表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/52

第20話 5月3日 いつから? ——side 園田陽菜美(ヒナ)、幼馴染み視点

注意:後書きに挿絵があります。

 タツヤと優理が、youtuberについて調べている頃……。

 ヒナ——園田陽菜美、タツヤの幼馴染みは一人家に帰ってきた。



 ★★★★★



「ただいまー」


 返事はない。お父さんもお母さんも出かけているみたいだ。

 今日はゴールデンウィークの初日。

 私はタツヤの妹、千照ちゃんと一緒に遊んでいた。


 まさか、ショッピングモールでタツヤに会うとは思わなかった。

 さらにびっくりしたのは、タツヤの隣に高橋さんという女の子がいたこと。とても綺麗な子だと思った。それに、千照ちゃんと楽しそうに話しているのを見て、いい子なんだろうなって感じた。


 タツヤとも話したのだけど、私が知っているタツヤと少し雰囲気が違っていた。

 前より落ち着いていて、何かを悟ったような目をしていた。そんな違いをなんとなく感じたのだ。


 そのあとは、千照ちゃんと違うところに行って遊んで帰ってきた。


「……シャワー浴びようかな」


 お風呂にはまだ早い。だけど、汗を流したくなった。

 なんとなく、だけど……。


 私はシャワーを浴びたあと、キャミソールにショーツだけの姿でベッドに横になった。

 無駄に大きくなった胸にブラをつけるのが面倒くさい。


 スマホに映るタツヤとのツーショットを見ながら、ぶつぶつ言う。


「うーん。私はタツヤのことをどう思っていたのかな?」


 昨日まではなにも感じなかったのに……今は身体(からだ)の中心が熱いのはどうしてだろう?

 もう一度スマホに映っているタツヤの写真に目をやる。

 とくん……とくんと心臓が高鳴る。


 無意識のうちに私の左手のひらが、胸に触れた。


 乳房に触れているという感覚だけで、それ以外は何も感じない。

 でも、もしこの手のひらが、タツヤのものだったら?

 そう考えた瞬間、


「あっ……」

 

 腰がビクッと震え、声が出た。

 キャミの上から胸の先っぽを指で転がすと、ピリッと電流が走ったような感覚がして、思わず仰け反った。


「んんっ……ふっ……」


 勝手に変な声が出る。

 いつだったか、千照ちゃんが私の胸を触って、感じる? って聞いてきた。


 千照ちゃんは私より色々こういうことに詳しいみたいだ。一人でするって言ってたし……今の中学生はみんなそうなのだろうか?

