第十話 過去
俺が教室に入ると既に秀は席に座っていた。俺も自分の席に座る。
「昨日はすまなかったな」
秀は俺にそう言ってくる。
「気にするな…俺たち親友だろ」
俺がそういうと秀は笑っていた。
それにしても秀はなんで闇なんかにまぁ深くは考えないでいよう。
「勇介はああ言っていたけど迷惑かけちまったな」
あいつにはいつも助けてもらってばっかりだ…昨日も…なんで俺はあいつの力になれないんだ。そう思うと俺は過去のことを考えていた。
昔の話だ俺こと小川秀は色々と問題を抱えた問題児だった。かつて俺には幼馴染で親友の勇介がいた。でも小学校に入るとお互い別々の学校にいき会えなくなっていただからなのかな俺は学校で友達と呼べるやつはいなかった。
そして数年が経ち俺の周りには友達と呼べる人達がいた…そうあの事件が起こるまではそして俺は小中とその友達と一緒に仲良くやっていた。
ある日の事だ俺は仲の良かった友達に連れられ学校帰りにこの地域に昔からある山に訪れていた。
この山は昔から悪い噂が絶えなかった
やれ子供が行方不明になっただとか
幽霊が出るだとか奇妙な噂があっただからこそ年端のいかない子供には好奇心を抑えきれなかったのだろう。
あんな事が起こるなんて知りもしないで…
山に入ってしばらくして俺は異変に気付いた。どうやら俺だけしか気付いていないようだった。
「なんだよなんもでねえじゃねえかよ期待はずれだな」
あ…こいつあからさまなフラグを…と思った瞬間
…ゴソッ…
物音がしたそれは明らかにしたのだ
「おいなんか物音がしなかったか?」
そう言っているが逃げようと思った時にはもう遅かった…
ガサッ…ゴソッ…
足音が近づいてくる
そしてら俺たちの前に現れたのは
この世の生物とは思えないような姿をした… …化け物だった。
俺が覚えていたのはここまでだった。
次の瞬間目が覚めたら山の外で倒れていた。
一人…仲の良い友達と呼べるものが一人消えていた。
それから数日後
俺の友達が一人消えたということがすぐに噂になった…だがそれはやがて俺が消したとか俺が行こうと言い出したとかそんな噂が流れ…
「おい…お前があいつを消したんだろ!!化け物め!!」
などといわれ蹴られたりし始めたのだ
だがそれはやがてエスカレートしていき
俺はいじめられるようになっていった。
俺は強くなる…そう決めたそこからは早かったいじめてきた相手には容赦なくボコボコにした病院送りにしたやつだっている後遺症を残した奴だっているかもしれない…そこから俺は荒れていった
いつしかかつての友達は消え俺は喧嘩と暴力に明け暮れていた。
そして中学を卒業し高校に入学した。
そこで俺の運命はまた大きく変わってしまったのだ…入学して俺はクラスの奴らに怯えられていた…だが声をかけてくるバカが一人いた…それが勇介だった…
あいつは最初こそ荒れて変わってしまった俺に戸惑っていたが何かあったのだろうと思ってくれたのだろう。だけど俺はあいつを突き放した酷いこともたくさんいっただけどあいつは変わらずに話しかけにきてくれた。
そんなある日の事だった
俺はいつも通り喧嘩を売られそれをかっていた。
だがこの相手だけは一筋縄でいかなかった。
いつもなら殴ったり蹴ったりしていれば勝てただがこの相手は俺の攻撃を全てよまれていたそしてら全てかわされて反撃をくらいたっているのがやっとだった。
「おいおいこの程度かよ…相手にもなんねーよ」
そう言うとあいつは俺にとどめの蹴りを放った。
だが奴の攻撃は俺には当たらなかった
誰かが受け止めている…
「勇…介…」
俺は情けない声でそう呼んでいた。
「わりぃ〜な秀遅くなって」
俺が突き放そうとしていた友人であり俺を突き放そうとしなかった幼馴染である青伸森勇介は蹴りを受けると同時に既に反撃に出ていた。
「てめーえみたいな三下は一撃で潰してやるよ…よくも俺の親友を傷つけてくれたな」
俺はハッとなって気付いた…そうだこいつは俺をいじめていた主犯だ。
勇介の言葉が頭にきたのかあいつは今まで一度と出さなかった本気の蹴りを勇介にくらわせる…だが勇介はそんな蹴りではビクともしなかった。
勇介は自分が傷つくことより仲間を傷つけられたら怒るタイプだ。
どうやら勇介の怒りは頂点に達していたみたいだ。
勇介は蹴りを放つその蹴りは奴の頭にクリティカルヒットし奴は気を失っていた。
俺は気を失っていたらしい。
目が覚めたらそこは勇介の家だった。
「お〜お秀目が覚めたか」
勇介は笑顔でそう言う。
「なぁどうして俺を庇ったりしたんだ」
俺は思わず勇介に聞いてしまった
勇介はしばらく黙る…やがて口を開いた…
「荒れてるお前をほっとけなかった人していや親友として」
親友…
俺が一番欲しかったものはすぐそばにあったんだ…俺が変わっても学校が違っても勇介は俺のことを親友と思っていてくれた…なのに俺はそれを捨てようとしたのか…
俺はやがて目から涙が出てるのに気づく
そして勇介に全てを話した…山のことやそれが原因でいじめられたこと…
勇介は最後まで黙って聞いてくれた…最後に俺に
「なんとかしてやる…任せろ」
そう言って俺の寝てる部屋から出ていった
どうやらここは勇介が今住んでる家みたいだ。
そして翌日になると勇介は痛い事を叫びまくりいつしかみんなから厨二病と呼ばれるようになっていた。
そして俺の周りにも友達が沢山できていた。
その時から俺は勇介を守れるぐらい強くなると心に誓ったのだ。
言っとくが俺はホモでもBLでもないからな…
「…小川君」
俺が過去の事を思い出していたら声をかけられた振り返るとそこには守永がいた。
「守永さん昨日はすいませんでした」
俺は頭を下げる
「…いえ 別に気にしないでください」
守永さんは慌てていた
「でも…」
そういうと守永さんは真剣な顔になり
「私と青伸森が一体何者で何と戦っているのかあなたには話しておきたいと思います」
勇介が戦っている敵…
「教えてください…あいつはなにに巻き込まれたんですか」
俺は思わず叫んでしまっていた。