表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名無しの底辺は異世界で成り上がる  作者: ポラロイドフラッシュ
第一章 ~乳児期~ スラム街の赤さん
6/23

異世界転生した訳だが

目を覚ますとそこは異世界だった。いや本当に異世界かどうかは分からないけどね。

白髪さんが嘘を言っていない限りこの世界は確かに異世界なんだろう。

レンガ造りの古びた街並み、辺り一帯の建物全てがどこかくすんだ色合いをしている。更にその形もそれぞれが全て独特であり、ある建物は窓が異様に多かったり、また別の建物は変な場所から煙突が突き出ていたり、何をしてそうなってしまったのか、もはや二階から上がアフロみたいに爆発増築された建物などなど。目に入る物全部がとにかく常識に囚われていない物ばかりだった。そんなユニークな建物と建物の間の至る所には細い路地へと続く道が入り組んでいて、その先からは何やら妙な色合いの煙が細く、こちらの方向へゆったりと流れてきている。

街全体に少しだけ、火薬のニオイによく似た焦げ臭さが漂っていた。


「…バブ!…と、まずは言っておこうか」


赤ちゃんだしな俺。

いや…赤ちゃんなんだけど俺。

いや赤ちゃんこんな街中に放って置いちゃ駄目じゃんママン。

しかも地面に直に放り出されてるし俺。これはどうにも買い物の途中で放っていかれたって訳でもないな。

それにいかんせん辺りの雰囲気から察するにあんまり穏やかな場所ではないぞここ。

うわ、向こうの方でゴミ漁ってたおっさんと目があっちゃったよ、おい、手が止まってるぞおっさん。それにしても異世界で最初に出会った相手がゴミ漁ってるおっさんそれってどうなの?あ、無視しやがった、てめぇ何食わぬ顔でゴミ漁り再開してんじゃねえぞ。こちとら捨て子だよ。へー捨てられた赤ん坊よりゴミの方が気になりますか。この薄情者が、死にやがれ。あ、おっさん倒れた。うわ、めっちゃ血吐いてるよ。あ、死んだ。いや、動いた、まだ死んでなかった。…あ、結局死んだ。


俺はすっくと立ち上がり、倒れたおっさんの方にスタスタと歩いていった。

というかフルチンじゃん俺。ママンも捨てるとしてもせめてオムツくらい一緒に残していってくれよ。

股間のかわいらしい物が歩くたんびにふるふるするわ。

やはり赤ん坊の歩幅は狭いのか、おっさんを見下せるところまで近づくのに結構時間がかかってしまった。

うわ、くっさいな君!


「………」


おっさん………


「………ざ」


あ、駄目だ、我慢できないわ。


「ざまぁぁぁぁぁ!俺を見なかったフリとかするからそうなんだよ!目の前でこんなに可愛らしい俺が捨てられてるのに暢気にゴミなんか漁りやがって!俺は神に愛された存在だぞ?そんな俺を見捨てるみたいな真似すればそりゃあ罰が当たりますわ!すわすわ!プギャー――!」


げしげしと思いっきりおっさんを足蹴にしながら俺は盛大に大笑いした。


「…ん?というかこれ本当に白髪さんがやったんじゃね?」


あの白髪さんならやりかねない。

こんな小汚いおっさんの一人や二人まるで呼吸するみたいに殺しそうだもんな白髪さん。


(うんうん!キミのボクに対する認識ってかなりおかしいかも!)


「うわ、いきなり白髪さんの声が虚空から聞こえてきた。きもっ」


(きも!?全然きもくないよ!ほら!いつもの可愛い白髪さんの声だよ!)


自分で可愛いとか…ないわー。


「あ、白髪さん。ちょっと(おーい、ごくうー)って言ってみて下さいよ」


(うんうん!ボクは界●拳とかは使えないし教えてもあげれないからね!?)


なんだよ。ノリ悪いな。ベッドの中ではあんなにノリノリだったのに。

うんうんーワシはエッチなのじゃーだからワシの中にお前の太いそれをいれてくれーみたいな事言ってたのに。


(うんうん!ボクってその内容に近い事は確かに言っちゃってたけどどうして口調がわざわざ●王様に変換されてるのかな!?口癖だけがそのままな事に悪意を感じるね!)


一つ、みんなに教えておかないといけない事があるんだ。

異世界転生とかチートについてあらかた白髪さんと話終わってからな?その後な?

白髪さんとめちゃくちゃSEXした。


(そんな事教えなくていいよ!というかみんなって誰!?)


「というかさー白髪さん。俺さぁ確かに家柄は気にしないって言ったけど、これまずもって家がないよ」

0歳にしてストリートチルドレンデビューは流石に予想外っすわ。


(それは…ごめんね。でもボクにもどうしようがないよ。恨むならキミを捨てたクソババァを恨んで欲しいかも。そんなに可愛らしくていたいけな姿のキミを捨てるとか、うんうん正気の沙汰じゃないよねほんと…クソがッ!)


あ、怒ってる怒ってる。

俺のママン、白髪さんに見つかったら冗談じゃなくて本当に神罰で殺されちゃうかもなこれ。


(…ってうわ!ちょっとごめん!急に呼び出されちゃったよ!また後で顔出すね!)


「ちょっとちょっと白髪さん。俺右も左もわからないんだけど。これからどすりゃいいって言うのさ」


(とりあえず雨風凌げるところに行って、お腹が空いたら創造でご飯でも出せばいいと思うよ!あと頭の中でステータスって念じるとキミのスキルとかステータスが見れるから!じゃあまた後でね!)


