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第3話 配信

 家に帰った後2人に連れられ、とある祭壇の前まで連れられた。その祭壇には母さんと父さんの写真と家族全員で撮った写真、そして、髪飾りと指輪が置いていた。


「お父さん、お母さんただいま。前から話してた通り春兄が帰ってきたよ」


 そう千夏は語り掛ける。


「ただいま。母さん。父さん」


 そう言いながら僕も語り掛ける。もう2人は居ない。多分、モンスターに食べられた。でも、千夏と千秋が見つけてくれた髪飾りと指輪の存在が2人が居たと、確かにこの世界に存在したと主張している。


 僕は両親が大好きだった。いつもご飯を作ってくれて、笑顔で送り出してくれた母さん。


 ちょっとお茶目でだらしなくて、でもいざという時は1番頼りになる父さん。


 そんな2人はもう居ない。僕達を守る為に、助ける為にモンスターに突っ込んでいった。


 僕は命をかけて助けてくれた2人にどう声を出せばいいだろう。


 •••いや、きっとこの言葉だろう。


「母さん父さん、僕達を助けてくれてありがとう。それとずっと会えなくてごめん。僕が寝てる間に千夏も千秋も強くなった。今は僕の方が弱いかもしれない。でもいつか2人を追い抜いて、2人より強くなって2人がした様に、僕が家族を守るよ」


 僕はそう言って2人の方を見る。


「2人共改めて僕の為に毎日ダンジョンに入って危ない橋を渡って、ポーションを取るために頑張ってく」てありがとう」 

「兄妹なんだから助け合うのは当然だよ!」

「そうですよ。私達は兄さんに沢山助けてもらいました。だから今度は私達が助ける番だったんです」

「それでもありがとう。僕の中で2人を労う為に何かしてやることがないか考えて、料理を振る舞おうと思ったんだけどいいかな?」

「ほんと!?春兄の料理大好き!」

「5年ぶりに兄さんの料理を食べれるのは楽しみです」

「ふふ。2人共ありがとう。じゃあ作ろうか」


 •••あの時とは違う。僕がもっと強くなって、2人を守れるくらいに強くなって、2人を絶対に守る。•••たとえ()()()()()()()()()()2人を、家族を守り抜く


 僕はそう心に誓いながら僕は台所に行き、料理に取り掛かる。



「ふう。こらくらいあれば足りるかな」


 2人は探索者になってから沢山食べる様になったらしいから沢山作ったのだが少し多かったか?


「うわぁ!こんなに沢山作ってくれたの!?」

「すごい種類が豊富ですね。さすが兄さん。」


 2人は目を輝かせながら席に着く


「じゃあ僕の退院祝いと二人が5年間頑張ってくれた労いとして•••乾杯!」

「「乾杯!!」」

「ん〜美味しい!!」

「やっぱり兄さんの手料理は美味しいですね」


 2人は食べながら僕の料理を賞賛した。


(2人共食べるスピードが速い!?こんなに作ったのに全部無くなりそうだな)


 2人は沢山食べると言っていたがここまでとは。もしかしたら追加も用意しないといけないかもしれない。



 あれから1時間後。結局新しく料理を三品ほど作ったがほとんど2人が平らげた。あんなに笑顔でおかわりを頼んでくるもんだから作った僕としても嬉しい反面、こんなに食べることに驚いた


「「ごちそうさまでした!」」

「いやぁ美味しかった!」

「そうですね。とても美味しかったです」

「2人の口に合って良かったよ。それにしてもだいぶ食べたな•••」

「うっ•••だ、だって美味しかったもん」

「兄さんの料理が美味しくて、つい食べすぎちゃいました」

「まぁならいいんだけどさ」

「あ、そうそう、帰りの途中で配信のこと言ってたけどこの後配信してもいい?」

「ん?配信か?確かに言ってたな」

「私達も1ヶ月配信してないので私達の生存報告と兄さんが復活したことを報告したいです」

「僕のことを配信で言ってたんだろ?なら直ぐやっとかないと」


 そう言うと2人は2階に上がり、ドローンの様なものを持ってきた。 


「それで配信するの?」

「はい。これはダンジョンの中でも使っている配信用ドローンです。とても頑丈に作られていてダンジョンに持って行っても中々壊れません」

「じゃあ早速配信しようよ〜」

「え!?ちょっと待ってまだ心の準「ポチッ」備•••あ」

「皆久しぶり〜!ツインズチャンネルの千夏だよ〜!」

「お久しぶりです皆さん。同じくツインズチャンネルの千秋です」


 こうして僕の心の準備が終わる前に配信が始まった。

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