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虎は旅する  作者: しまもよう
クナッスス王国編
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閑話 ディオールの異名譚3


 帝都の奪還は驚くほどすんなり成功したよ。もともとの計画が綿密だったからってのもあるのだろうけど、何よりメジアン様の下僕部隊の活躍が目覚ましかったように思うね。彼等は実は帝国でも有数の良識のある貴族の家の出だったんだ。腐った世の中であっても心を確かに持ち、侵略戦を仕掛けてきた他国を退けた、誰もが知る英雄の血筋……訳あって帝国に居なかったのだけど、メジアン様の呼び掛けに応えて帰ってきてくれたんだよ。そんな英雄の子孫が王だと敬い(かしず)く人物を帝都の民はそれはもう歓迎したんだ。綺麗に隊列を組んでやって来たのもよかったんだろうね。まぁ、『下僕部隊』って通称が残念さを醸し出しているんだけどね……。


 それで、いままで好き勝手してきた貴族は軒並み処刑処罰追放された。残った家もいままでの所業を突き詰めて、それを負債として一生をメジアン様に握られる羽目になっていたよ。その中には爺さんと陛下暗殺の黒幕もいてね。ひときわ厳しくされていたよ。メジアン様もよほど腹に据えかねていたんだろうね。僕達もそれを見て清々したよ。



「「メジアン様万歳! 国王陛下万歳!」」



「これはすごいね……感謝祭よりも賑わっているんじゃない? 貴族どもは一体どれだけひどい締め付けをしていたんだろう」


「おかげで少しきつめに税を設定しても受け入れられているっていう有難い面もあるがな。宰相よ、明日のパレードでは無駄口は叩くなよ」


「畏まりました、メジアン陛下。しかし、僕は『宰相』の器ではありませんよ」


「諦めろ。今のところお前が一番デスクワーク出来るからな。下僕部隊は……ありゃだめだ。脳筋に過ぎる」


「僕も彼等といい勝負出来る力があるんですよ。文官は()です」


「いい年した男が()なんて言うなよ。……やはりわたし達を害する貴族がどんどん死んでいったアレはお前とカルティエの仕業だったか。それを考えると確かにあいつらといい勝負ができるのだろうが、お前はちゃんと頭を使える武闘派なんだから、権力を高めに持たせるに決まってるだろ。文官が不足している現在は宰相として扱き使うのも当然のことだ」


「畏れながら、私共としましてもディオール様はカルティエ様共にやはり上の役職にいて欲しいですな。何せお二方の名前は今や脳筋どもを動かす絶妙な魔法になっていますゆえに」


「モード。それはどういうことだ?」


「お二方の二つ名に【双頭の兇手】というものが加わっているようでして、それは下僕部隊中心に広まっているのですよ。その名前を囁けば驚くほど大人しくなってくださいますので助かっております」


「……ティアには告げるなよ。悪用しそうだ」


「畏まりました。ところでメジアン陛下、そろそろ時間でございます」


「分かった。執務の時間が来てしまったか。宰相も頑張れよ」


「……もう書類の柱なんざ見たくないよ……」


 帝国の立て直しに僕は酷使されたよ。武官は下僕部隊中心にまとまってくれたからいいんだけど、文官は僕がまとめる必要があって、さらに驚くほどまともな人がいなかったんだよね。他国に避難している人もそんなにすぐに戻ってこれるわけではなかったから。ティアも手伝えたはずなんだけどあの薄情妹、さっさと国王陛下の護衛に就いて書類仕事から逃げたんだよね。


 そして、帝都の混乱は3ヶ月で終息させたよ。そのあとでようやく元陛下と爺さんの葬儀を執り行うことが出来た。元陛下は王室廟に、爺さんはあの帝都の混乱で亡くなった人達との合祀で弔った。ああやって爺さんを弔えたことで僕はあの国を守りたいと、より良くしていきたいと思うようになったよ。爺さんはさ、死ぬまで……いや、死んでも国のことを考えていたんだ。息子としてその思いを尊重しようと思ったんだよ。


