第七話 真実
「どうぞ…座って」
守永にそう言われて俺は彼女の前に座る。話をきりだすタイミングをなくしてしまいしばらく沈黙が続いた。
しばらくして先に話をきりだしたのは守永だった。
「え…と…どこから話せばいい?」
「と…とりあえず俺を襲ってきた奴について聞かせてください」
俺は思わず敬語になってしまっていた。
「え…とあいつらは…その…なんていうか」
守永は恥ずかしそうに頰を赤らめらると
黙ってしまうがまた話始めた。
「え…と…この世界が生み出した闇みたいな存在…」
「え…それってマジなんですか?」
「…マジです…」
俺は確かに驚きはしたがだけどあの男から出てきたオーラ?みたいなのを見ていた。あれは確かに闇としか言いようがなかった。
「…聞きたいことはそれだけ?」
守永は顔を傾けて俺にそう聞いてくる。
「えっと…じゃあ」
俺はさっきからずっと疑問に思っている事がある。それをぶつけてみようそう思った。
「君は何者なんだ…」
「...............」
しばらく沈黙が続きやがて守永は話始めた。
「かつて世界は光と闇があったのそして光は闇を闇は光を消そうとしていた…そしてその争いは世界すら巻き込んでしまいやがて光も闇もどちらも消えてしまった。だが世界を今まで守っていた光は消え世界は自らを守るために守護の巫女を作り出した」
「それが…お前…なのか...守永」
俺の問いかけに彼女は首を縦にふる。
「そして初代巫女は再び争いを起こさぬように人々から力を奪ったいや封印したというのが正しいのかもしれない…そう巫女が封じた力こそ」
「…能力」
俺は思わずそう呟いてしまった。
「そう…でもね初代巫女の施した封印未来永劫解かれるはずないと言われていただが解かれてしまったの何故だかはわからない」
彼女はそう言うと再び黙りこんでしまった。
どういう事だ…巫女は争いをなくすために能力を封じただが最近になって能力を使ういや封印が解かれたものたちが現れた…
「…あの」
俺は考えるのを一旦止め彼女の方を向いた。
「…私は…その…巫女だから…関係ない人達を巻き込まないようにしてきたのでもあの組織は私一人ではなんとかできないの…だから…」
彼女は俺の方を見ると
「あなたも私と一緒に戦ってほしい…無理にとは言わない…」
彼女はそう言うと俺の方をじっと見ていた。
俺になにができるんだ…俺はただの厨二病だそんな事出来るわけがない…でも女の子を一人あの危ない奴らと戦わせるのも嫌だ…なら…
「俺なんかが役に立つのかはわからないけど…一緒に戦うよ」
俺がそう答えると守永はこれまでに見たことないぐらいの笑顔で
「…ありがとう」
そう呟いていた。
俺はそのあと家に帰りまた眠ってしまっていた。
目を覚ましたら朝だった。
俺に力なんてなければ勇気もない…だけど一度引き受けたら最後までやり遂げなきゃ。
俺は学校に向けて歩いていた。
学校に入り教室に行くと既に守永は席についていた。
「よぉ〜勇介、あれから進展あったか〜」
秀はそう俺に聞いてくるや否やどこかに連れて行かれた。
「なんだよこんなところまで連れてきて」
「お前に話したい事があるんだ」
秀はそう言うとさっきまでの笑みは嘘のように消え真剣な顔をしていた。
「実はさ俺さ昨日不審な人に声かけられたんだ」
!?…まさか秀にまで…
「内容はお前の事を色々と聞かれた」
そうか…俺のせいだ俺のせいで幼馴染であり親友でもある秀を…
「まぁ怪しかったから…すぐに逃げたら
あいにく追いかけてはこなかったよ」
「それでだ勇介…お前なにがあった昨日いやこの前に何があったんだ」
秀はこういう時に限って勘が良い。
親友に隠せる気がしなかった俺は守永のこと以外で俺に起こった事を秀に話した。
秀は黙って聞いてくれた。だけど拳に力を込めて握っていた。
「そんな…親友にそんな事が起きていたのに俺は…俺は」
こいつは心配性でもあるが責任感も他の人に比べてとてつもなく強い。
「だっ大丈夫だって俺は現に無事だったから」
俺はそう言うと秀は
「ありがとう」
と言いどこかに行ってしまった。
その後秀が教室に来ることはなかった。
昼休みに俺は秀の事が気になり探していると
バキーン…そんな音が聞こえた。俺は音が聞こえた方に向かうとそこには…
闇のようなオーラみたいなのを放出している
秀がいた…