悪役令嬢夫人~すでにすべては終わっていたが・・・ね
まあ、やっぱり勢いですよね~
すでに終わっていたが、めんどくさがりな性格だった
という事を思い出した。
ある悪役的令嬢だった。
一般の噂では性格が悪く、典型的な貴族令嬢。自分が一番だと思ってやまないそんな人物。
地位も金もあって、美人で、、、。
そんな令嬢だったキャサリンはある時よくある事?だが前世の記憶を思い出した。
だがそれは、無理やり有無を言わせず結婚した旦那や意地悪した召使いやetc.によって毒殺されそうになって思い出した。
「あー・・・マジで・・・?」
もともと、キャサリンはそんな性格ではなかった。
けれど、ある令嬢をまねていただけの事だった。
そもそもの始まりは、やる気なしのめんどくさがりな普通の令嬢だった。
そう、可もなく不可もなく、何事にもそつなくこなしていた。
ただ、それだけ。
けれど、ある日両親に言われたのだ、ある令嬢にみたいになれと・・・。
その令嬢は表ではとても評判の令嬢だった。
品行方正で、誰もが、思わず振り向く美しさを備え、巧みな話術で、相手を、不快な気持ちにさせず、肯定をいつの間にか取り付ける。
そんな、誰から見ても、良い噂しか乗らない完璧な評判の令嬢だった。
そんな令嬢と、何かのきっかけで、知り合いになったキャサリンは、ある時、その令嬢の裏側まで知った。
そしてわかった事実。
典型的な悪役令嬢だった。
人を貶めて、徹底的に排除する。見目の良い殿方を、誘惑して、自分の言いなりにする。
思い通り、人を操る。
だけど、何事にもやる気がないキャサリンは、親が言った通り、その令嬢のようにふるまった。
表もそして、裏側も・・・。
キャサリンは、もともとやる気がないので考える事が本当にめんどくさく、まるまるまるっとコピーしたのだった。
そして、彼女は悪役令嬢となった。
あんまりひどい事は、やるのがめんどくさくなって放棄したが、まあ、小物臭漂う悪役令嬢になった。
ある時、結婚の話が出た。
誰がいいか聞かれたから
「そうですわね。ロミエル伯爵様がいいわ」
ただ、名前を憶えて、それなりに顔が美形だったことだけで、そう言っただけだった。
気に入った、気に入ってないかと言われたら、普通で、当たり障りないくらいには嫌悪もしていないという事だけだった。
そして、とんとん拍子に、伯爵との結婚が決まった。
結婚してから、気づいたが、ロミエルには思っていた女性がいたらしいが、公爵家からの縁談を断ることができず、ゴリ押しされたのだった。
両親は、キャサリンからのお願いになんとしてでもこの縁談を成功させようと必死になっていたのだった。
キャサリンからしたら、そこまで、その人と結婚したいとは思ってもいなかったのだが。
あまりにも、周りの奮起に半ば、たじたじで、否定するのも、めんどくさくなっていたのもある。
結婚してからというもの、ロミエルのキャサリンに対する扱いは、他から見てもあまり良い物ではなかったが、それは伯爵家内にいないと他にはわかりはしなかった。
結婚してから、ロミエルとは本当での夫婦になってはいなかった。
初夜もボイコットされ、キャサリンにとっては、万々歳だったりする。理由はめんどくさいから。キャサリンにとっては平和な日が続いた。
ロミエルには常々嫌悪感を向けられていた。
だが、キャサリンはその感情にも気づいてはいるが、見てみぬふり。めんどくさくて、気にすることをしなかった。
そうすると、さらにロミエルはイライラしていた。
ロミエルからすると話がまったく通じないという現状にイライラしていたのだった。
ロミエルはキャサリンが、自分のいいように解釈していると思ったのだった。
キャサリンは、いわばめんどくさがりだっただけで、反応するのも、何か返答するのもとても、とてもめんどくさかっただけだった。
いつものように、キャサリンは日課になった、あの令嬢の真似で召使いにチクリチクリと嫌がらせをしながら、けれど、考えるレパートリーがないので、ローテーションを組んで、三日に一回でやっていた。
毎日はめんどくさいので。
その内、やんなくてもいいかなあ~とも思い出していた。
結婚もしたので、もういいかなとも思っていた。
結婚して気が抜けたのか、さらにやる気がなくなっていた。
そんなある日のことだった。
ある夜会に行った時、口につけたものに毒が入っていたのだった。
そして、高熱で何日も生死の境をさまよって目が覚めた。