 爺さん達の葬儀も終え、一息つけるようになったある日、宰相宛に謎の小包が贈られてきた。しかし、普通に贈られたものではなく、それは忽然と僕の机の上に現れたんだ。危険かもしれない……その思いはあったんだけど、前よりも刺激が減った生活に飽きていたところだったから誰かに相談することもせずに開けちゃったんだよね。


 でも、中には何も入っていなかった。いや、入っていたと言えば入っていたのかな。開けたとき、何かの『力』が僕の中に飛び込んできたように感じたよ。そして、一筋は国王陛下の執務室へ……カルティエのところへ向かったようだった。少しして慌てた様子で僕の部屋に飛び込んでくる人物がいた。


「~~っ、宰相様! あなた何をやったんですか? カルティエ様が激怒していらっしゃるのですが!」


「げっノルド……えっとね~怪しい小包を開けちゃったんだよね。何かの力が入っていたみたいなんだよ。やっぱりティアの方にも行ったんだね」


「そんな~。カルティエ様は宰相様が宥めてくださいよ! 今はモードじい様が落ち着かせようとなさっているところでしょうが、おそらく宥めきれませんから……」


「……さま……ディオールお兄様! 今、一体何をやらかしましたの!?」


「や、やぁ、ティア。そこまで不味いことをやらかしてはいないよ?」


「ふぅん? では、あの小包の袋は何かしら。よりによってカミサマの気配がするではありませんの」


「そうなんだよね~。開けてから何かそんな力を感じたんだけど……でも悪いものでは無さそうだし」


「……確かにそうですわね。しかし、アデライド様は一体何を危惧していらっしゃるのかしら。この力って何かを止めて消せってことよね。近々戦争でも起こるのかしら?」


「それこそ神のみぞ知る、だよ。覚悟だけ決めておこう」


「あの、宰相様、カルティエ様、一体何を話していらっしゃるのですか? 神様なんておとぎ話の存在ではありませんか?」


「あれ……ノルドはあの小包に何も感じないの? まだ神力の残滓(ざんし)が残っているんだけど」


「宰相様。からかうのは止めてください。そんな謎の力など人が感じられるはずがありませんよ」


「ノルドは神様を信じない質なのかな。それだといくら感じると主張しても平行線だろうね。でもね、確かに僕達はあの小包に神力を感じているんだよ。暖かく包み込むような魔力? の残滓だ」


「信じられないのでしたら、それでも良いのです。でも、お兄様の言う通り、あの小包からは暖かい魔力……それでいて誰のものとも分からない、そんな力が感じられますの。私はその力を女神アデライド様のものだと思いますわ」


「そんな……ことが…………。お二方がそのようにおっしゃるのならばあれには神様の力が残っているのでしょう。このことは、決して誰にも話さないようにしてください。さもなくば……教国へ誘拐されるやもしれません」


「そっか。そうだね。でも、国王陛下には話しておこうか。ティア、頼んだよ」


「分かりました」


「これから一体何が起こるのだろうね……」


 君達もあまり信じられないかもしれないけど、僕のところに突然現れた小包は確かに神様からの『力』が入っていたよ。それは、これから起こる暗い未来を予見させるようで……でも、その『力』こそが最悪の未来を回避するためのものと信じて生活していたよ。


 贈り物が届いた半年後のことだったかな、デュクレス帝国のさらに南にあったサラサ国から宣戦布告された。あの国は軍事面で強くて、侵略戦をよく仕掛けてきた相手なんだ。民を多く抱えているため自国内の収穫で賄うことができなくて周りの国から略奪を繰り返していた鼻つまみものの国だった。いつか来るだろうなとは思っていたけど、暗い未来を暗示されたあのときに来なくてもいいよね。けれど、早々に気持ちを整理して戦争の準備に取りかかったよ。ついでに次期宰相にと考えている子の教育も早めた。


「宰相! 軍事費はもっと出せないのか!? このままだと武器も兵糧も足りなくなるぞ!」


「これ以上軍事費を増やして食糧を買い占められると普通の人の分がなくなるよ! 武器は僕の資産から3000は出せる。それで何とかしてくれ」


「3000か……ぎりぎりだが善処しよう。これで残る問題は兵糧だが」


「ワイアット、武器はもう2000追加できる。そして兵糧だが、ユモアの森を利用しよう」


「メジアン様! あそこですか……確かにあらゆる食料が非常に大きく育っているあの森の物なら1つでかなり大勢の分になりますが、軍部(うち)から出せる者はいませんよ?」


