やっぱりポイントは高いだけあるようです!?
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「マップ機能の追加技能ってのも取って見る? 10ポイント必要な奴」
「残りは何ポイントあるんだ?」
「63。」
「ならとっちまってもよくねぇか? 10ポイントのスキルがどんだけ異常なのか見ておくっていう意味でも検証としては成り立つし、そうでもねぇなら消せばいいだろ?」
「そうだね~。取っちゃおっ!」
マップ機能追加技能開放Lv10
開放されているマップ地点へ瞬時に移動できる。
「……だって。」
「……はぁ?そんなん次元魔法の転移じゃねぇか。」
「あ、ちょっと待って、詳細がありそう。」
地面を含む周囲1メートル以内に異物があると失敗する。
「異物ってなんだろ?」
「体と、先にそこにあったものが競合するってことじゃねぇか? どっちが優先されるのかは検証してみなきゃわからん。」
「け、検証って……。怖くてできないよ……。」
「……ちょっと本当に転移できんのか、兵科の研究室空けてやっから飛んでみろよ。」
そういうとフラ先生が兵科の研究室へと移動した。
ゴゴゴゴと何かを引きずったり動かしたりする音が聞こえる。
音がしなくなると、兵科の研究室の入り口から先生が顔を出した。
「おう、いいぞ。」
グリエンタールのマップを広げ行きたい場所をイメージすると、意識が先行して移動する。
隣の部屋が視界に移った。
「あ、先生。このスキル移動先が先に見えるかも。」
「……そりゃまたすげぇじゃねぇか。それともそういうスキルなのか? さすがにな。体まで移動するなんてそんな……なぁ?」
何そのあからさまなフリ。それって転移できるって意味じゃん。
「うわ、えらく無理やり配置してあったものを動かしたね……。」
先輩が何人かいたはずだけど、誰もいない。外に出てもらってるのかな?
「本当にみえて……おい、レティーシア。お前体が消えてきてるぞ。」
「え?!」
慌てて体を見ようとするが、視界が転移先にあるため体が見えない。
慌てていると、突然体の重みを感じた。
「ひゃんっ!」
どしん。
1メートルの高さから尻餅をついてしまった。
意外に痛い。
「いてて……。」
「……そんな感じで移動すんのか。」
「ど、どんな感じだったの?」
「レティーシアの体がスッと薄くなって、消えた瞬間にこっちに現れたな。」
「意外に怖いかも……。」
「っつーかまじか……。転移魔法なんて大魔法は夢物語なんじゃなかったのかよ……はぁ。じゃあ、次は競合の検証か。ほれ、これをもて。」
「え!? 競合って痛いのはやだよ!?」
痛いっていうか下手したらそれ、死んじゃう……。
「ああ? お前の体が競合する場合は失敗すんだろ? そうじゃなくて、お前は今転移する時に服も一緒に移動しただろ? って事は1メートル以上の長物持ってたらどっかに競合すんだろうが。そん時に優位なのは、転移する前の物質か、お前の持ってるものか。ってことだよ。」
「あ、なるほど……。」
「全裸で移動してくる可能性もあったからな。」
「あ、だから先輩を外に出しておいてくれたのね……。」
「気が利くだろ?」
あ、確かに……。
あれ? そう考えると、確かになんで衣服まで転移できるんだろ。
「……うん。素直にありがとうだよ。で、これをどうすればいいの?」
渡されたのは訓練用の長槍。
木で作られている。
「それを真上に持って魔法科の方の研究室に戻ってみろ。」
「うん。わかった。」
グリエンタールのマップを開かないと発動しないようなので、マップを開く。
意識が隣の部屋へ飛んでいく。
「っっほいっ!」
「あたっ……」
目を瞑っていたので、また着地失敗。
いやね、飛ぶ瞬間がめちゃくちゃ怖いんだよ……?
