BRICS拡大中
G7ではなくG20の時代と言われますが、G7と対立する勢力がBRICSと言われます。インドに関しては民主主義国であり、将来性があり、中国の代わりにベトナムやインドでと考える製造業は多いです。さて、そのBRICSにエジプト、エチオピア、サウジアラビア(承認されたがサウジ側が保留中)、UAE、イラン、アルゼンチン(後に撤回離脱)が加盟する事に決まった後、マレーシアも加盟する事が決まりました。そして、タイも正式加盟申請しており、ASEAN数ケ国が加盟に興味を示していると言われています。それだけでなく、上海協力機構(SCO)にも加盟検討国が増えており、中露との経済関係強化だけでなく、地政学的に近いアラブ・中央アジアと東南アジア諸国が密接になる事はメリットしかないと考えるのは当然の事です。最新の情報では加入希望国が殺到している状況であり、ベネズエラに関しては(選挙結果を認めていない)ブラジルが猛反対しており、二国間対立が深刻になっています。ベネズエラ政府は、今までの過激な発言や投稿だけでなく、ブラジル大使マヌエル・ヴァデリ氏強制送還という実力行使に出ています。
中国は、アメリカに続き、EUからの自動車関税に豚肉で報復関税を果たしています。半導体他で経済安保を理由に締め出しを図る日本に対しても原発処理水を理由に海産物輸入禁止やスパイ法の網を厳しく掛けるようになりました。現在、問題となっているフィリピンは、実は経済的関係が深く、アメリカにより助けてほしいものの、そうすれば経済的ダメージを負うため、躊躇している状況だと言われています。
欧米は、中国に対しロシアを支援するなと求めますが、支援していないと回答します。武器用ではなく、民生用で輸出し、流用されているものは多いとされます。中露の経済的結びつきが深まり、そこに北朝鮮が軍事パートナーとして割り込んできて、極東アジアは実質、日米韓と中ロ北という構図になっています。今後、日米と中国の貿易や投資関係は、緩やかに減少していく見込みです。中国は、東南アジア、アラブ、アフリカ等との経済的結びつきを強める事でしょう。
そもそも内政不干渉の中国は、王室や独裁であるアフリカやアラブと非常に親和性が高いです。日米韓は、政治トップが選挙(日本は首相は選べないが政党や候補者を選べる間接選挙)で決まりますが、露は表向きの選挙があるものの、中北は完全に形骸化しています。ただし、パレスティナ問題に関しては、イスラエルを同じ民主主義国の多くが肯定するものの、BRICSやアラブだけでなく、EUの中でもパレスティナを国家として認めようじゃないかという国が増加中です。東西対立とも言える関係の中で、イラン、北朝鮮、ロシア側は、世界の支持が圧倒的に少ないケースが多いですが、そういう国々とアラブが主張する方へ、EU側が共感し、アフリカ勢とも同じスタンスをとるというのは極めて異例であり、それだけアメリカやイスラエルのやり方や考え方に共鳴できない国が多い証拠とも言えます。
アセアンは、究極の二択、米か中かの選択では中国を選ぶだろうと言われており、日本も中国との経済関係が冷え込めば東南アジアやインドにより力を入れるつもりですが、そこでも(米中)代理バトルのような形になると予想します。超大国はアメリカのみであり、軍事・宇宙ならロシア、経済・テクノロジーなら中国は、脅かす存在です。アメリカは、ライバルを叩くために同盟国やG7を巻き込む形であり、ドイツはエネルギーを失い、日本は中国との経済的蜜月が終わりました。ただ、中露を弱体化させる狙いは現在のところ成功していますが、アラブ(イランイスラエル問題)に関しては完全に失敗しただけでなく、アラブの反米化BRICS志向が高まっています。その背景には、アメリカが戦略としてアラブ軽視になっているからであり、オイルメジャーの権益よりもシェールオイルにより自国で賄えるから、単に国益をより追及するようになったからに思えます。
中国は一帯一路やAIIB(アジアインフラ開発銀行)を掲げた時代から、米中対立は深刻化しています。一帯一路から唯一のG7国イタリアは離脱しました。日本のメディアやアメリカ政府はネガキャンを行っていますが、結局同じ穴の貉と言えるでしょう。たしかに債務の罠に陥った国家は、借金の形としてインフラの使用権を奪われます。実質資本搾取と言えるでしょう。しかし、先進国でも抵当に入れたものは借金返済できなければ没収されます。同様にひと時融資も金融業の許可を取っていれば、単に証明書撮影で逃げられなくして対価として肉体を求めるという事に過ぎません。対象が一人であれば、個人間の貸し借りであり、条件(約束合意)に従い肉体関係を結ぶという事に過ぎません。元請けー下請けのように完全なウインウイン、対等な関係は無理であり、如何に双方が対等であり利益を分け合えるかという事がものの本質です。例えば、アイフォーンだとインドや中国で製造、日本で電子パーツを設計製造、アメリカでOSや製品設計という感じで下流、中流、上流の階級に分けられており、上流が圧倒的に利益を搾取し、中流はそこそこ、下流はなんとか利益という感じです。鴻海工場ではストライキや違法労働(アメリカメディアが潜伏取材し後にアップルが認め鴻海側が改善するというお決まりパターン、早くもロイター報道→インド政府→アップル&フォックスコン(鴻海)に事実確認中の事例発生)は有名であり、中国国内でもファーウエィ(自由な社風、優秀な社員、高サラリー)と鴻海(劣悪な環境、ブルーカラー、低賃金)という有名な言葉があるぐらいです。ファーウェイが行っている事もまさにアップルなんですけどね、韓国や中国の部品を使う中流工程の違い位です。欧米がいくらアフリカに振り向かせようとしても、過去に行った植民地支配や内政干渉から魅力がないため中国側を選びます。どちらかといえば、中国がましだから中国側と仲良くしているだけであって、投資や開発援助で中国より条件が良ければ欧米側になびきます。要は、オファーがたくさんあってどれと契約を結ぶかという話です。