その時、前世を思い出したのだった。
「あ・・・マジで・・・めんど・・・」
そして、ある令嬢をマネして自分がやっていたことが、悪役令嬢のようだったことに気づいたのだった。
キャサリンは思う。
せっかく、頑張ってやりたくもない事をやっていたことが、さらに、めんどくさい事柄になっていた現状に。
まさしく毒を盛られたのは、自分がそれをやっていたからそうなったのだ。
誰彼に恨みを買いまくっていた。
ただ、それだけ。
けれど、それがものすごく
「めんどくさ・・・」
近くに控えていた侍女を目端で見ていると、キャサリンが、目が覚めて、安堵したようには見えなかった。
まるで、まじでなんで、生きてんの?あのまま死ねばよかったのにという顔だった。
嫌味をいっていた人物の一人だった。
けど、まあ、人は選んでいた。
弱い人物をいじめている人にあえて行っていた。
だって、その方が、めんどくさくない。
弱い子などに言うと、泣いて手が付けられないし、おろおろしてめんどくさくなる。
手などはいっさい上げてない。
自分の手も痛くなるから。
「キャサリン」
そう言って、入ってきたのはロミエルだった。
目線は物語っていた。
なんで生きてんだよっと。
嫌悪と憎悪がごうごうと宿っていた。
そんな様子に嘆息しながら、本来は答えるのもめんどくさいが、とりあえず
「心配かけて申し訳ございませんでした」
そう、告げた。が
「誰がっ!」
激怒していた。
どうやらやっぱり心配などしていなかった様子。
そのまま、扉を出て行った。
本当に死んでない事が残念だった様子だった。
前世を思い出したからと言って、何が変わるわけではないけれど、とりあえず、親の言った通りあの令嬢を見習ったことはだめだったようだ。
今生はその令嬢をまねることが、間違ったことが認識できなかったのだ。
今思えば、両親もあの令嬢が裏でやっていたことを知らない様だったので。
だから、あの令嬢のようになれ、完璧な令嬢になれとまでいわれたのだった。
だからこそ、両親がほめる令嬢のようにすれば、めんどくさい小言も減るかな~的感覚がいけなかったのだ。
裏側を知ったことも凶だったのだ。
「はあー・・・」
だからと言って今さらだ。
けれど、今さらでも色々と思うところがあるのだ。
前世の記憶を思い出して、一般的常識という物が頭の中で入ってきたのだ。それだけでも、いままでとの間隔の差異が生じてくる。
そして、本来考えなくてはいけない事も記憶として入ってくる。
人から見て何が良くて何が悪いのか。
悪役的所業がどういう事かという。
まあ、普通に考えて、このままじゃろくなことがない。
現に、毒殺されかけたのも事実。
今回は生き返ったが、次もそうとはいかないだろ。
「めんどくさいけど、生きていたしねえ~」
そうつぶやいて、重たい体を再度、横になる。
周りには、誰もいない。
要するに嫌われているので放置。
一応伯爵夫人なんだけどなど~
などと思うが、めんどくさくなくていいかもと思う。
あまりかかわってくることもない。
こっちとしては、あの令嬢の真似をしなくて良いから気が楽でよかった。
これからどうしようと思案してみる。
今後の事を考えてぱっと浮かぶこと。そう、そうだ、そうしようと決意する。
「それが一番いいかな?もう、めんどくさいしね。それに少し前から考えていたことだしね」
そう言って、簡易に着替える。本来なら、もう、夜着のままでもいいかなんて思うが、貴族とは大変だ。着替えがめんどくさい。
前までも、思っていたけど、前世の事を思い出してから、さらにそう思うようになった。
部屋から出て、ロミエルの所に向かった。
「あ、ロミエル様にあいたのですけれど・・・」
そう、執事のチャエンにそういうと、一瞬眉宇を潜め、少々お待ちください。そう言って、ロミエルに確認するために扉の中に入って行った。
果たして、会ってくれるだろうか。
多分無理だろうなあ~なんて思いながら、チャエンが出てきた。
「今忙しいそうですので、後程と言われておりました」
そういうが、後程はないだろうと思われた。
一切、顔を合わせようとしないし、結婚式当日に、初夜もボイコットされたし、食事も一緒になどとらない。
外せない夜会などに一緒に出席するだけだ。
そうなるといつまでたっても平行線。
ああ、何とめんどくさい事か・・・。
そう思ったら、チャエンが反対の廊下を歩きだしたところで一瞬のすきを作ってキャサリンは扉を開けて中へと入った。