「わたしと宰相、カルティエで行く。わたし達全員がアイテムボックスを使える上に、あの森程度なら一人で動くことも出来る。位置的にもちょうどいい」


「陛下。帝国のトップであるあなたをそのように行動させるわけにはいきません。陛下は帝都に。それは絶対です」


「ディオールよ、わたしが何故半年前に甥のグレンを呼び戻したと思ってる? 王としての知識を教えるためだ。そして、それはもうほとんど終えている。年齢から見れば頼りないかもしれないが、ちゃんと仕込んだから問題ない。だから、王だからという理由でダメだと言うのはなしだ。皆が戦っているのにのうのうと生きていられるか。わたしは全てを見届けねば……」


「分かった、分かりましたっ! ただし、あくまでも補給係として動いてもらいます。前線には行かないでくださいよ?」


「むぅ、しかし……「本日のアップルパイを取り下げてもらいますか?」……分かった。補給係に徹するとしよう」


「ディオール、メジアン様を脅すのはどうかと思うが……よくやったっ」


「ではワイアット殿、あとを頼みましたよ? あ、出来ればウィルとキッドもこちらに寄越してもらいたいのですが、可能ですか?」


「うーん。まぁ、いいだろう。後で私から言っておこう」


「お願いします」


 戦場はデュクレス帝国から南にしばらくいったところにあった。帝国軍がいる方が緩く丘になっていたから比較的見晴らしがよくて、有利だったらしい。帝国軍の出陣を見送った2日後に僕とティア、メジアン殿下(位は既に甥のグレンに譲った)にウィルとキッドはユモアの森へと向かった。ちなみに僕の資産の中の3000の武器は帝都の隠し部屋にあったので、あの日の内にワイアットに預けていたよ。


「うーん……帝都からここまで何とか日が落ちる前に辿り着く、か。万が一ここまであの国が来ても帝都へ逃げ帰るのは大変そうだね。それで、ここから戦場まで半日だったよね?」


「そうだな。ここには5人いるから、二人が補給分を持っていって、あとのメンバーは翌日の分を集めるようにすればいいな。完全に休みの日が出るから何とか持つだろう」


「そうですわね。では、最初はメジアン様と私、明日はウィルとキッド、明後日にお兄様と私かしら」


「それでいいだろう。では、わたしとウィルはちょっと奥へ行ってくる。キッドは二人を果物をより多く収穫できる場所へ案内しておいてくれ」


 ユモアの森に着くやいなや、僕達は早速食糧集めに奔走したよ。一方でメジアン様とウィルは奥の洞窟へ武器を取りに行っていた。あの森に生えている植物は普通のものよりざっと4倍は大きかった。さらに、土地に満ちていた魔力が原因だったと思っているんだけど、1度収穫しても3日後にはまた同じ大きさに成長しているんだよね。この事実は僕でも知らなかったから驚いたよ。


「補給で人気なのがあのバナナなんすよ。やっぱり腹持ちがいいんで。それで、種が多いやつは人気ないっすね。今回はその手のやつはやめときましょう」


「種のないオレンジとかもあったように思うけど? そういのは生えてないってこと?」


「あー、あるんすけど……洞窟より奥へいかないとダメなんで、今回は見送りっす」


「とりあえず入れれるだけ入れてしまいましょう。メジアン様も後でここに来て集めるのよね?」


「今日は違うと思うっす。洞窟には長期に渡って保存できる肉類があって、二人はそこへ行っているはずっす。だから果物を入れるスペースがあるかは疑問すね」


「補給に向かう前に果物と肉のバランスを調整しとかないといけないわね。すっかり忘れていたわ」


 そんな感じで数日過ごしたんだけど、思った以上に戦況の変化は激しかったみたい。3日目に野営地から早馬が来て僕達は帝国軍半壊の報を受け取ったよ。伝令もあちこち怪我していて、慌てて治療したよ。あと一歩遅かったら失血死するところだった。


