前編
またまた「白雪真白」さんをリスペクトした作品を出しましたw
この作品は「恋愛とは大福だ!!」よりも真白さんの事を良く知っておいたほうが楽しめる作品になっています。
そして、今回は少し悲しいお話になっているはずです。
※誤字·脱字·文法間違いは通常運転です。
あるところに、一人の青年が居た。
その青年は、名を「白雪真白」と言う。
彼は仕事が終わると誰よりも早く会社を出て、いつものあの場所に向かって歩き出す。
「白雪ペットショップ」
看板にはそう書かれている。
彼の名字にもある「白雪」と同じ名と言うことと、家の近くにあると言うことで、よく行っている店だ。
真白はドアを開けた。
「おぉ、真白くんか?こんばんは、ゆっくりしていきなさい」
中に入ると独特の獣臭と愛くるしい様々な動物たち、そして真白が誰ももらって行かないのを知っていながら歓迎してくれる気の優しい店長が迎えてくれる。
「あっ、はい。こんばんは」
真白は店長に返事を返すと一つのショーケースの前に立つ。
「ミィーミィ、来たよ」
そのショーケースの中には一匹の猫がいた。
「ミィー、ミィー」
その猫は名前がなかったので真白はミィーミィーと鳴くことから「ミィーミィ」と名付けた。
この猫に真白は虜になってしまったのだ。
いつもはずっと寝ているらしいが、真白が来た時は起きて甘えてくる。
真白はその愛くるしい姿に心を奪われてしまったのだ。
真白はショーケースに向けて指を伸ばした。
すると、それに応えるようにミィーミィはショーケースに頬を押し付けた。
「―ッッ!!」
真白はその可愛い姿に胸を打たれてしまう。
心を落ち着けようとするが、指に届かないことにいじけた顔をした事にさらに悶えてしまう。
毎回、これの繰り返しだ。
(よしっ!!)
真白はその場を離れて店長の元へ行く。
「―店長さん!!良いですか?」
「はい。いつものですよね?少し待っていてください」
「はいっ!!」
真白はこれから起こることの心の準備をしながら店長の帰りを待った。
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数分が経って店長が帰って来た。
····ミィーミィを連れて。
「では真白くん、この子を少しお任せします」
そう言った店長からミィーミィを渡させる。
あぁ、癒やされる。
ミィーミィは小柄で毛はふわふわとした感触、そしてあたたかく、可愛い。
落としてしまわぬようのにしっかりと抱っこすると、それに応えるようにミィーミィは胸に身を寄せてくる。
そして、リラックスしたように舌で毛繕いを始める姿はもう本当に···。
「はっ!!可愛い!!」
と言ってしまうほどに真白の心の打っていた。
そして、真白が指を出すとミィーミィは器用に手で掴み、舐めたり、甘噛みをしてくるから本当に····。
「はっ!!可愛い!!」
と言ってしまう。
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時間の流れは早いもので、店の閉店時間が近づいてきた。
毎回、この時間は寂しくなる。
また明日も会える、すぐに来れると分かっていても。
···寂しいものだ。
「真白くん、そろそろ···」
店長の急かす声が聞こえる。
真白はミィーミィを店長の腕に返すと別れのあいさつをする。
だが、その言葉は「バイバイ」でも「さようなら」でもない。
「それじゃぁ、また明日」
「あぁ、また明日」
「ミィー、ミィー」
真白は店に背を向けて歩き出した。
ずっとお別れではないのだから、「バイバイ」でも「さようなら」でもなく。
「またね」なのだ。
―この時までは。