プロローグ3
今回でやっとプロローグが終わるらしい、そんな風の噂をきいた作者です。
「…ふ、愚問だな…自殺するのに、理由がいるのかい?」
「うんうん。そこにはもう何が何でも理由がなきゃいけないと私は思うかも」
白髪さんはそう言いながら、ワナワナと震える自分の体を無理やり抑え込むようにチェアの上で縮こまると、ジッと指を眉間に当てながら、その2つの大きな瞳を固く閉じた。
うわっ…ジリッジリに険しい表情を浮かべてるな。これは少し見るに耐えないぞ。かなりブサイクなこれ。眉間に寄ったシワの形がアマゾン川下流の複雑な海流の動きを彷彿とさせるよね。
…ふむ。こんな失礼な事を考えているのに白髪さんはうんうん唸っているだけで特に何も言ってこないな。どうやら相当参っているみたいだ。というかそのうんうんは口癖の方なの?それともただの唸り声なの?
…あ、そうだ。
「ねぇねぇ白髪さん。そのままその眉間に当てた指を前に突き出してみてよ」
「…?こうでいいのかな?」
白髪さんの眉間は以前としてアマゾンでありはしたものの、割と素直に俺の言う通りに指を突き出してくれた。
…よし!
「魔●光殺砲!!なんty」
俺の後方にあった壁が跡形も無く吹き飛んだ。
はい、あのですねもしかして神様繋がりで撃てるんじゃないかと思いましてやはり撃てるのですねはいそうですよねそりゃ撃てますよねだって神様ですもんねいやほんとすいませんでした。
まだ煙がモウモウと立ち続ける指先でしっかりとポーズを決めたまま、白髪さんはかなりぎこちない笑顔を俺に向けた。その額にはくっきりと青筋がひくついている。
「うんうん。確かにボクはキミのそういうお茶目なところだってとっても気に入ってはいるんだけどね?でもね?今だけ、今だけでいいからね?ちょっとだけふざけるのは無しにしてくれるかな…」
背中にたらりと、冷や汗が伝った。
「うんうん」
「うんは1回ッ!!」
「うん」
「………」
「………」
「「………」」
そうしてしばらくの間、俺たちは無言のまま見つめ合っていた。
…が、そのうち白髪さんが先に俺から視線を逸らす。そしてそのままフッと顔も伏せてしまい、二本の指もゆっくりとだが徐々に下ろされていった。俺もほっと胸を撫で下ろしたね。
「………」
「………」
しかしどうしたもんか。この神様それから一向に顔を上げない。いやはやまだ怒っているのかね。
やれやれ、困った物です。
「「………」」
ふむ、これじゃあどうにも間が持ちませんな。俺は仕方なく、伏せられた顔に向かって努めて優しい声で呼び掛ける。
「………あのぉ、白髪さん?」
「………ヒグッ」
あ、こいつ泣いてるぞ。ハハッワロス。
「ヒグッ…キミのせ、いでしょぉ」
嗚咽混じりにそう言いながら、白髪さんはゆっくりと顔を上げた。
…うが。その泣き顔は卑怯だろ。思わず俺の何かがムクムクと主張を初めてしまいそうになったじゃないか。
「ヒッグ…エグッ……ま、たキミはぁそうやってフザケやがってぇ…ッヒ、ボクの、事ぉ、馬鹿にしてん、だろ?ちくしょ~このやろぉ」
別にふざけてる訳では…まぁあるけど。でも俺ってこういう人間だし。
悲しいけど俺、人格障害なのよね。
というかちょっと白髪さんや、いくらなんでもキャラ変わり過ぎじゃないですか?いくらなんでもそれはちょっとあざと過ぎやしませんか?
「ヒッ…エグッ…エッグッ…自殺な、んてぇ…絶対しちゃ、だめじゃぁん…みんな悲しんじゃう、しぃ…私がぁい、一番悲しいんだからねぇ…何で自殺な、んかぁ、しちゃったのさぁ…」
おーい。
「エッグッ…エッグ…」
あぁ、もう全く聞こえてないっぽい。
………はぁ。しょうがない。
「卵卵卵卵うるさいなぁもう。あー全く。話してもいいけどほんとロクでもない事だからね?情けなくなるぞ?聞いてから後悔したってしらないからな」
もはや神様の威厳など皆無である泣き顔の少女はただ黙って俺をジィっと見続ける。分かったよ、話せばいいんだろ話せば。
全く、何が悲しくてあんな馬鹿馬鹿しい事を告白しなきゃいけないんだか…
嘘でした。全く終わりません。早く異世界の冒険に繰り出したい作者です。
※名前を変更しました。バタバタしてすいません…
白頭さん➡︎白髪さん