「半壊か……事実上敗北ってことになるが、まだ退いてないんだったな?」


「はい……しか……し向こうの……武器が変わって……近付けな……くなりっ、距離を……置いたとこ……ろ……まではかくにんっ、して、います」


「分かった。お前はもう休め。無理させて悪かったな」


「いえ……陛下の……御言葉とあらば……」


「それ以上話すな。もう寝てろ」




「まだ退いてないとなると、軍部のトップ、参謀長あたりが殺られた可能性がある。それに加えて現場で指揮を執れる人物が減っているんだろう。ことここまで来たら、悪いがわたしは明日には戦場に向かう。幸いわたし達のアイテムボックスには食糧がたっぷりあるから充分支援できるはずだ」


「「「「我々もお供いたします」」」」


「助かる。死地に送り込むような形になってすまんな」


「あの国でこの時代を生きる以上、こういったことはまたあるだろうと、とっくの昔に覚悟していますよ。それこそ爺さんが亡くなる前からね」


「そして、何があっても陛下……メジアン様を守ると決めてついてきたのですわ」


「ありがとな、本当に……もっとお前達を長生きさせたかったものだが」


「仕方ないっすよ。国を護って潔く散りましょうや。俺達らしい最後っすよ!」



 かつてメジアン様を『おかしら』と呼んでいた貴族達は皆国を護り、散ることを求めて集まったらしいよ。何せ、脳筋だから。そして、帝国の立て直しに尽力している時にはもうそのような散り方はできないと思っていたそうだけど、ここに来て希望通りになる機会が現れたんだよ。だから、僕達が戦場に着いたときは何ともカオスな空気だった。でも、メジアン様が現れて一喝したあとは若い兵士が唖然とするほどの有能ぶりを見せ、突撃特攻作戦が決行された。本来なら僕は反対すべきだったんだけど……だって、戦場に出た人物をみすみす死なせるような作戦は次に繋がらないから。でも、勢いで押されちゃったんだよね。『頭』が出来た『脳筋』って異常に強くなるんだよね……。


 そして僕達が帝国軍に合流した翌日のこと。ついに最終決戦の幕が上がった。向こうは全軍で10万の兵がいて、こちらを半壊にさせた、おそらく主力であろう兵はおよそ2万ほどだったよ。でも、その主力は機動性がなく、攻撃の際には少しだけ立ち止まらなくてはならないようだった。でも、彼等が立ち止まった次の瞬間、僕達の体に鉄片が食い込むんだ。攻撃の軌道が分からないから避けようがなく、こちらの軍が半壊するのももっともだと思ったよ。でもね、あの長い筒のような武器はとても嫌な雰囲気をまとっていたんだよ。前に僕のところに現れた小包から感じたような暖かい魔力ではなく、その反対の冷たい、凍りつくような魔力が遠くからでも感じたんだ。


「お兄様……あの武器は、人の手に余るものですわ!」


「そうだね。きっと今こそ僕達に授けられた力を使う時なんだろうね。……メジアン様。先に逝くことをお許しくださいませんか。僕達二人でやつらの筒の武器を消してきます」


「…………分かっ、た。お前達でなくては出来ないんだな。そうか……お前達の働きで帝国は持ち直ったんだ。まことに大儀であった! 最後の仕事を与えよう。サラサ国の鉄の筒、消し去ってこい!」


「「畏まりました」」



 メジアン様から話が行ったのか、もしくは何かを感じ取ったのか兵士達が道を譲ってくれたんだ。僕達は互いに硬直し、向き合った前線に二人で立っていたよ。


「さぁ、最後の仕事をしようか。武闘派文官初の陣頭での活躍だよ!」


「ふふっ……わざわざ命令にしてくださったメジアン様へのご恩は邪悪な魔力をまとうモノを消すことで返しましょう」




 ――天より見守(まも)りし神より授けられしは『時の魔術』。我らが身を代償に、今ここに発動せよ【時間停止(タイムストップ)】!





