第六話 襲撃者
「疲れた…」
結局あの後クラスの奴らから色々と聞かれ俺はそれに対応していくのが忙しかった。
「お疲れさん」
秀はそういうと俺に缶コーヒーを手渡してくれた。コーヒーは飲めるがあまり好きじゃないけどありがたく飲んでいた。
「でっ結局どこまでいったんだよ」
秀はまるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のように目を輝かせて俺に聞いてきた。
「なんのことだよ」
俺はそういってこの場を後にした。
気がつけば俺は校舎の裏に来ていた。
朝守永にそこに来るように言われたからだ俺も色々と聞きたい事があったし。
「…やっと来た」
俺を見るなりよんでいた本を置き俺の前に立っていた。
「昨日…俺を襲って来た奴あいつはなんだ…」
「知りたい?」
「当たり前だ…もうなにがなんだかわからないんだよ俺も」
「知ってしまうとあなたはもう普通の暮らしには戻れないかもしれないそれでもいいの?」
「そもそも俺をここに呼んだのはそのためじゃないのか」
俺がそう言うと彼女はどこか悲しそうな顔をしていた気がした。
「わかった…話すわ」
「まずあなたを襲ってきた男から…あいつらは能力者を集めている目的はわからないでも最近ここらで起こっている行方不明事件に関係している」
能力者を集めてる?確かに能力なんて十人十色だ今発見されてる能力でも念力やテレパシー程度だ、だがこれから能力者が増えていったら戦争に利用できる能力があるかもしれない。
「あなたが狙われたのはわからない…なにか言われたりした?」
彼女にそう聞かれると俺は男に言われた事を思い出していた。
「我々に必要な能力がなんたらって言っていた気がする」
そういいおわると彼女いや守永は驚いていた。
「まさか…そんな…」
守永が何を言っているのか俺にはわからなかった。
それから辺りを見ていると異様な光景が目に入ったまず吹奏楽部の演奏が聞こえてこないことそれに昨日と同じ周りに人のいる気配がしない。
守永もそれに気づいたらしく
「まさか!!」
ドンッと俺は守永におされ吹っ飛ばされた。
「なにを…!?」
俺がそう言い終わる前にさっきまで俺が立っていた位置に雷?に似た何かが落ちてきた。
「やっと見つけたよ…青伸森勇介…」
俺は声が聞こえてきた方を見るとそこにいたのは昨日俺を襲ってきた男だった。
「今度は女と2人っきりかい…ククク君も罪な男だね…」
男はそう言い終わると俺に向かって走りだしていた手にはナイフを持っていた。
逃げなきゃ…そう思った…!?…だがまた身体が動かない。せめて守永だけでもと思うが怖さでなのか身体が動かない。
「今度は昨日のような邪魔をする奴はいない…君を連れて行くのが命令なんでね」
男はナイフを振りかざした。もうだめだと俺は目を瞑る…だがナイフは俺の身体に触れることはなかった…俺は恐る恐る目を開ける。そこには守永がいた。
「守…永…」
俺は目の前で起こった事が分からずにいた。
再び辺りを見回すと守永に吹っ飛ばされたのか男が遠くで倒れていた。
「なにをしやがった…おんなぁぁぁぁぁぁ」
男は怒り狂ったように守永に向かってナイフを向け走って行く。
カンッと高い音がなる俺はなにが起こっているのかわからなかった。
守永はナイフを吹っ飛ばしていた。その手にはどこからか取り出した二本の剣双剣という部類に入りそうな剣を持っていた。
「ヒィィィィ…まっまさか…その剣は
貴様…巫女だったのか…」
巫女…こいつは何を言ってるんだ。
そう思ったのもつかの間守永は男との距離を詰めるために歩き始める。
「.............」
無言の圧力をかける守永。男は完全に怯えきっていた。
守永は片手で剣を振りかぶると男に向かって振りかざした。
俺は見てられず目を閉じようとする。だがそこで異様な光景を目にする。
守永が切ったのは男じゃなかった。
男から黒いオーラが放出される。それは全てを覆い尽くすような闇…俺はそう思った。
しばらくして男が目を覚めた。
男はここ最近の記憶がないっと言っていた。しかもこの男は二週間前に行方不明になっていた男だった。
男は深々と頭を下げて自分の家に帰っていった。
「守永…」
「分かってる…全部…あなたに話す」
「でもここじゃ説明できない…場所をかえるね…」
そういうと守永は歩き始めた。俺は彼女の後についていった。
守永が足を止める。
どうやら彼女の家のようだ。
「入って…」
俺は彼女に言われるままに中に入っていった。