12.ルアリーの未来
突然に王太子殿下から求婚された。
あまりの事に実家ではなく棟長に相談をした。
「そうだなぁ。ルアリーは自分の将来をどう考えているんだ?」
「遠い未来の事はわかりませんけど、今の暮らしに満足しています」
「王太子殿下に嫁ぐという事は、王太子妃教育を受けなければならないという事だ」
「勉強することは嫌ではないのですが、魔術を使う事が出来なくなったり、アレクと国中を散策できなくなるのは嫌です」
「だそうだ。王太子殿下!」
「そっかぁ。ルアリーなら王太子妃にピッタリだと思ったんだけどなぁ。馬術は淑女がやらないからなぁ」
「それならお受けできません。私はアレクと国中を散策するのが好きなんです。そこで何か不都合を見つけたら改善をしたり助けたりはしていますけど、どこかにとどまっているのは性に合いません」
「誰かいい人知らない?」
「申し訳ありません。社交をしてこなかったので、貴族令嬢とのパイプを持ち合わせていないのです」
「「「ルアリー!」」」
「皆さん、どうしたのですか?」
「王太子殿下に求婚されたって聞いたから…って本人―‼」
王太子殿下はまだ残っていらっしゃいました。
「あははっ、振られちゃったよ。君達はいい人知らないかなぁ?」
「俺は平民だからなぁ。こうやって殿下が傍にいる事すら奇跡だ」
「俺は下級貴族」
「あっ、他国の貴族令嬢とかダメですかねぇ?俺は知り合いいませんけど」
無責任だ。
「他国の貴族令嬢か…。陛下とも相談しよう」
「あのっ!人選基準って何なんですか?」
「メアリーに決めた時は突出した魔力量。だったけど、他国の貴族令嬢となると外交の駒としての意味合いが強くなる」
「知性・教養・品性でしょうか?」
「そうだなぁ」
「えー、俺なら顔とかも見ちゃうけどなぁ」
「王族はそうもいかないんだよ、現実問題」
「あ、いた。独身で知性・教養・品性を兼ね備えた女性が隣国にちょうど王族。見た目も麗しい方です。国王が大事にしてたんじゃないかなぁ?」
「ルアリー、感謝する。陛下に奏上することにしよう」
その数か月後に二人の婚約が発表された。隣国との関係が悪くなかったのが良かったのかな?互いに一目惚れだったと聞いている。
婚約かぁ、私もそのうちするんだろうなぁ。アレクと国中を散策してたら突然運命的に出会うかもしれないし、よくわかんない。
刹那的だと言われようとも、今はアレクと国中を散策してその都度チョコチョコと改善したりしよう!うん、先の事はわかんないもんね。
あんまり考えると頭痛くなっちゃうよ!
「ところでさぁ、ルアリー?俺と婚約する気はない?俺ならこのまま魔術研究続けてOKだし、アレクと旅に出てもいいよ。あー、俺も一緒に行きたいかな?」
アレガスと婚約?
本人も言うように本当に突然の話だし、嫌じゃない。
「うーん、今はよくわかんないけど一緒に旅してたら変わるかも(わかるかも)だから、とりあえず、一緒に旅してみない?乗馬は…できるよね。だって王子だし」
「ああ、その身分とかはどうでもいいけど、乗馬は紳士の嗜み~みたいに身についてる」
「なら安心。そんじゃあ、旅してみる?」
そうして、私はアレガスと旅をすることにしました。アレガスの愛馬のハンスとアレクも仲良しになれて良かった。
会話を耳にすると、アレクが兄貴分みたいな感じだけど、『旅をする』のはアレクの方が慣れてるかな?
私は、私とアレガスと2頭の馬に物理的な攻撃から守る魔術をかけて、平和に旅をすることにしました。
今後どうなるのかはわからないのです。
鈍感?
よく言われます。仕方ないじゃない。感受性とか全部魔術でできる方に力を入れてるんじゃないかな?きっと、絵画とか下手くそだ。
それでも、収納魔術ができる方が便利だし、アレクともハンスとも会話が出来て楽しい旅です。…ハンスと楽しく会話をしてるとアレガスがジト目でこっちを見る。ハンスもそれが嫌みたい。アレガスも会話が出来るといいのに。
読了ありがとうございます‼
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誤字脱字もお待ちしております!…いつになったらなくなるんだろう?努力してるんです!実を結んでほしい‼
ルアリーちゃんは鈍感が過ぎるみたいですね~。ゆくゆくはうまくいくといいですね。