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三日遅れの六月の花嫁  作者: 抹茶うさぎ
1/1

俺、滝井 真は誰が見ても絶賛するほどのイケメンだ。

この美貌は自他共に認めている。


「えっ、お前また振られたのかよ。確かまだ付き合って1ヶ月もたってないだろ?」

「いや、今回の子は続いたほうだよ。というかさ、俺のどこに飽きる要素があるわけ?世の中の女の子は厳しいねぇ。」

帰り道。友人の拓人と今日別れた彼女についての愚痴を言っていた。


「あの子さ、男を見る目がないんじゃない?俺よりかっこいい人なんて、この学校にいないでしょ。」

「…。」

「なにさ拓人。」

「いや、そんなんじゃすぐ飽きられるなって思って。」

「はぁ!?」

あんまり気にするなと言って、俺の肩をポンと叩いた。


なにこのドンマイみたいなの。

「お前、顔だけはいいんだから、ちゃんと自信持てよ。」

「フォローになってない!」

そんなくだらないやり取りをしていると、はたと気がついたように拓人はバッグをあさりだした。

「なにしてるの?」「折り畳み傘だしてんの。今日雨ふるって天気予報でいってたからさ。天候も怪しくなってきたし。」

「えぇ!?俺、傘なんて持ってないんだけど!」

「天候予報ぐらいちゃんと見ろよな…。」

「とにかく降ってくる前に濡れないところ行こうよ!あ、あそこのホテルのロビーに居させてもらおう!」

「はぁ…。」



三分後、予想通りに土砂降りの雨がふってきた。

「いやー、建物の中入れてよかったね。」

「俺は傘あるから入らなくてもよかったんだけどな。」


ホテルの係員さんに事情を説明すると、すんなりと雨宿りのOKをもらえた。

呆れた朝食の拓人と、こうしてロビーの椅子に座っている。

「つか、このあとどうするんだよ。雨が夜中まで止まない可能性だってあるんだぜ?」

「あ、そうか。」

「考えてなかったのかよ…。俺、宿題多いからもう帰っていい?」

「だめっ!絶対だめだから!俺を置いてくなんてひどい真似しないでよ!」

「お前の自業自得だろうが!本当にもう帰るからなっ!」


見捨てないでと叫んでいる俺を完全スルー。拓人は係員に礼を言うと、スタスタとホテルを出ていく。

そんな殺生な。





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