これは、東南アジアや欧州の鉄道等にも該当し、東南アジアだと国の開発支援も入ってきますが、日本はなかなか大きなプロジェクトを交渉で勝ち取れなくなっています。その背景は、コスパです。日本の鉄道や鉄道システムは世界ナンバー1ですが、その代わり高い事も有名ですから、米英のような金持ち国以外は辞退(プロポーザル入札負け)してしまうのです。結局、中国側の支援パッケージに負けているのです。幾ら支援されて、幾らで建設できる。そして、質もまあまあだ。じゃあそっちにしようと東南アジアの国々は思うようになっています。ベトナムなんかは、そのまま中国と鉄道で繋がっていますし、その流れでカンボジアにも繋がっています。シンクタンクみたいに単純に分析するのではなく、自国はどうなのか?どうしてそういう状況になっているのか?等もっと多角的に人間の心理(政治家の決断背景)も含めて分析しないとただのネガキャンであり、あまり意味のないレポートになると言えるでしょう。欧米だけでなく、日本もあのような軍事海洋行動や言論統制を嫌う人々は多いでしょうが、経済的にはきちんとしたルール内(近年は中国がWTOにアメリカ提訴の逆状況)でお互いのウインウインを求める経済的互恵関係は間違っていないと思えます。ただし、それも米国の思惑により、少しづつ崩壊していくように思えます。日本では国産車が95%以上ですが、2030年には中国も国産車販売比率が80%を超えるだろうと言われています。要は、三菱撤退、ホンダや日産一工場閉鎖同様の事がトヨタやポルシェ(販売台数減)にも起こるという事です。既に韓国車やアメ車は売れなくなり、いよいよ日本車やドイツ車にもその流れが訪れているという事です。VWに至っては今までと真逆の合弁会社、中国側に技術を教えてもらう形になっています(技術はあるが、そのコストで同じもの生産できないとか開発スピードで劣る)。
中国は共同富裕を打ち出しており、南米やアラブ同様、資本主義を否定しないが、新自由主義を否定する感じが強いです。おそらく資本主義は、北欧型(環境意識や税率が高い、理念中心)、アメリカ型(できるだけ小さな政府、経済や株主・資本家中心)、日本昭和型(社会主義的要素が強い三方よし、庶民中心)にどんどん分かれていくように思います。日韓はよりアメリカ型、欧州は政治家は北欧型を好むが庶民は日本昭和型を求めているように思えます。欧州は伝統があり、基本的に先進国ばかりであるため、フロンティア(開拓)精神の強いアメリカやそれに追随する日韓のようにはならないように思います。ちなみに、南米は日本昭和型を求める傾向が強く、アルゼンチンはデフォルト寸前なのでトランプ2世とも言われるミレイ大統領が誕生し、アメリカ型に舵を切った珍しい南米国です。大阪万博もBRICS加盟もリセットで撤回しています。それだけお金がなくて困っているとも言えるでしょう。日本でいえば、夕張市みたいな状況ですよね。ちなみに、トランプ大統領が中国に対し関税戦争を仕掛けたのは、単純に経営者として損だとの判断のみです。外交その他(世界秩序不安定)に対しての配慮が一切ないのは、やっぱりトランプ元大統領であり、その辺はイーロン・マスク氏と似ているなと思います。カルロス・ゴーン氏(やっちゃえ日産)や小泉純一郎元首相(壊しちゃえ労働者(庶民生活者)の安定)、安倍晋三元首相(とことん円安誘導)なんかも同じですね。一点だけみれば素晴らしく、後に明らかになる弊害(負の遺産)だけを見れば駄目な人間とも言う事が出来るし、何かと話題に出来るのでメディアにはもてはやされる傾向があります。地味にまじめに将来の事を考えて政治や外交(経営)する人は、メディアに評価されないけど、内部の人間からは往々にして評価が高いものです。
SWIFTに変わる国際決済を模索していますが、それに関しては出来ていません。同様にドルやユーロを脅かす存在に中国元はなっていません。しかしながら、BRICS穀物取引所に関しては現実味があります。世界生産における割合は、穀物と食肉、乳製品で約40%、海産物では50%を超えます。先進国においても水、木材やセメント、エネルギー、食糧等は絶対的に生きてくために必要であり、米国と違い日韓はさらに厳しい時代に突入すると考えて間違いないでしょう。
トランプ大統領復活が予想される中、ゼレンスキー大統領は即時停戦案に興味津々。プーチン大統領も「極めて真剣に受け止めている」と公式に発言しています。つまり、お互い停戦する気があると認めているようなものです(笑)もちろん、アメリカ次期大統領の発言に泥を塗っても損することはあれど、得する事はないというのもあるでしょうけどね。プーチントランプ会談は実現する可能性ありますが、ウクライナとロシアの間に入って一番顔を利かせられる国は、間違いなく中国です。恒久停戦が実現すれば、間違いなく経済復興支援にも米国に次いで巨額資金を援助すると思います。1年ほど前は、ウクライナ国民、ゼレンスキー大統領ともに、停戦させる事が出来るのは習近平ただ一人と認めていましたからね。ただ、最近は当事者間で話し合い解決するというスタンスに両国が変わってきており、仲介はしても手柄とかで利用しない意向を中国側も示すようになりました。ハンガリーのオルバン首相は、ウクライナ、ロシア、中国と立て続けに訪問し、全ての首脳と会談を持っています。EUは、議長国がそんな事をするなと批判の嵐です。ゼレンスキー大統領は、オルバン首相では(仲介和平)無理だと明確に述べており、事前にプーチン大統領との会談をウクライナやEU側に知らせていなかったようです。アメリカ大統領、中国国家主席、ロシア大統領と会談することは、政治家としての勲章とも言えます(一番大事なのは会談よりも結果、21世紀、電話でもオンライン会談でも結果を出せばそれでいいと思うが)。オルバン首相にプーチン大統領と習近平が連続で会ったのは、EU議長国(特使)として受け入れた可能性が高そうです(役職だけであり、実態は違う)。ただ、モディプーチン会談に関しては、モディ首相が訪れてあれだけの歓迎をお金ではなく自らの姿勢で示したのは、さすがプーチン大統領だと思いましたね。