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たんぽぽ
ふいた綿毛が 風に乗って
どこかで 芽吹いた
一日 一日が 明日になって いつか花を咲かせて
たんぽぽが 子供達の 願いとなって
また明日に 繋がって
鏡の中で 知らない人と 会話した
誰にも語らない 秘密の傷
手を伸ばせば ひやりと 冷たくて
大きくなったと 言われて
大きくなるとは 何かと考え
そらを 仰いだ
流れている雲は 大きくて
形を変えて どこかに 行ってしまう
大きくなるって どこかに行く ことだろうか
考えても 考えても
答えはない
子供の心
大きくなったら 知るのだろうか
心では 納得できなくて
大人になって あのときの 意味も
懐かしさも そして 尊さも
なにもかも わたしの中に 苦みと共に 広がった
幼き頃の 綿毛がこの心に 芽吹いている
かしこ