そう告げたっきり、白髪さんの声はしなくなった。

そのまま、俺はしばらくの間おっさんを足蹴にしながら途方に暮れていたが、気を取り直して白髪さんの言っていた事を確認する事にした。


ふむ…ステータス。



--------------------

name;名無し LV,1

HP:1500

MP:5000

STR:128

DEF:56

INT:107

AGI:89

DEX:67

LUK:5

             切り替え1/2

--------------------


おお、目の前に出るんだね。それにしてもこの能力値は赤ちゃんにしたら相当高いのではないか?

運が低いのが気になるが…まぁそれはいいだろう。

これが俺の天然チートか、これは0歳にしてこのスラムのボスになってしまうなーんて事もワンチャンあるな。

スキルはこの切り替えってとこをタップすればいいのかな?あ、出た。



--------------------

所持スキルポイント,100

使用スキルポイント,0


~取得スキル~

無し



~取得可能スキル~ ※白髪さんセレクト異世界初心者おすすめスキルだよー

剣術(5)火、水、風、氷、土各属性魔術(それぞれ5)回復魔法(5)身体強化(5)

魔装甲(5)生活魔法(1)料理(5)鍛冶(5)裁縫(5)錬金術(5)気配察知(5)偽装(5)

状態異常耐性(5)魔力操作(5)闇魔法(10)時魔法(10)空間魔法(10)飛行魔法(10)

原始魔法(10)HP2倍(25)MP2倍(25)経験値10倍(25)鑑定(10)

              全部表示

~取得ユニークスキル~

猫神の祝福

限界突破

創造の力

超成長

言語理解

いつでも白髪さんと一緒!

             切り替え2/2

--------------------


ふむふむ、スキルはスキルポイントを割り振って取得していくんだね。

()の中の数字はそのスキルを取得する際の消費ポイントなんだろうな。

そしてこのユニークスキルってのが白髪さんからのチートか。

…ん?猫神の祝福ってなんぞ?

もしかして前世で助けた猫のあれとかかな?結局死んだみたいだったけどどうなんだろ。

まぁ今はいいや。後で確認しよう。

とりあえずスキルが一つにつき何段階まで上げられるのかだな…。

それぞれの消費ポイントの相関性的に考えたら5段階まで上げれるのと、1回取得したらそれでお終いの奴の二種類かな?

俺は試しに一番消費の少ない生活魔法を習得してみる事にした。

生活魔法をタップする。するとステータス画面の上にもう一つ、新しい画面が現れた。

--------------------

MAX,1

説明;日常の中で少し役立つレベルの様々な魔法が使える。

生活魔法を習得しますか?

YES/NO

--------------------


MAXってとこがこのスキルの最大レベルなのかな?

俺は迷わずYESをタップする。


--------------------

名無しさんは生活魔法を取得しました。

--------------------


よし。そして確認確認。


--------------------

所持スキルポイント,99

使用スキルポイント,0


~取得スキル~

生活魔法【MAX】



~取得可能スキル~ ※白髪さんセレクト異世界初心者おすすめスキルだよー

剣術(5)火、水、風、氷、土各属性魔術(それぞれ5)回復魔法(5)身体強化(5)

魔装甲(5)料理(5)鍛冶(5)裁縫(5)錬金術(5)気配察知(5)偽装(5)状態異常耐性(5)

魔力操作(5)闇魔法(10)時魔法(10)空間魔法(10)飛行魔法(10)原始魔法(10)

HP2倍(25)MP2倍(25)経験値10倍(25)鑑定(10)

              全部表示

~取得ユニークスキル~

猫神の祝福

限界突破

創造の力

超成長

言語理解

いつでも白髪さんと一緒!

             切り替え2/2

--------------------


うむ。思ったとおりこれは1回取得すればいいだけだな。

俺は次に身体強化をタップする。


--------------------

MAX,5

説明;自分の身体能力、強度を上げる。

取得範囲を選択して下さい。

1(5)2(10)3(15)4(20)MAX(25)

--------------------


やっぱり5段階で合ってたね。

身体強化は汎用性高そうだしMAXまで取っておこうか。


--------------------

身体強化MAXを取得しますか?

YES/NO

--------------------


YESタップタップ!


--------------------

名無しさんは身体強化MAXを取得しました。

--------------------


確認確認。というか俺って名無しなのね。ママン…。


--------------------

所持スキルポイント,74

使用スキルポイント,0


~取得スキル~

生活魔法【MAX】身体強化【MAX】



~取得可能スキル~ ※白髪さんセレクト異世界初心者おすすめスキルだよー

剣術(5)火、水、風、氷、土各属性魔術(それぞれ5)回復魔法(5)魔装甲(5)

料理(5)鍛冶(5)裁縫(5)錬金術(5)気配察知(5)偽装(5)状態異常耐性(5)

魔力操作(5)闇魔法(10)時魔法(10)空間魔法(10)飛行魔法(10)原始魔法(10)

HP2倍(25)MP2倍(25)経験値10倍(25)鑑定(10)

              全部表示

~取得ユニークスキル~

猫神の祝福

限界突破

創造の力

超成長

言語理解

いつでも白髪さんと一緒!

             切り替え2/2

--------------------


うんうん。大体理解したわ。

そんなわけで目ぼしいのからポチっていくかね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