それに気づいたチャエンは慌てて、中に入ったがすでに遅かった。
「勝手にはってくるなどどういうつもりだ。忙しいと言っているだろう?」
憤怒したように、ロミエルが睨んできた。
それにキャサリンは怯えることはなく、平坦に笑顔を向けて(もちろん、笑顔は作り物で)実際、本当にボーっとしている顔はデフォルメだったりするが
「後程、会う気もないでしょうから、そうすると話もできませんので」
そう言って、微笑を浮かべた。
その物言いに、少し眉宇をロミエルは寄せるが、苛立ったように
「お前と話す事などない」
と言い放った。
そのことに、もう、すでにめんどくさくなってきたキャサリンは
「あーもう。めんどくせーなあー」
そう言い放った。
「は?」
「え?」
二人が同時に声を上げた。
今、聞こえて来たのは、明らかに幻聴だという様に。
キャサリンはこう見えて、見目はよろしい。すっごい美人ってわけではないが、それなりに、はかなげで、見た目だけはそうなのだ。
そして、一応、令嬢をまねた事で、ある意味、完璧全な令嬢としてふるまっていた。
なので、周りの反応は当然、驚愕する。
だが、根元のキャサリンの性質は面倒くさがりなのに比べ、前世の記憶もプラスされる。そんな様子も気にするでもなくキャサリンは
「あー、めんどくせー。まじ、めんどくせー、心底めんどくせー、てか人の話聞けよ、こっちの言動見てこっちがめんどくさがっての気づけよ。はあー、心底めんどくせーな」
「おい。ど、どうしたんだ・・・?」
思わずと言っていいように、ロミエルがたずねた。
「あー、そりゃーさあー、結婚相手にあんたを選んだのは悪かったって思うけどさあー、あんたも悪いんだよ?イケメンで今人気の?人って有名でさあ、名前が、売れていたからさあー、こっちとしては、結婚相手に誰がいいって聞かれて、とっさに、聞いたことある人の名前言っちゃっただけじゃん?こっちとしては、あんたの名前がよく耳に入ったのが悪かったんだよ。あんまり有名になり過ぎるのも考え物だね~」
それって、案に別にあんたと結婚しなくてよかったんだけどね~的な事を言っている。
ロミエルもそして、チャエンもまた、口元をひきつらせている。
「おまえっ!お前がっ!私を欲しったのだろうがっ!汚い手を使って、断れないようにして!」
「まあ、両親に聞かれたから、聞いたことある人の名前言ったけどさあ、別にどうしてもってこともなかったんだけどさあー。まさか最愛の人がいると思わないじゃん?だったらさっさと要領よく結婚してろよって思うし、あんた結構な手腕だって聞いたよ?それとも、こっちの地位が上だから、なかなか断れなかったって言うのはいいわけじゃねーの?確かにこっちは公爵だけど、まったく、断れない事もないんだよ。そのやり方も全くないわけではないじゃん。それをしなかったというか、どこかで、あんたが私との結婚を利用したかったんだけでしょうが。まるっきり私を悪者に仕立て上げて、まったく、よくやるよって、まあ、それはいいや。過ぎた事だし、考えるのチョーめんどくさいしー」
そう言って、一旦言葉を切った。
そして、再度、ロミエルを見据える。
キャサリンの瞳は冷ややかだった。
「ぶっちゃけ、離縁してくれない?」
「は?」
「むしろ、離縁という事で。今まで一応、お世話様~でした~」
「お、おい・・・!」
「なんですの?」
心底めんどくさそうに、キャサリンは聞き返した。
「どういう事だ・・・!」
「いや、どうもこうも、離婚じゃん?あんたとは他人になるってこと。ああ、そうそう、毒薬、盛られるのも、めんどくさくなってきたからね~。とりあえず、いただいた?ドレスとか慰謝料代わりにもらっていくから。それとも、たんまり慰謝料くれるの?」
そう尋ねると、ロミエルは口元をひくつかせていた。
「ほんとうに、けちくせーな。てめーが薬持っていたのも、知ってるよ?。あんな場所にあったなんてね~。後あんたの女と、あんたが手を出していた女?そして、どうでもいい女をその気にさせて、毒盛るように誘導してた女とー」
あんた、よーやるよー。っ的目で、見ていると
「だ、旦那様?」
チャエンが、困惑した顔で、ロミエルに尋ねた。
「しょ、証拠はあるのか!!」
「別になくてもいいから、どうでもいいから、だっけど、私も死にたくねーからー。十分な理由じゃん!まあ、毒には耐性ついているから大丈夫だけどね!」
けど、最後の毒はちょっときいたー、半端ない量だったしね!