モディ首相は、「喜ばしい機会」と最大限の謝意を述べました。また、「ウクライナの子供達の犠牲(死)に心が痛む」とも公式発言として述べています。バイデン岸田会談は、ビーストに初めて乗せてもらった外国人という成果(ともに後部座席)。プーチン金正恩会談は、北朝鮮でロシアの高級車アウルスを自ら運転。ロシアでは自らゴルフカートを運転し助手席にモディ首相、後ろに通訳。権威主義の金正恩と庶民主義の自分並びにモディ首相という事なんでしょうね。インドと言えば、国民車タタですし。外務省なら誰でも知っていると思いますが、プーチン大統領を喜ばせるアイテムは、犬(コンパニオンドッグではなく大型犬)、柔道、釣り、乗馬(競技系ではない)であり、別荘(オルガリヒが用意したとナワリヌイが暴露)やクルーザー(押収されたが、使っているんかな)ではないと言われています。
https://www.afpbb.com/articles/-/3528032?cx_part=latest
100点満点の発言で驚きました。ウクライナ側の気持ちに寄り添いながらも、ロシア側の疑心暗鬼もあるだろうから、英米中仏(独)が和平交渉を支援するべきとの発言に思えます。そして、現在モディ首相がロシアを訪れ、プーチン大統領と会談しています。勿論、アメリカ政府は公式に批判しています。これが何を意味するのかと言えば、ロシアにとって兄弟がベルラーシなら、最大の理解国は中国、そして、次なる理解国がインドやブラジルです。忠誠なる子分がイラン、北朝鮮、シリア等です。経済的互恵関係がOPECプラスの国々(アラブ諸国)です。つまり、ガザ紛争とウクライナ戦争で欧米と戦っている最大のキーマンの本音を聞き、安心させ矛を収めるように政治工作(外交)を行っているとしか考えられません。むしろアメリカが公に批判してくれた方が、プーチン大統領は心を開いてくれやすいわけです。中国やインドは、アメリカ資本企業が進出してきても、ほとんど儲けがない加工組み立ての仕事しかくれない事を十分知っています。ウインウインではないけどゼロサムでもなく、ほんの少しのおこぼれしかくれないのに、あーだこーだと色々言う煙たい国だと本音では思っている事でしょう。しかも、スケールメリットがあり、中国同様、世界トップクラスのGDPに2050年ごろ到達します。宇宙や軍事技術は、アメリカ、ロシアという順番は変わらないでしょうから、絶対にそういう核心部分の提供を行ってくれない英米よりもロシアと仲良くなれば、ウインウインだという目論見もあるでしょう。現在は、原油の輸出入でウインウインですけどね。
中国は、インドとの国境紛争では両国で20名以上が亡くなり、フィリピンのスマイリー諸島問題では、フィリピン軍が指切断等ありましたが、武器ではなく使われたのは石や斧等だったそうです。つまり、戦闘行為ではなく末端の喧嘩だったという処理に出来る範囲でいがみ合いによる不測の事態が生じたと言えます。インドとの国境紛争では投石による・・という記事であり、驚いたのを覚えています。つまり、武器で自国兵士が殺傷されたら、自衛権行使を理由にして開戦が正当化されるという事なのです。だから、戦闘行為ではなくいがみあった事による不測の事態で喧嘩が生じただと軍幹部は罷免されず(責任取らず)に済むし、(最大レベルの)外交問題に発展することはないという事のようです。暴力団同士の抗争で末端同士が喧嘩したのと、組(組長)同士で抗争が起こるのとの違いみたいな感じですね。そう考えると、ゼレンスキー大統領は欧米に乗せられ過ぎて、ロシア側の危機感(防衛戦略)を甘く見過ぎていたのかもしれません。ゼレンスキー大統領は、ロシアと戦争するつもりはなく、欧米のミサイルを自国内に配置するつもりもなかったでしょうが、プーチン大統領の考え方は、ベルラーシに核配備を行ったように、NATO加盟後、ロシア国境にミサイル配備される可能性を消したかったからに思えます。緊迫すれば、核配備も行われるでしょうしね。人間なんて、自分が育った環境や価値観(資質)で思考が決まります。KGB出身かつNATOの東方拡大に神経を尖らせていた状況に加え、親露派のメルケルが去り、英米の嫌がらせが続き、コメディアン出身のゼレンスキーが、プーチンの堪忍袋にとどめを刺したと言えるのかもしれません。結局、一番振り回されたのはEUの雄ドイツであり、これはロシアと最も仲が悪いイギリスの報復にも思えますけどね。ブレグジットや度重なるイギリスへの亡命者の暗殺(暗殺未遂含む)等を見ても、イギリスはアメリカ側、ドイツはその中間に位置し、アメリカから見てドイツだけでなくEUをロシアと分断化させれば、ロシアの孤立化とドイツの弱点であるエネルギーで窮地に立たせることが出来ると現在の中国同様、ライバル国のロシアとドイツ(EU)を陥れるために、ウクライナを利用したと考えると、残念ながら全てのストーリーが繋がってしまいますね。アメリカは、中露同様、経済的支配、軍事支配が大好きな国ですから、中露といずれもっと大きな規模でぶつかるように思いますね。それが、30年後か50年後かは知りませんが。つまり、ドイツやフランスは、日本や韓国のような立場(アメリカに従属的)であるべきだと考えているわけです。
