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魔力量だけで選んじゃっていいんですか?  作者: satomi


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8.体型維持の秘訣


 私は馬のパートナーも得たので、ほくほくと魔術棟の方に戻って行った。


「ご機嫌だな、ルアリー」

「馬との会話が出来て、馬術のパートナーが決まったんです。ちょっと無口だけど、名前がなくて不便だったので私が付けちゃいました!」

 そう棟長に報告した。

「へー、無属性魔術は馬との会話も可能にするのか。可能性は無限大だな」

 

 私はアレクがいれば国境を越えるとか以外の移動が可能になった。

「そもそも、なんでルアリーは馬術をしようと思ったんだ?」

 はっ、そうだった。

「棟長!棟長はちょくちょく無属性魔術を使っているのに、体型を維持できているのでしょうか?無属性魔術に頼った生活をしていると体型が崩れてしまうのでは?」

「ああ、そうか。そういうわけで、馬術な。魔術は使用すると異常に腹が減るんだが、ルアリーの全魔力量を考えると、そうとう魔力を使わないと腹が減らないだろうな。私の全魔力量はルアリーの3分の1程度だ。そう考えると、魔術を使用すると腹が減ってなぁ。しかしだ。ルアリーが私と同じように生活をしようとも、腹は減らない。魔術での運動量が私とは違うからな。それで馬術か…。いいんじゃないか?無属性魔術に頼らない生活。結構厳しいと思うけど、がんばれよ」

 そうは言っても、たんに前の生活に戻るだけなのでたいして苦ではありません。

 それに、馬術では馬のアレクがパートナーになってくれるので頼もしいです。


―――――――――


 その頃の王城では会議が開かれていた。

「メアリー嬢が王太子妃なのに実家にいて戻って来ないのは何故だ?」

「別に臨月だから、とかそういう特別な場合ではないのだろう?」

「王太子妃としての資質を疑う」

 ゴホンと国王が咳払いをすることで会議場が静かになった。

「それについては私も王太子に言及している。王太子妃は王太子妃教育も碌に進んでいないとか。それでは全くの肩書きだけの王太子妃となる。この事について、ビックト侯爵はどのように考えているんだ?」

「娘は魔力量も多く、先日の舞踏会で3属性を持っていると分かったばかり。必ず国のためになると確信しております」

「では、何故王宮で生活をしていないんだ?3属性あるからといって、教育をしなければ使えないことは知らないのか?魔術棟には侯爵のもう一人の娘がいるはず」

「あの子は魔力量もメアリーに比べて少なく、しかも属性は闇と先日の舞踏会で発覚しました。国のためになるのか」

「魔術棟の報告によると、その娘の名はルアリー。魔力量も棟長を凌ぐ量で、属性については言及しまい。闇属性などではないぞ。あまり魔術に関する個人情報を流すものではないからな」

「しかし、あの子が5歳の時に神殿で測定した時は少ない魔力量でしたがっ」

「魔術棟での計測器は最新デジタルの計測器。魔力量が数字で表示される。具体的には魔術棟棟長の3倍近くの魔術量だ」

 その場の貴族がざわめく。

「そんな人間がいるのか?」

「棟長が魔力量の最高値だと思っていた」



体型維持…。我々には使えないものでした。

やっとこさ王城が重い腰を上げたようですよ。

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― 新着の感想 ―
塔長に何故に馬術を嗜むように問われたんだね!ルアリーは、無属性魔術を使うと、体力を使わないから体型管理の為と答える。塔長は、魔術を使うと、異常に腹が減るから体型管理はしていない。但し、ルアリーの魔力量…
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