「あと、もう両親には離婚するって言っているから、もう、あんたの了承ほんとうはいらないんだけどね~。公爵家でごり押しすりゃーいーし!!結婚する時と同じにね!」
つい先日、記憶が戻る前に、それとなく?いや直球で、手紙をしたためていた。
実はもう、ずいぶん前にその気だった。
何度も、小さいころから耐性つけていた毒薬を盛られ続けていたことにも、やけがさし始めていたのだ。
「・・・。・・・。・・・」
「これで、あんたもわたしも、はぴーだべ!!がはははh!」
令嬢の言葉づかいもどこへやら、もうこの先一切関わりなんてないだろうから、乱暴な?口調になっているが、別にもう、気にしない。
そう言って、扉に向かって歩いていく。
扉を閉める前に、振り向いて
「あ、そうそうそう!お父様たちには離婚するだけじゃ納得しない風だったから、『旦那様に毒殺されっぱなしで、殺されそうになるから離婚する』って、ちゃんときっちりかっちり書いてあるから、今さら離婚取り消しになんて、了承しないから安心してね☆」
「・・・。・・・。・・・」
どこが一体安心できるのだろうかと、言葉に詰まった。
「あ、それと、なんかー、お医者様が、私がもうろうとしているとき、なんか言ってたんだけどー?」
「な?何をだ・・・!」
あの医者は、ロミエルのお抱えのはず。
「美形のお医者様に見えたけど?いつも見てくれるお医者様じゃないと思うけど?」
いつものは、はげた太ったお医者様。
けれど、もうろうとした時に見てくれたお医者様は、銀髪のきれいな男性だった。
倒れた先が、出先だったこともあるのだろう。そこで、誰かが見てくれたのだろう。
「?」
「寝ぼけていたのかもしれませんよ!」
そう、冷や汗をかきながらフォローするようにチャエンが言うが、
「まあ、どっちでもいいか!なんかー5年前?王妃様を暗殺した特殊な毒と同じだって!」
ロミエルの全身の血の気が引いた。
「ロミエル様!!」
チャエンが叫んでいるが、まあ、すでに、キャサリンは扉の外に出て部屋に向かって歩き、今後慰謝料のために、大量のドレスと宝石をもって、実家に帰り、それをうっぱらって、小さな、自分が住めるぐらいの家を実家の敷地の端っこに造らせてもらって暮らそうなどと考えながら、前を進んでいく。
実家にキャサリンが戻った後、ロミエルはどうなったかは、キャサリンは知るよしもない。
ただ、両親は、何故か謝罪ばかり、生きていてよかったと言って、優しい。
ラッキー。
出戻ったにもかかわらずにだ。
どこかに行っていつもいなく、昔は時折?頻繁にいじめられて疎遠だった兄様がいて、泣きながら、抱きしめられたのは、正直気色悪かった。
ただ、ロミエルが色々とやっていて、捕まりそうになり国外逃亡を図ったらしいと、風のうわさで?聞いたり聞かなかったり?
とりあえず、両親は気兼ねなく、住めるようにしてはくれたが、とりあえず慰謝料代わりに持って来たドレスなどetc.・・・が結構な額になり、小さなお家を建てて、そこで住むことにしたのだが、何故か、伯爵家にいた執事のチャエンや気の強くない方の侍女たちがいつの間にか、自分の家に雇われていていつの間にか、キャサリンにつかえていていたり。
生計を立てるために、秘密で描き始めた小説や絵画が意外と高値で売れてほくほくと離婚後の生活を堪能している。
めんどくさがりだが、どうやら好きな事には一生懸命らしい事実を知った。
キャサリン・レドル・マルティーナ。ピッチピチの19歳☆
今生で言ったら、立派な盛りをほんの少しだけ過ぎ、前世で言ったらまだまだ、花の盛り真っ只中!
今日も元気に人生楽しんでいますわ~おほほほ★なんてね!
お久しぶりです。
読んでくださった方ありがとうございます!!
他の話書いてなくて申し訳ないです。