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ホロらいふ
ホロらいふ
抜けない。ふとマリンはそう思った。
明くる夜、マリンは船に乗った。
マリンの大航海はここから始まる…と思うじゃん。実際は、ただ働き、必死に身体を動かしても航海も何も教えちゃくれない。
月日だけが過ぎ去ろうとしていたその時、急遽船長が急な病で倒れ、新しい船長は、えっ!?マリン???それで良いのか。
「アタシら、船長の事何も知らないんですわ。ただ、次の船長には、新しく入って来た娘を選びなさいと、そう言われまして…」
だからって、いきなり船長が木端なマリンなのは、どうかと思う。
マリンはこう思った。世の中、思ってもみないことがあるのだと。どうしてもと言うなら、受けてやろう。
そうして、気付いたら船長になっていた。