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第7話 ボス戦

 初戦闘から2時間ほど経った。僕達は時折現れるスライムを倒しながら道中で見つけた階段を降りて3層目に突入する。このダンジョンは3層構造となっていて、ダンジョンの難易度が高くなればなるほど層数は増えていき、上層、中層、下層と分かれるほど層数は増えるそうだ。因みに2人が入ったダンジョンで1番長かったのはB級ダンジョンで35層もあったらしい。


「せいっ!」


 ザシュッ!


「ふう•••これで20体目かな?」

「春兄凄い!初日でこんなに動いてモンスターを倒すなんて普通は出来ないよ!」


 :もう20体も倒したのか

 :お兄さんつえええ

 :やっぱ2人の兄ともあって動きがいいな

 :いくらスライムとはいえ初日でこんなに倒せる人見たことない

 :20体討伐おめ!もう直ぐボスだから頑張れ!¥2000


「スパチャありがとうございます!もう直ぐでボスなんだ。ここのボスはどんなモンスターなの?」

「ここのボスはゴブリン5体ですね」

「ゴブリン!ゴブリンって緑色で棍棒とか持ってるモンスター?」

「その通りです兄さん。ゴブリンは人型のモンスターでよく初心者がゴブリンを倒せるか倒せないかで一人前かそうじゃないか言われるんです」

「ゴブリンは人型だからね。忌避感を持ったりするんだよ」

「あ〜なるほど」


 そんな会話をしながら歩くとやがて縦に5メートルはあるくらい大きな扉に遭遇する。


「これがボス部屋?」

「そうだよ。ここの扉に触れると自動的に扉が開いて、中に入るとボスモンスターが現れるんだよ」

「中にはゴブリン5体が配置されます。兄さんは初めて戦うゴブリンなのでどうしますか?」

「そうだね•••ゴブリンがどれくらい強いかわからないから一対一(サシ)でやりたいな」

「オッケー!なら私と千秋で2体ずつ倒すね!」

「2人共ありがとな」


 僕達は3人で扉に触る。扉が開いたので中に入ってみる。中はまあまあ広い。僕達が完全にボス部屋の中に入ると扉が閉められて前方にゴブリンが5体出現した。


「「「「「グギャギャ!!」」」」」


「春兄はそこで待ってて!私達で4体先に倒してくる!」

「わかった!頼む!」


 そう言うと千夏はいつの間にか取り出した剣を持ち、僕の目でギリギリ追えるくらいのスピードでゴブリンの群れに突っ込んでいった。ゴブリン達は突然突っ込んできた千夏に驚いたのか慌てて棍棒を振ろうとするが、それが振るわれる前に千夏が剣を振りかぶり、2体まとめて斬った。斬られた2体のゴブリンはそのまま消滅した。


 僕はこんなにも直ぐに2体も倒している千夏にびっくりしていると


「兄さんの前だから張り切ってますね千夏は。私も負けていられません」


 そう横から聞こえたかと思うと


「ファイヤーボール!」


 千秋からバスケットボールぐらいの大きさの炎が2つ、ゴブリンに向かう。


「「グギャッ!?」」


 2つの炎がゴブリンに当たるとゴブリンを炎が覆い、ゴブリンは幾ばくかか断末魔の様なものを上げてそのまま消滅していった。


「さて、4体倒したので後はあのゴブリンだけです。兄さん頑張ってください!」

「お、おう」


(え、魔法って初めて見たけどあんな威力強いの!?千秋だけは絶対怒られない様にしよ•••)


 僕は心にそう決めながら残った最後のゴブリンの前に行く。


「グギャギャ!」


 ゴブリンは叫ぶと僕の方に走りながら棍棒を振りかぶってきた。僕はそれを避けながら剣を振るう。


「フッ!」

「グギャッ!?」


 僕が払った剣が棍棒を持っている方の腕を切り落とす。


「うおおおおお!!」


 そしてそのままもう一度剣を振り、ゴブリンの首を切る


「はぁ、はぁ」

「おおおー!!凄いよ春兄!」

「初めてのゴブリン討伐お疲れ様です」


 :おおおおーー!!

 :お兄さんつえええええ!

 :㊗︎ゴブリン討伐おめでとう!!¥5000

 :お兄さんほんとに初心者か?初日でこんなに強いのは聞いてないw

 :なんか剣を振る時だけ()()がするんだよな•••

 :わかるそれ。なんでだ?

 :素質があるってことじゃね?

 :つまりお兄さんはこれから2人レベルの化け物になると

 :これは最速Bランク更新するかもな


「2人共、そしてリスナーの皆さんありがとうございます」


 僕は息を整えながらお礼を言う。正直ゴブリンを斬るのには同じ人型だからか少し忌避感があった。でも2人が躊躇なく斬ったり魔法で燃やしているところを見てから僕は忌避感を感じなくなってゴブリンを倒すことができた。本当に2人様々だな。


 僕は目で追いつけないくらい早く動くコメントを見てると前方に魔法陣のような物が出てきた。


「千秋、あれって何?」

「あれは帰還ポータルと言ってあの魔法陣の上に乗るとダンジョンの入り口まで転移するんです」

「えっ転移魔法陣!?凄いなぁ」

「春兄〜!早く帰って魔石を換金しよ〜!!」

「わかったわかった。じゃあ千秋行こっか」


 僕達3人が魔法陣の中に入ると魔法陣が青く発光して僕は思わず目を瞑った。次に目を開けると僕達がダンジョンに入る前の所に居た。


「これが転移か〜すっげぇぇ」

「春兄の口調が変わってる!」

「よっぽどびっくりしてますね」

「いや〜だって転移だよ?そんなの凄いじゃん」

「まあ最初は同じ気持ちだったよ!あ、そろそろ配信の方も終わらせないと」

「確かにダンジョン探索は終わったしね」

「うん!それじゃあリスナーの皆〜!今日は久々のダンジョン探索の配信だったけど見てくれてありがと〜!!近接戦闘が得意の千夏と」

「兄さんの強さを目に焼き付けましたか?兄さんならきっと最速で私達のランクであるBランクになるでしょう。なにせ私達の兄ですからね遠距離攻撃が得意な千秋と」

「え、最後が僕?期待が重いなぁ•••僕も最速でなれるように頑張ります!今日初めてのダンジョンで年甲斐なくはしゃいだ春人でした!」

「「「配信を見てくれてありがとうございました!」」」

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