NATO側は、モディ・プーチン会談に対抗してワシントンで首脳会議を開き、来年度400億ユーロの支援並びにウクライナ加盟に向けて明確で力強い文言を共同宣言で盛り込む予定だそうです。分断化がさらに進むと言えそうです。バイデンの大統領選挙に向けた強いメッセージ並びにウクライナの悲願をニンジンにしてNATO側に都合のよい発言を期待しているものと思われます。現在のルールでは戦争状況下での加盟は出来ず、終戦後に速やかにNATO加盟を進めるだと理念だけであり、現実はロシア側はNATO加盟を許さないので戦争がさらに長引く事になるでしょう。短期決着させるためにNATOが参戦するかといえばそれもあり得ず、自分達を肯定するだけで余計に戦争を長引かせ、ウクライナの悲劇をいたずらに長引かせる方針にはうんざりします。今、ウクライナ側が求めているのは、即時撤退、即時停戦、経済復興であり、その次にNATO加盟が来ます。ウクライナ側が求めている即時無条件撤退、NATOが認める停戦後のNATO加盟。あくまで相手のある話であり、現実性に乏しいです。まるで異次元の少子化対策を見るように絵にかいた餅、各国税金(支援金)の無駄遣いに思えます。ここに民意と大きなずれがあり、与党大敗傾向の一因とされています。政治家なんだから、お金使わずに外交で問題解決してよ、その道のプロなんだからと思うのは自分だけでしょうか。最近は、アメリカの軍事産業を潤わせるためという揶揄も増えましたね。一部、指摘は事実の部分もありますけどね。NATOはロシアに対抗するため、EUはアメリカに対抗するため、AIIB(アジアインフラ投資銀行)はADB(アジア開発銀行)に対抗するために出来たわけですからすんなりと解決する問題ではないし、世界分断はより一層顕著になる事でしょう。それを指揮しているのはアメリカであり、日本やドイツ、韓国、台湾のように貿易で生きていく国にとってはデメリットの多い方向に導かれているように思います。様々な国と自由に貿易できる環境の方が、これらの国は国益に沿いますからね。これらの国は皆、中国との貿易関係減少に悩みますが、中国はロシア、東南アジア、中央アジア、アフリカとの貿易を増やす事で補うと見られています。米中が経済関係、米ロが軍事関係でいがみあうとこういう分断世界になりますね。アメリカは、自国こそが正義だと信じ切っていますが、イスラエル支援を見ていると、ロシアのやっている事よりさらに酷いのではないかと思え、自陣営だと何をしても構わないが、敵陣営だと徹底的に叩くんだなと嫌悪感を示す国が増えているのではと思えます。ハマスの奇襲はロシアにとって恵みの雨であり、ガザ侵攻はアメリカにとって頭痛の種と言えるでしょう。構図が真逆なだけであって、一方的な侵略や民間人・民間施設攻撃の戦争犯罪ですからね。民間人犠牲者の数、ウクライナ戦争よりガザ侵攻の方が多いわけですから。ロシアを恐れてNATO拡大同様、先進国を嫌ってBRICS拡大中です。今後もグローバルサウスの脱アメリカ、脱欧米化は避けられないように思います。
ウクライナNATO加盟と誤解させるタイトルが並んでいますが、現在のルールでは戦争中の国は加盟できません。つまり、ウクライナ戦争が終われば即時加盟して、ロシアが体制を整えて再び攻撃してきた場合に限り、同盟国を守るためにNATO参戦が可能になります。もし、そうなれば世界第三次大戦となり、イランやシリア対イスラエル、中国対台湾という風にアメリカ軍を分散させる事を利用した風になると予想します。キューバもアメリカ本土を攻撃するかもしれません。結局、バイデン政権は残り短いですし、同盟ではないですがBRICSが拡大中であり、その国々はロシアを否定も肯定もしないわけですから、アメリカにとっては非常に都合が悪いのです。だから、組合の決起集会のような事をアメリカ主導で行いましたが、何ら現状に変化はなく永遠というかプーチン大統領が在任期間中は、戦争がずっと続くだろうと見られています。一番大事な事は、ガザ紛争同様、何の罪もない一般人がたくさん亡くなり、まともな教育・医療・食料エネルギーが行き渡らない現実問題に思います。自分達のプライドや無意味な税金使用(援助)ではなく、世界のリーダーなら戦争を終わらせて、今までの武器支援から経済復興支援に。何よりも子供達の笑顔が戻り、外で普通に遊べるようにすべきです。「子供達の死に心が痛む」とモディ首相は述べましたが、くだらない演説より、そういう人間らしい本質を突いた一言で十分に思います。早く戦争が終わり、子供達に笑顔が戻る事を望むと言っているのと同じであり、それ以上の事を言っても理屈でしかなく、現実的な仲介役を出来ないわけですから、自分の思いはこうだから出来るだけ早くそうなる事を望むと伝えて去るのは為政者として賢明な判断です。
ドイツは、メルケル首相からショルツ首相に代わり、中国へのスタンスが変わりつつあります。ドイツはEUの一部であり、EUと同じ方向性なら中国EV高関税や中国製の通信インフラ(ファーウエィ、ZTE)の排除を決めました。大手のBYDは、ハンガリーやトルコに工場を建設し、実質影響をなくす方針ですが、中国で製造したEVは価格を上げるか利益率を減らすかの二択となります。テスラ以外は、価格を上げない方針だと言われていますね。この問題は、アメリカも同様であり、メキシコに工場を造り高関税を避ける狙いです。かつての日本車同様、輸出ではなく現地生産で外交問題を解消するという方針になりますね。ただ、EU内でも英米のように露骨に中国外し(いじめ)をするのはよくない声をあげる国もあり、ウクライナ戦争の対ロのような感じで纏まった形で中国との外交・経済関係を疎遠にさせるという動きでもないように見えます。また、業界によっても温度差は大きいようです。結局、日韓のように英米と中露の顔を伺いながら、上手に生きていく事を選択するEU加盟国も出てくるでしょう。ドイツ、フランス、イタリア、ポーランドは、1000キロを超える巡航ミサイル開発を発表しました。アメリカはエイタクムス、イギリスはストームシャドーをウクライナに提供していますが、ドイツはタウルスを提供していません。今回の発表もイギリスの共同開発も呼びかけていますが、同じNATO内でも温度差があるでしょう。ポーランドは、ロシアに対する嫌悪や警戒感が高い国として有名であり、それにG7の三ヵ国が加わっているという枠組みも面白いですね。ちなみに、日本はイタリア、イギリスと次期戦闘機の共同開発に着手しています。フランスのマクロン大統領は、NATOのアメリカ依存を避けるべきと常々言っており、英日韓と独仏では似て非なるものと言えるかもしれません。世界を見渡してもインドやブラジル、サウジアラビアのように全包囲網外交が出来る国は少ないです。かつては、独仏もその地位にありました。ロシアとある程度の関係にあり、欧米諸国とも上手に付き合える国をトルコやハンガリーも目指しているのかもしれませんね。中国は、もう現時点で欧米との関係性に亀裂入ってますからね。