 神様から小包で届いた『力』は『時の魔術』というもので、発動したあの時、時間が止まったんだ。そしてその停止世界では女神様は現世に干渉出来たみたいで、冷たい魔力を消し去ってくれた。脅威だった鉄の筒は全て跡形もなく消えたよ。


『私の愛しい子達。ありがとう。そして、命を代償にさせてごめんなさい』


 最後にそう聞こえて、暖かい魔力に包まれ、意識が暗闇に落ちていった。あれが死んだってことなんだろうね。怖くはなかったな。死にゆく僕を包み込んでくれたのは女神様の力だったから。



 享年32歳。僕は人生を終えた。短くとも実に波乱に満ちたものだったね。ああ、そうだった。最後の二つ名はね、【時の盗人】だってさ。あの出来事は一瞬のことだっただろうから、時を止めたとは分からなかっただろうに、よくぞそんな二つ名がついたものだと思ったよ。でも、こんなにぴったりなものはないよね。




シ「女神様、本当にいるのか?」


デ「へぇ、僕の人生を疑うんだ。棘と氷と焔、どれがいい?」


シ「どれも遠慮します疑ってゴメンナサイ」


ゼ「【最凶の双剣】【双頭の兇手】【時の盗人】が二つ名なんだよね? これは素直に称賛できるよ。それに、最後のエピソードは確かにすごいことをしたと思う。けれど、本人の性格でプラマイゼロになるような気が……」


ロウ「僕は皆さんの人生はどれも英雄たるものだと思います。ディオールさん、後の帝国がどうなったかは知っているのですか?」


デ「うん。あの後は向こうの戦意が消失して帝国の勝利だったらしいよ。僕達が光となって天に昇っていったように見えて、神の怒りが下されるのを怖れて色々手を引いたらしい。正直にいって二つ名はあまり良い印象がないと思うけど、実際は僕達は神の使徒として祀られていたみたい。何故か帝国主導でね。メジアン様のイタズラかなと思っているんだけど、真意を聞き損ねたままなんだよね~」


ロ「いつか調べて報告しますよ!」


メヌ「ロウくんは可愛いね。あのね、私達は現世にいる訳じゃないから報告といってもこちらに伝わる方法は限られているの。また会うのだって難しいと思うし。でも、気持ちはうれしいわ」


デ「不謹慎だけど、遠い未来に死んだ後少しだけ話す機会があるかもしれないよ。覚えていたら、その時によろしく」


ヴ「……もっと高みを目指せ。アルは連携に慣れるのが課題だ」


ロ「はいっ!」

アル ぐるるぅ《努力しよう》


バ「シルヴァーとは一緒に飲みたかったんだがなァ。そろそろ戻る時間みてぇなんだ。これが最後だな。これからも、頑張れよ。諦めるんじゃねぇぞ」


シ「ああ。もちろんだ。またいつか会えることを祈っているよ」


メヌ「ラヴィも、頑張れ! 創意工夫を大切にね」


ラヴィ「はい。この一週間、ありがとう」


デ「ゼノンは……もっと、僕自身で指導したかったなあ。まぁ、今の時点でも充分な実力があるからね。でも、少しだけ言っておこうかな。僕達みたいなのは仲間に迫った危険までをも解除することを求められるんだ。忍び寄る『危機』すらも盗むことこそが完成形だ。工夫を凝らして生きろよ」


ゼ「立派な師に出会えて幸運でしたよ。でも、いつか越えてやりますから」


デ「楽しみにしているよ。あ、本当にもう最後みたいだ」



「「「「 じゃあな(ね) 」」」」









シ「消えてしまったか……」


ゼ「この濃い一週間はとても有意義だったよ。儚くなっちゃったのが惜しいな」


ロ「ゼノン兄さん、あの方々は亡くなった訳ではないのですから……あれ? でもアンデッドだから死んでいることになるのかな?」


ラ「肉体的には死んでいても精神的には生きているのだからゼノンくんの言っていることの方が間違っているのよ」


ゼ「そうだね。冗談で言ったことだから」


シ「それはそうと、明日からは本当の意味でサバイバルが始まるな。王都を目指さないと」


ロ「この一週間でだいぶ鍛えられたので僕も戦闘に参加しますよ!」


ゼ「うん。頼りにしているよ」


シ「いろいろ考えさせられることはあったけど、今回はちょうどいいタイミングだったんだな」


ラ「まだまだ未熟……言い換えれば伸びしろがあるってことなのよね。サバイバルが始まった時点で自覚できたのはいいことだと思うわ」



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