表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
林檎の中で  作者: 十五
1/1

触れた。

初投稿です。この先のことは全く決まっておりませんが彼らの終わりをみてみたいと思っています。誰かの目に止まればそれだけでも嬉しいです。

 その林檎に触れた瞬間すべてをみた。

 その林檎がすべて。

 いくつもの林檎が転がっている中でそれを触れた。

 坂の上から誰かが下りてきた。

 彼女だ。林檎の中でみた彼女だった。

 「生きてるじゃないか。」それが僕と彼女の初めての会話だった。

 

 彼女は照れ隠しをするように笑ってみせた。




 僕たちは林檎を広い終えてから近くの公園で木陰にあるベンチに腰を下ろした。彼女は坂の上にあるところに住んでいるらしい。母方の祖母と二人で暮らしているらしい。

「どうして君は生きているんだ。僕は確かに君の死をみた。」

「うん、死んだよ。林檎の中でね。そっか~みられちゃったか~。君には見えるんだね~。」

「僕にはってなんだよ。他の人には見えないのか?」

「そうみたい。私も君と出会うまで知らなかった。今までそれが普通なのだと思ってた。」

僕は林檎の中で彼女は男から殴られ、髪を引っ張られ、蹴られているのをみた。彼女は衰弱して死んだ。そう見たのだった。しかしどうだろう。彼女は今も高校生と思えぬはしゃぎっぷりでブランコを漕いでいる。ああ、上から降り注ぐ太陽が眩しい。

 「その林檎について教えてくれないか。僕は見てしまったのだから。」

 ブランコに乗った彼女にきいた。彼女はブランコが止まるまで足元を見つめていた。

 「そうだね。君にはその権利があるようだ。」

この暑い夏の中ではしゃいだというのに彼女は汗一つかいてはいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