結局、ハンガリーのオルバン首相は、この1週間でウクライナ、ロシア、中国の首脳並びにトランプ元大統領と会談しています。そして、バイデン大統領とゼレンスキー大統領からは批判、一部EU加盟国からも批判されています。議長国ですが、当然EUを代表して会ったわけではないでしょう。バイデン大統領は、NATOで対ロシアに対する強硬手段並びに強固なウクライナ支援を打ち出し、中国に関する経済安保の徹底を強いるようになっています。後者に関しては、当然利害関係が多く一枚岩ではありません。おそらくトランプ大統領が誕生した際への対抗、ちゃぶ台をひっくり返す事への警戒とも言えます。実際、TPP、イラン核合意等は、今までの合意を破棄していますからね。NATO脱退はブラフでしょうが、もっと加盟国に負担を求める主張は、必ず圧力を掛けてくると思いますね。同様にウクライナへの支援額を米国は減らすと予想します。どこまでトランプ元大統領が本音で話すか。その内容を誰にどこまで教えるか。プーチン大統領とはある程度の間柄、アメリカとの経済関係(関税合戦)は諦めているものの、EUとは近すぎず遠すぎずを望んでいる習金平、そして自身に否定的なゼレンスキー大統領。勿論、ショルツ首相やマクロン大統領と話す機会もあるでしょう。エルドアン大統領は、黒海穀物輸送では一定の貢献を果たしましたが、和平協議では現在のところ空回りです。なかなか難しいのは言うまでもなく、メッセンジャーとして機能する可能性はありますが、やはり、中国が描くように英米中仏(独)が証人みたいな形で当事者間で話し、合意するという形になる可能性が高いように思えます。バイデン大統領のやり方であれば、戦争は半永久的に続くかウクライナが自力で全て取り戻すかしか可能性はないわけですから、ゼレンスキー大統領やウクライナ国民が妥協して復興を選ぶようになるようにトランプ元大統領は仕向ける可能性が高く、同時に現在の4州ではなく2州で妥協するようにロシア側に中国やインドが促すのではと正直思います。ただ、停戦後すぐにNATO加盟が現実的になりましから、その条件をロシア側が飲むとは正直思えず、バイデン大統領やNATOは戦争を続けたいのではないかと正直思います。結局、米ロは体力があるため、疲弊するのはウクライナであり、その証拠にEU内から兵士を集める形を取るようですし、かなり年配の兵士も多いと言われています。アナリストは、体力勝負ならロシア有利と見る意見が多勢派です。ロシアの本音は、膠着状態でも構わないみたいな感じに思えます。
結局、ウクライナ戦争においてBRICS側は中立かロシア側の国ばかりです。ラブロフ外相が、EU加盟国を訪問する事も決まり、これもウクライナ戦争後初の出来事です。ロシア領土内の攻撃が許されていてもじり貧のウクライナ。勿論、犠牲者数や損耗兵器率等違いますが、絶対的な規模で追いやられている格好です。ウクライナ側は、人口も4000万人から3000万人に減り、しかもGDPも激減しています。NATOが派兵するしか希望はなく、戦争を続ければ経済復興出来ないという問題も生じます。EU内でスロバキア首相、ハンガリー首相のような親露派がいるように、英を除く欧州の本音や方向性はウクライナ問題や中東問題は、双方が妥協して解決を模索する形を支持するように思えます。
ロシアは国際社会から孤立していません。G7から孤立しているだけです。EU内でもハンガリー、チェコ、スロバキア等はロシアと良好な関係を保っています。旧東欧のポーランドは違いますけどね。ロシア(プーチン大統領)は、ウクライナのNATO加盟は認めませんが、EU加盟に関してはどうぞお好きにというスタンスです。そのEUは、独と英が主導権争いをして独が実質的リーダーとなり、英国民はブレグジットを選択する結果になったと見られています。要は、フランスがドイツに付いたという事でしょう。日本における東京とEUにおけるドイツの関係性は似ており、神奈川、埼玉、千葉が、フランス、イタリア、スペインみたいな感じに思えます。メルケルが、回想録「自由記憶1954-2021」を出版しました。その中でプーチンと会談した際に、彼は私が大嫌いな犬を招き嫌がるのを大喜びしていた(犬を使ったり他人を待たせたりして相手を罰しようと常に構えている人物)と記載しています。メルケルはロシア語が堪能であり、父親は政治との距離も近いエリート共産党員であり、自身も東ドイツで育ち理系脳かつ凄くロジカル(論理的思考)と言われています。トランプは損得で考える不動産社長、カジノ社長であり、得意技は吹っ掛ける、相手の弱点を掴んだらそれをネタに揺する等です。プーチンの場合、凄く慎重な性格であり、冷静沈着、自然や犬が大好きな反面、忠実な部下には物凄く優しいが裏切った者は絶対に許さないという冷酷な一面もあります。元KGB職員ですからね。後、柔道(礼儀作法)と出会わなかったらギャング(チンピラ)とか愚連隊になっていただろうと自身が言うぐらいですしね。実は、メルケルとプーチンは仲がよく、だからこそ面白おかしくそう(悪役:ヒール役)記載しているまでの事です。メルケルはプーチンを信頼していたからこそ、豊富で安いロシア産天然ガスに頼る事を決めました。そして、英米の意図でウクライナ戦争がはじまったり、ノルドストリーム破壊工作により全て無駄になりました。これも壮大な計画の一部です。ロシアだけでなく、EUの雄ドイツも弱体化させたかったのです。ウクライナ戦争が始まるまでのEUとロシアの関係性は、近からず遠からず。いわば日中や韓中のような経済的互恵関係でした。それは、ロシアもドイツもウインウインの関係と言い換えられます。ロシアは、英米とそのような関係性ではなく、ウクライナ(ゼレンスキー)がいいように利用されてこのような英米の思い描いた通りのシナリオになりました。ただ一方、アラブにおいては英米の影響力は低下し、中露の影響力が増しています。ウクライナに該当するのが、イランイスラエルであり、彼らがトラブルを起こせば必然的にアラブ諸国の不満は溜まります。そして、ガザの住民がジェノサイドになると欧米のWスタンダードにグローバルサウスは強い怒りを覚えて当然です。悪の枢軸と言われたシリア、北朝鮮、イラン、キューバの親分がロシアであり、ロシアと中国やインドは密接な関係を築いています。そして、アラブもロシア寄りです。現在の対中国政策を見ても、対立を望むアメリカに対し、融和を望む欧州といった感じであり、陣営は違えども対立を避けたいという点で違いが顕著です。当時のメルケルはデリスク(最低限の安保のみ切り離し)ではなく、重要なエネルギーもロシアに頼ろうとしていました。
