11.ルアリー、褒められる
「鮮やかな手口だな。証拠までキチンと揃えてくるとは」
「お褒めにあずかり光栄です」
騎士様に褒められるなんて、今日はいい日だなぁ。
結構大きな騒動だったので、「何事だ?」と王太子殿下もやって来た。
騎士様から報告を受けたようで、
「咄嗟のことだというのに見事な判断力に感服する」
「有難きお言葉」
「当人の拘束だけでなく、証拠の映像まで残すとは見事だ。しかもルアリー側に全くの被害はない」
「それなんですが、国内をアレクで移動をしていたために、山賊に遭うやもしれないと、アレクには常に物理攻撃を無効にする魔術をかけています。同様に私自身にも。刃物なんかは当たりませんよ?悪意を持っている場合は特に」
「なるほどなぁ」
「映像は?」
「四六時中記録しているわけではなく、悪意を感じると発動するようにしております」
メアリーが持っていた刃物には毒が塗ってあったらしいし、あっあの刃物!重要証拠を置いてきたかも。
「ちょっと、取ってきます!」
私はさっきいた場所まで転移してメアリーが使った刃物を持ってきた。誰かが『刃物が落ちてる。ラッキー☆』とか言って、それで料理とかしたら大変なことになる。
ついでに刃物が落ちた土壌も毒を何とかしておいた。
「殿下、こちらが映像にあった刃物です。騎士様に渡しておいた方がいいでしょうか?」
「うむ」
殿下としては一目でルアリーの事が気に入ったが……。
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~アレガスSide
「王太子殿下がルアリーを気に入ったぁ?」
確かになぁ。家柄は文句なしの侯爵家。人脈もいいし、魔力量もバッチリ。国中を馬でうろうろしてるし。
考えるだけで落ち込むほど王太子妃として文句はない。
だけどなぁ、本人は王太子妃になりたいだろうか?
つい先日、ビックト侯爵家の長女が王太子と離縁した上に実の妹君(と馬)の殺人未遂で牢に入っている。ビックト侯爵家としてはルアリーに是非とも王太子妃になってもらいたいだろうなぁ。今ビックト侯爵家の株が大暴落中だからな。
ルアリーは魔術が楽しいみたいだ。あと馬術。
このまま魔術棟にいてほしいなぁ。あ、でもいつかは嫁に行くのか。
婆姿の人なんて魔術棟にいないし、爺もいないけど。
ルアリーは自分の将来の事どう思ってるのかなぁ?
俺は第4王子だし、王立魔術師団で働くつもりだけど。
アレガスとしては、兄である王太子殿下の気持ちも尊重すべきだし(自分はただの臣下)、でもルアリーちゃんは魔術の鍛錬とか馬で放浪することが好きだから、王宮に縛り付けるような真似はしたくないし、何より自分もルアリーちゃんに気があるのは確かだし…。って悩みどころで知恵熱出そう。




