かぼちゃの竜②
パンプキンドラゴン-桐生ココ。
空を、大地を、引いては消えた大潮を、飲み込まんとする異様は、翼を携え、胸に宝石を奪う様相、決してただの竜に非。其の強さは、数多ある竜の中でも別格の強度と逞しさを誇っていた。
それに対する魔法陣の展開。紫の軽くダイヤを散りばめたかの様なデコリアンは、空中浮遊、多段ジャンプと化した其れに、強力な逆向きの射出を兼ねて、大地だけが蒼く、透き通る様に、暗く澱んだ世界に浮き上がる。
紫咲シオン、シオンの名を冠する大魔法使い。其の少女とも魔女とも言える装いから他所に、一撃で、ドラゴンの頭部目掛けて-
避けるパンプキンドラゴン。跳ねるように削り切った岩場を物ともせず、シオンはニヒルな笑みと共に着地する。
続いて、桐生ココが巨大な尾の一撃を、弓に矢を番える不知火フレアの元にカチコミ入れる。
其れを、近場にいた白銀騎士団団長の白銀ノエルがダイナマイトなポーズで受け止め、其のまま自分の魅力を詰めた巨乳を、指を詰める様に、押し付ける様に柔らかく、剛となった尻尾をぶん取り、廻し受けていく。
思わずぶんぶんと振り回される桐生ココだが、其れも逆手に取り、放り投げられる其の刹那、巨大な嗚咽感を以って、炎を口から吐いて行く。
其処に、其の口元に一筋の流星が流れる如く、弓から放たれた矢は、其の弦の震えを聞かずじまいに勢いよく吸い込まれて行く。
炎は掻き消え、矢は一直線にメラメラと燃え盛る火矢となって、たった一撃、去れどドラゴンの頭部を内側から燃やすのに充分な一撃をくれてやる。
しかし、暴れる桐生ココは、絶えず暴力のような火を吹いて、お前里帰りだなと告げるように.燃える火の粉の誓い.決して相容れぬかぼちゃの竜