・エネルギー
・食料
・半導体
・レアメタル・レアアース・重要鉱物
これらは、同盟国もしくは友好国で揃えたい品目です(勿論自国が理想)。経済的互恵関係だと、いつ何時争いが起きて入手不可能になるかもしれないからです。ちなみに、日本は今まで通りロシアから天然ガスを買っており、一応非友好国には指定されていますが、米露と上手に交渉して商社や特別会社の損失はなく、エネルギー需要を満たせています。それゆえ、欧州のようにロシアを盛大に批判してロシア外から石炭や天然ガスを入手して賄う方法を取りませんでした。逆に、インドや中国は、安価なロシア産原油を更に大量に購入し得をしました。ハイブリッド戦争時代、メルケルがこうやって自伝に書くのも(出版するのも)プーチン大統領が疑心暗鬼や孤独から解放され、正常な判断に戻ったと考えているからに思えます。メルケルは、ロシアがウクライナに侵攻するとは1ミリも考えていなかったはずであり、そういう部分においては完全にプーチン(ロシア)の分析を誤っていたと思えます。オルバン首相やエルドアン大統領同様、西側に属しながらもプーチン大統領のよき理解者だったとは思いますね。
https://www.afpbb.com/articles/-/3551384?cx_part=latest
トランプ次期大統領は、BRICSが共同通貨創設もしくはドル離れを起こせば、関税率100%掛けると発言しました。脅威だから脅しを掛けている訳であり、元やルーブルでの決済が増しており、ドル、ユーロに並ぶ通貨が誕生するかもしれません。その場合、EURO制度参考にするでしょうがペッグ制を採っている中国が参加するかどうか注目に値しますね。
2050年には、インドと中国のGDPがアメリカとEUのGDPに匹敵する見込みです。つまり、G7とBRICSは、経済的に完全に肩を並べる存在になります。しかも、BRICSは加盟国が増え続けています。現在、ロシアとG7、中国とアメリカはデカップリング状態ですが、再び東西冷戦になっても困らないネットワークが築かれつつあります。アメリカはファーウェイや5G通信網欧州進出をことごとく邪魔しましたが、今度は半導体の露光装置や半導体チップを本格化させました。ただし、これも諸刃の剣であり、国産化に成功すれば逆に中国側を利する事に繋がります。歩留まりは悪いものの5ナノの国産化に成功しており、露光装置の国産化に成功すれば、ASMLやニコン等は本音ではアメリカに恨みを抱く事になるでしょう。米中競争の本丸は、AIと量子コンピューターです。半導体は、意味がないように思えます。特に汎用品ではない最先端半導体はガジェットのみに必要であり、そこまで戦略的に重要ではありません。兵器にも使われませんしね。量子コンピューターは、戦争(軍事)で色々利用されるのは目に見えており、暗号解読や作戦計画等、臨機応変な現場対応に凄く役に立つのは間違いありません。同様にAIも戦争アシスタントになります。現在は、ドローンを人で操縦していますが、無線通信や認知機能を付けて自動かつそれを監視するAIといったSF世界になります。GAFAに対してBATHがあるように、テスラに対してBYDがあります。AIに関しては中国企業が自主で育て上げる事でしょう。むしろ日本や欧州は、巨大ITだけでなく、電気自動車、AI等で全くスタートアップで成功した企業(ユニコーン企業)が生まれない事が問題です。新陳代謝や時代の移り変わりに政官学が対応できていない証拠です。繊維、造船、家電産業のように自動車産業も世界シェアを多少減らすでしょう。それは日本に限らず必然であり、最先端のAIや量子コンピューター等のほとんどの国が真似できない事をするべきなのです。エヌビディア、TSMC、CATL、ASML等は、利益率も高く完全にシェアを握っています。ある意味、ソニーの画像センサーみたいなものです。アップルのガジェットの電子パーツの半分が日本製だったのは有名な話ですが、任天堂やソニーのように本体の方が日本メーカーにならないと利益率が低いです。ドイツと日本は、対中国のスタンス的に政治も経済界も難しい対応を迫られます。市場として熟成し魅力的になる一方、完全な資本主義(自由競争)とは言えない政治リスクも存在し、そのうえアメリカの意向で両国政界のスタンスも変わるリスクも孕みます。経済的互恵関係はあくまで軍事対立や冷戦構造がない前提であって、最終的にはロシアの味方である中国とアメリカと同盟関係にある独日韓は袂を分かつ可能性もあります。アセアンも似たような立場ですが、彼らは究極の二択だと中国を選ぶようであり、華僑、イスラム教、内政不干渉の中国側に親和性を感じるのも面白いものです。ドイツや日本、韓国は、ただアメリカに追随するのではなく、ある程度米中の間に入った方が国益に沿います。中国側もデリスクは仕方ないにしてもデカップリングするなら報復して当然でしょう。これは、ロシアとNATOの言い分、結局東方拡大問題と同じ構図です。時間を掛けてじわりじわり圧力を掛けてもロシア同様、中国が屈するとは思えません。ただ、忘れてならないのは世界第三次大戦を絶対に起こさない事や立場の違いはあれどお互いに寄り添う姿勢を見せる事です。地球温暖化対策なんて、アメリカより中国の方が真摯な対応に思えます。