 私はまだやり方を知らない。


 千照ちゃんに触られたときは、くすぐったいだけだった。昨日まで自分で触れてもくすぐったいだけだ。

 でも、今は……自分で弄りながら、タツヤに触られてるって考えただけで……いつもと違う刺激を感じる。


 「んんっ……はぁはぁ……なにこれぇ……」


 今まで感じたことのない感覚が全身に走り、息が荒くなる。



 ——タツヤとは家も近くて、両親の仲も良く家族ぐるみで遊ぶこともあった。

 彼の妹、千照(ちあき)ちゃんはとても可愛らしく、私は絶対美人になると太鼓判を押していた。


 タツヤと千照ちゃんと一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝ることもあった。

 でも私が中学に上がるとき、両親の都合で引っ越し疎遠になった。

 中学を卒業してこっちに戻って来て再会すると、家族ぐるみの付き合いが復活する。


「ただの幼馴染としか思ってなかったはず。なのにさぁ、どうしてこんなに胸の奥がモヤモヤするのかなぁ?」


 再会して一年、お互いに暇なときはどちらかの家で遊んでいた。時に、千照ちゃんと三人で、時に二人でいろいろなところに行ったりもした。

 タツヤと付き合っているという噂も立ったけど、私にはそんな感覚が無かった。


 男子から告白されることもあったけど、その気になれなくて全部断っていたのも、噂を加速させていた。

 そんな日がずっと続くと思っていたのに。


「変な夢を見たんだけど、あれのせい?」


 黒い猫が私の前を横切った日の夜だ。凄く綺麗な猫だったので、やけに覚えている。


 夢自体は支離滅裂だ。全体的に暗かった。

 振り返ると、涙に濡れたタツヤがいた。ボロボロのタツヤが痛々しく見えた。


 私がひどいことを言ったみたいだ。夢の中の話なのに、心が痛い。


 千照ちゃんも泣いていた。私に何か相談していた。私はそれを一人で解決しようとしてうまくいかなかったみたいだ。

 それと……あの人。高橋さんだ。恨むように私を見つめていた。


 夢を見たときは、それが誰なのかピンとこなかった。

 でも今日、あれは高橋さんだったことを確信する。



 タツヤと同じクラスのお嬢様。違うクラスの私でも噂を聞いたことがあった。


 今日、タツヤの隣にいた人だ。近くで見て思ったけど、綺麗と可愛いが同居したような人。

 私と高橋さん、どちらかを選ぶなら、男の人のほとんどは高橋さんを選ぶんじゃないのかな。たぶん、タツヤも。

 とても敵わない。


「こうなったのは、タツヤと高橋さんが並んで歩いたのを見たから……だよね」


 二人が仲よさそうに歩いているのを見た瞬間、ドキッとして、さらに、


『俺がそんなに優理を想っているように見えるか?』


 このタツヤの言葉で、初めて彼に「男」を感じた。


 その瞬間、何かが私を貫ぬき、からだの中が熱くなって、ようやく自分の気持ちに気付いたのだ。

 ああ、なんで今さらなんだ。一年間も気付く時間があったのに。

 私はタツヤのことが好き。好きなんだ。


 もし、高橋さんがイヤな女の子だったら、遠慮無くタツヤを引き剥がそうとしたのに。

 多分、仲良くなれそう。いい子っぽいし、タツヤも褒めていた。


 気付くと、触っていた胸の先端がツンと固くなっていた。

 もう一度、確かめるように手のひらで胸全体を包むように触る。


「んっ……あんっ」


 先端が敏感になり、刺激が全身に伝わる。

 気付くと、私は無意識のうちに、足がもじもじして股をきゅっと閉じてしまっている。


 足の付け根、身体の中心に熱を感じた。

 これって、もしかして……? 千照ちゃんが言ってた濡れるってやつ?

 ショーツの中に手を入れて、その中心に触れる。


「あっ!?」


 そこはぬるぬるとした液体で濡れていた。


「えっ……うそ、こんなに?」


 どれだけ濡れているのか調べるために指を動かす。

 ぬるりとした潤滑油のおかげで、つうっとなめらかに敏感なところを指が滑る。


 もし、これが、タツヤの指だったら?

 そう思った瞬間、私のからだの中心が敏感になる。


「……んふっ……ふわぁっ……んくぅ……」


 自分とは思えないような甘い声が出た。さすがにびっくりして止める。

 もう少し続けたいような、そんな気もしたけど自分が自分じゃなくなるみたいで、ちょっと怖くなってきた。


「ふぅ……だめっ……これ、はまっちゃう……やめっ」


 下着が濡れて冷たく感じる。私は起き上がり、ショーツを脱いだ。

 ぬるぬるとした粘液は透明で、汚れているようには見えない。

 でも、もう一度シャワーを浴びたくなった。してしまったという後悔を洗い流したくなった。


 みんな、こういうことしているのかな?

 千照ちゃんはたくさんしているみたいだ。

 高橋さんは? 全然こういうことしてなさそう。


「あーあ。明日どうすんの」


 明日はタツヤと遊ぶ約束をしている。

 タツヤの顔をまともに見る自信が無い。どんな顔をして会えばいいのか分からない。

 だけど私の気持ちは……。


 明日、タツヤとデートをする。そこで私から告白しようかな。……もう手遅れかもしれないけど。

 考えながら部屋を出る。


 そして私は浴室の前までいき、濡れた下着を洗濯機に放り込んだのだった……。




おまけ


 ヒナのイメージイラスト(AI作成)

挿絵(By みてみん)



【作者からのお願い】


この小説を読んで


「面白い」


「続きが気になる!」


「この先どうなるの!?」


と少しでも思ったら、ブックマークや、↓の★★★★★を押して応援してもらえると嬉しいです!


まだ★評価されてない方も、評価で応援して頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] まさか性への好奇心が一周目のNTR事件を成し遂げたのか... みんないい子の状態で修羅場に入り、ハーレムの結末を見る機会はありますか 負ヒロインを見るのは心苦しい...
[気になる点] これは妹ちゃんがアウトな写真で脅されてそれで幼馴染ちゃんが動いたけど結果ダメだったって事ですね…幼馴染ちゃん主人公に相談しなさいよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