ起きた。力が制御できない。
「ダメだ押さえ込めない…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
俺がバカだったよ。ごめんな勇…介…
「秀…」
そんなまさか…秀が闇にどうしてなんで…
「…青伸森」
声がしてきた方を向くとそこには
「守永…」
「…あいつらまさか友人関係を利用して来るなんて」
友人関係…そんな俺のせいで秀が…
「…どうしたの青伸森?」
「許さない…絶対」
そう言うと俺は闇に染まった秀に向かって走っていた。
「ほほぅ…貴様の方から来てくれるとは」
秀の身体を乗っ取った闇は俺に腕を向ける。
!?…秀の腕から闇が放出され…それは鞭のようになり俺の身体を縛ってしまう。
「貴様と巫女には価値がある…だからここで始末するわけにはいかないのだよ」
そう言うと秀の身体を乗っ取った闇は俺を校舎の壁に叩きつけた。
「…青伸森!!」
守永が俺を呼ぶ…だが俺の意識はすぐに遠のいていった。
「…青伸森!!」
私は思わず叫んでいた。まさかあいつらが友人関係まで利用するなんて…
「次はお前だ…巫女!!」
そう言うと…闇はこちらを向き距離をつめる。
私は二本の剣を出す。
「…青伸森の友人さえ利用するのか?」
「我々は手段を選んでられないのでね
こいつの友人関係が壊れようとそんなものに興味はない!!」
こいつ…絶対に許さない青伸森をこの戦いに巻き込んだのは私だ。私のせいで小川君と青伸森の関係が…
「これは私の責任だ…」
私は気づけば素の自分を出していた普段
無口なキャラを演じているのは目立ちたくなかったからだ。
「どうした…来ないのかならこちらからいくぞ」
そう言うと闇はさっき青伸森を縛ったのと同じ鞭のような物を放出していた。
私はそれに縛られている。
「どうした?もう終わりか」
「貴様のような奴にやられてるようじゃ巫女はつとまらないさ…」
そう言うと二本の剣で鞭を切った。
「確かにそこにいるやつみたいに一筋縄ではいかないようだな…」
「おしゃべりなやつだな…遅いんだよ」
「なっ!!」
闇がそう言い終わるまえに私は斬りつけていた。
「貴様…我に本気を出させるとわな…」
そう言うと小川君の身体からとてつもない量の闇が放出される。
「そんな力を出したら彼が死ぬやめろ!!」
「しれたことか!!貴様が我を追い詰めたのだ」
まずい…このままじゃ私は青伸森に顔向けできない。
「私をどうにでもしていい…だから…やめてくれ」
「フハハ…かかったな!!」
!?…小川秀の身体を乗っ取った闇はとてつもない量の闇を一気に私にぶつけ私は後ろの方に飛ばされていた。ダメージが大きかったのか私は起き上がる力さえもう残っていなかった。
「フー…ようやく貴様らを無力化することに成功したわ…じゃあ一緒に来てもらうぞ」
「青伸森…ごめん…なさ…い」
そう呟いた私は気を失った。
ここはどこだろう…俺は確か…そうだ秀を操っている闇に吹っ飛ばされて…
「どこなんだここ」
俺がそう呟いていると
「僕が君をここに呼んだ…」
声が聞こえた。
「俺を呼んだだって君はだれなんだ?それにここは?」
「そうか…姿が見えてないんだね」
光が集まっていく…そして光はやがて人の形となり声の主がだれなのか俺に理解させた。
「君は確かあの時の」
そうそこに立っていたのは別世界の俺だったとある事件に巻き込まれて精神が崩壊してしまったはずの…
「なんで君がここに…」
「あの時僕は心が欠けてしまい心が消えるのも時間の問題だっただけど君の心が僕の心を救ってくれた」
別世界の俺がそう言い終わるとどこからか声が聞こえた…
「…伸…りごめん…い…」
間違いない守永の声だ。
「どうやら時間がないようだね…一つだけ聞いていいかい?」
別世界の俺はそう俺に聞いてきた。
「僕の能力を君に使えるようにする…」
「そんなこと…できるのか」
「できる…けど君がこの力を手にしてしまったらもう後にはひけなくなる…もう普通の人として生きられないかもしれないそれでも構わないかい?」
普通の人として…俺はみんなのようには生きられなくなる…構うものか…あいつをいや秀や守永を助けられるんだったらそんな代償安すぎるぐらいだ。
「構わない…俺はみんなを守りたい」
「そうか…なら使ってくれ僕の能力を好きなだけ…さぁ行くんだ」
「ありがとう…別世界の俺…」
「礼なんて不要さ…君は僕を救ってくれた今度は僕が君を助ける番だ」
別世界の俺がそう言い終わると俺は光に包まれた。
助けなきゃみんなを…
「さて…巫女を連れて行くとするか」
巫女を連れていけば俺は大手柄だおまけにこいつの身体は使える…俺はついているなぁ
!?…なんだこの光の力はまさか…巫女が目を覚ましたのか?いいや違うこれは
「さっきはよくもやってくれたな…秀の身体返してもらう!!」
馬鹿なあの男はさっき我が倒したはずなんで…
「テメェ…どういうトリックだ…」
「トリックなんて使ってないさ」
馬鹿な…普通の人間があれだけの闇の侵食を受けてタダで済むはずがない…
「テメェだけは絶対にゆるさねぇ!!」
そう言うと俺は能力を発動させた…
そう別世界の俺の能力である
心を糧として武器を生み出す能力…