それ(トランプ)を咎められる国がいないのなら、G7首脳会議なんて止めてアメリカからの通達(事務連絡)だけでいいではありませんか。誰も逆らえないなら、会議ではなく命令や顔合わせに過ぎません。メルケルは、トランプに説教したと言われています。EUの雄ドイツのショルツ首相に求められている事は、米中対立の軟化調整やロシアとの外交正常化ではないでしょうか。唯一の超大国アメリカ、それに一番近い距離感のイギリスに対し、中露が一体化して立ち向かえば世界は分断化し、共同富裕ではなく富める者は富み、貧しい者はより貧しくになってしまいます。地球は人類だけのものではありません。同様に国際社会もG20だけのためでもありません。国連見ても機能していないし、常任理事国の米英仏と中露が対立してお互いが拒否権発動していますから、どこかで矛を納めて世界各地の紛争が納まる事を期待します。ウクライナはイスラエルを支持しますが、やっている事はロシアと変わりません。陣営が違うだけです。イスラエルを庇うアメリカ、イランを庇うロシア。この構造も全く同じです。陣営のパワーゲームがエスカレーションすると、必ず世界第三次大戦に繋がります。中露を全否定するのも駄目だし、同様にアメリカを全肯定するのも駄目であり、非常に危険な自己正当化ナショナリズムが台頭しているように感じます。その点、中国や習近平はマイルドで平和的に思えます。プーチンやトランプなんて独善的な部分があり、最終的には危険な人物です。その二人が直接交渉はしませんが、おそらくトランプが就任後、(和平停戦案)イエスかノーかを迫ると言われており、現在アメリカとウクライナが考えている提案にノーを返すとみられています。NATO非加盟は評価しても、4州では現状分割、しかも衝撃地には国連軍もしくは米軍駐留となれば、戦況が有利なロシアは受け入れないでしょう。そこからのトランプの対応が見どころですね。ウクライナ側を干すのか?それともNATO脱退で脅すのか?逆にウクライナ側に米軍派兵するのか?ロシア側は、西側との戦争という認識が強くなっており、その西側でも温度差が広がりつつあるように思えます。3年も支援し続ければ、当然でしょう。アメリカは、中国は仕方ないにしてもインドの原油輸入も阻止できないぐらいですからね。結局、欧米だけが経済制裁や禁輸措置しても日本をはじめロシアに資源を頼り続けている国は多いですからね。アメリカは、BRICSが拡大を続けている現状をどう思っているのでしょうか。アルゼンチンは加盟承認後辞退、サウジアラビアは加盟承認後保留ですが、アラブや東南アジアの国々は加盟希望が多いです。
インドネシアが、正式に加わりました。タイやマレーシア、キューバも加盟希望であり、アセアンが究極の二択、日米か中印の選択を迫られたら中印を選択するという事でしょう。これは経済的問題だけでなく、地政学的問題も含みます。一方、豪・新西蘭・日本同様、アセアンで唯一極めて親米国のフィリピンは、色々難しい局面を迎えると予想します。米中対立がない時代なら、日本やフィリピンも米中、アセアンとの交易(経済関係)もそう難しくはありませんでしたけどね。アメリカが、中国を格下ではなく挑戦者とみなしており、何かにつけて経済安保を持ち出す(発動する)時代ですから、G7の足並みも乱れるし、グローバルサウス一丸を代表する出来事としてのBRICS拡大に思えます。アラブもイスラエルの一件でアメリカに対する敵対意識が増しているのが本音(実情)でしょうからね。
今年議長国であるブラジルのルラ大統領は、BRICSは反欧米ではないと(議長国としてではなく個人として)コメントを発表しました。グローバルサウスをまとめる初めての組織と説明していますが、すなわちG7や先進国との対立軸であるのは国々を見ても解かります。議題に上がるようになった共通通貨構想についてもルラ大統領の見解は否定的です。ロシア、中国、イランに加え、エジプトやエチオピア、南アフリカも似たような感覚(仲間)でしょう。ブラジル同様、西側とも東側とも仲良くやっている国は、インド、UAE、インドネシアと言えます。AFRICHINAという俗語が出来たように旧統治国のヨーロッパより、中国が様々な面で影響を持つアフリカに加えて、アラブでは中露の影響力が増しており、同様に東南アジアでも中国の影響力が増しています。その逆に韓国や日本はやや脱中国の流れが見られ、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等は、貿易面(経済面)は抜きにして同盟関係という意味でアメリカに追随する方針になってしまいます。地政学的に見ても中国から東南アジアとアラブを介しアフリカ大陸という陣営と環大西洋の国々という構図であり、南アメリカ大陸やオセアニアは、比較的どの国ともよい関係性を保っているのではないでしょうか。かつての日本もそうであり、現在も比較的世界各国と良好な関係にあると思いますが、米と中露の対立が激しくなると、どうしても影響されてしまいます。この辺が、インドやブラジルと違うところに思います。だから、ルラ大統領のコメントは、個人としては正しい見解ですが、BRICSの総意かと言えばそうではないように思えます。けれども上海協力機構(SCO)ほどは色が濃くないです。G7とBRICSを足せば、ほぼG20です。サウジアラビア、アルゼンチン、オーストラリア、メキシコ、韓国、トルコは、どちらにも属していない第三極と言えるかもしれません。アルゼンチンは加入希望後に離脱、サウジアラビアは保留状態であり、インドやブラジルクラスでないとG7側からの圧力に屈するのかもしれませんね。
https://www.afpbb.com/articles/-/3575420?cx_part=latest
https://jp.reuters.com/world/us/X3ZGCQJ55ROURPTH4UO6ZMXBRQ-2025-04-28/
https://japanese.joins.com/JArticle/333115
媒体によって報道内容が違いますね。いずれにしても、イランはロシアをバックに欧州からアメリカという流れで中東戦争を回避したいと思い、逆にウクライナは欧州を味方に付けて、アメリカも味方に付けてロシアを孤立化させる戦略でしょう。イランが、中国に核協議報告をした事を全世界に公開した意味、そして、トランプだけでなくベッセントまでもが中国側に関税戦争止めようとメッセージを送る意味、これこそが全てな訳です。そして、トランプはオバマ&バイデンのせいでウクライナ戦争が生じたと言いますが、オバマ&バイデンだけでなく欧州も核6カ国合意離脱についてトランプに根を持っていると言われています。それは、中東バランス(アメリカのイスラエル支援)やNATO東方拡大を刺激するものだったと考えるのが自然です。要は、悪い負の連鎖反応です。
ロシアとイランは同盟関係。そして、中国と北朝鮮も同盟関係。けれども、ロシアと北朝鮮は同盟関係ではなくアメリカと台湾のような関係性です。ロシアは、北朝鮮派兵を公式に認め感謝しています。そして、台湾のTSMCはアメリカに工場建設し大赤字を出し、1000億ドルの追加投資を行う事が決まっています。BRICSの価値観はG7の価値観と違いますが、戦争したくないけど戦争になっているのはどっちが悪いからと本音では思っていると思います。
https://jp.reuters.com/world/ukraine/VZM4ABGJ6BO3VFMDE4GP44RBFM-2025-07-15/
面白い話題が出てきたので紹介します。ベッセントの中国包囲網を思い出します。日本、韓国、オーストラリア等はアメリカが果たした高関税の様に軍事同盟だけでなく、経済(関税)同盟にも一蓮托生で加盟し行動するべきだと発言していました。30%に相互関税率下げたので忘れられた発言になりましたが、本音はそうなんだろうなとよく解かりました。ちなみに、イエレン同様財務長官からFRB次期議長の噂も出てきましたね。滅茶苦茶頭いいのは誰しもが認めている所です。植田日銀総裁も同様だし、パウエルFRB議長もトランプ圧力(口撃)に全く動じず、講演会で政治家顔負けの視野や博学を披露して拍手喝采の人物ですからね。まあ、それ位凄い人物が現代の先進国中央銀行総裁には必要であり、中立性機関ですが、政治的圧力に屈したり、政権と癒着に近い蜜月ではその国にとって中長期的に不利益になると考えてよいでしょう。さて、NATOルッテ事務総長(元オランダ首相)が、ロシアが50日以内に停戦しない場合、ロシアから資源を輸入する国に二次制裁を科す可能性があると表明しました。トランプは、ロシア追加関税100%と発言した翌日の出来事です。歩調を完全に合わせています。問題は、米露で貿易はなく意味をなさない点です。だから、今度は中印というロシアの収益源を断ち切ろうとしていますが、まずNATOではなくEUがそれに同意するかどうか疑問です。中国(王毅外相)は、正式にEU側にロシアが負ける事を望まないと伝えています。ルッテはオランダ色なのですが、独仏がそれに追随するとは正直思えません。後、スロバキア、チェコ、ハンガリー等も絶対に追随しません。NATOはトランプ離脱やウクライナ支援削減が怖いため、事務総長の立場としてトランプの機嫌取りでこのような発言を行う事は非常に有益ですが、それはそれでグローバルサウスから反感を買い、結果的に東西分裂や冷戦化(ブロック経済)の流れを加速させる事に繋がります。それは、トランプ共和党にとってはメリットがあります。しかし、ブレグジットを後悔しているものの最大のアメリカの友達イギリス、EUの中心である独仏は、自由貿易推進派であり、中国孤立化政策に共感を示しておらず、ウクライナ戦争に関してのみNATO標準的見解と一致しています。トランプは、ウクライナの領地割譲を現実的に認めてでも停戦すべきだという立場ですが、欧州は基本的にウクライナに寄り添うスタンスです。ウクライナは西側、ロシアは東側。そのお仲間国もウクライナの西側、ロシアの東側であり、偶然にしては現在の世界構図をよく表した事例に思えます。ロシアからの天然ガスを断ち切ることにEUは積極的ですが、小国ではロシアの安いエネルギーを手放すのはかなりきつい事でしょうね。ある意味、北欧やイギリス等ではBEV普及が進む同様、持たざる者は余裕がないですから理念どころではないですよね。
https://www.recordchina.co.jp/b958142-s25-c30-d0190.html
https://jp.reuters.com/world/us/R3BWPTV355KIXBL66I6BZOJPF4-2025-08-07/
ロシアは、ほとんどアメリカとの貿易ありませんからトランプ本人が言うように関税(脅し)意味ありません。中国も対抗姿勢を崩していません。インドは、アメリカからロシア産原油の輸入をやめろと言われていますが、凄く安い値段でお買い得なので無視です。ブラジルも内需がメインであり、しかもアメリカとの貿易額が少なく中国やメルコスル重視なので、関税率50%全然気にしていません。インド25%南アフリカ30%より高くてもノープロブレムです。BRICS、特に中印は人口が多い事によるGDPが巨大であるため、アメリカの圧力を皆無に近い形にしてしまいます。双方に悪影響があり、アメリカの一方的要求を飲む方が国益にならないと考えているのは間違いないでしょう。このトランプ関税騒動でBRICSの結束力やグローバルサウスからの加入希望人気が高まりました。
https://jp.reuters.com/world/china/6KG6YHLYONOSJA4Q4ZXYXMTST4-2025-08-12/
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/BWUABFQTTJLXTLQA6YEAO7MPCA-2025-08-12/
中国の世界的経済影響力は非常に強いですからね、特に、先進国を除く国にとっては。