本当に! まじで! 寝てる状態で上空1メートルまで持ち上げられて、起きた瞬間に体が投げ出されるような感じ。慣れれば大丈夫かもだけど、怖い物は怖いのよ。
「ああ、そっちが勝つのか……。」
上を見上げると、長槍の先が引っかかって柄が天井から真っ直ぐ生える様にぶら下がっている。
「……これ、どっちがどうなってるの?」
「天井が抜けてんな。つまり転移した物質が、先にあった物質を押し出すってことだ。」
「ふむ……?」
「逆じゃなくてよかったな。逆だったら万が一何かがあって、転移先でお前自身が競合したらめちゃくちゃグロイことになってただろうからな。」
「……うわぁ、怖……。」
「まぁその場合、お前はグロイ物の中に突っ込んで行く事になるんだけどな。」
「……。」
「魔力の消費はどれくらいだ?」
「うん……?あ。特に減ってないかも。」
「は? 転移だろ? 転移って次元魔法課の授業で習うように次元魔法の3大大魔法の一つだぞ?」
「あ、そういえば次元魔法の話をシルから聞いたときに言ってたかも……?」
ん? それならなんで転移って言葉をシルは知らなかったんだろ?
賢王様が異世界に転移してきたって話をしてた時に知らないような事言ってた様な。
……ん? あれ? もしかしてグルーネ言語スキルで変換されてるだけで違う単語になってる……?
そうなってくると、もしかしてボクが同じ単語に感じてる言葉でも、周りが違う意味で発しているものがあるのかもしれないのかな?
スキルの解除方法もわかったし、グルーネ言語の翻訳1回切って現地語覚えようかな……?まぁ今やることじゃないけど。
「もしかして移動距離が短すぎて、お前の魔力回復量でカバーできちまったんじゃねぇか?」
「その可能性は否定できないかも?」
「ちょっと兵科のスペース空けといてやるから、遠くに一回移動してみろよ。」
「うん。」
すぐ思いついたのは実家の畑。
農家だから結構広いし、この時間ならパパとかいるかな?
そう思いマップを広げると、一瞬で現地の風景が視界に映った。
懐かしい。って言っても、まだそこまで時間も経ってないから、あまり変わらないけどね。
う~ん……パパは……いない。おっと。畑の上に出たら泥がついてしまう。
「……はいっ!!」
気合を入れて飛び、泥を避けあぜ道に降り立った。
流石にここで制服を汚すのは勘弁してほしい。
「おお……帰ってきたよ……!」
吹き抜ける風が冷たくて気持ちいい。
さわさわと鳴る葉の音が懐かしい。
空気がとっても濃い。体の毒が抜けていくようだよ。
「ううんっ……っと!」
思わず背伸びしちゃうくらい!
「パパはいないのかぁ……。」
ちょっと探して顔くらい見せたいけど、ここは畑のど真ん中。このまま歩き回ったら靴に泥がついてしまう。その靴で先生の研究室に戻るのは流石に迷惑だよね。
「ま、もうすぐ帰ってこれるし、いっか。」
そう思い直し、マップを開いて意識を兵科の研究室に飛ばした。先生を遠くから見てるだけでもなんか楽しい。……このスキル、普通に千里眼としても使えるね。
「ん?」
背の高くなった農作物から、男性がひょっこりと顔を覗かせる。
「どうしたの?あなた。」
隣の列には女性の影。
「今、レティの声がしなかったか?」
「はぁ。もう何回目よ。もう3人が王都へ行ってから3ヶ月も経つのよ?そろそろ慣れてよ。」
「くぅっ! うちの子達が優秀すぎるのがこんなに悲しいとはっ……!」
「いい事じゃない。それにもうすぐ夏休みでしょ? すぐに戻ってくるわよ。」
「そうだったな! 新鮮な野菜を採っておかないとな。」
「そうね。」
2つの影は、また農作物の中へ沈む。
「ただいま!」
「お、着地できるようになったか。」
「お尻汚したくない! って思ったらできたよ!」
「……お前はどこかずれてるよな。」
「……女の子としては間違ってない気がするよ。」
「はぁ。……あいつ等廊下に出したままだからそろそろ入れてやるか。」
「あ、先輩……ごめんね。」
「一応お前の固有スキルは部外秘だからな。じゃあ研究室戻って、残りの検証やったら午後はクエストにでも行くかな。アルトにも声はかけてあるぞ。」
「え! いくいく~!」
「ぷっ。楽しみだなぁ。」
「え?先生もアルト様とクエスト行くの楽しみなの?」
「ちげぇよ。ぷふっ」
「……へ?何?」
「ま、すぐわかるから。検証やっちまうぞ。」
「う、うん……?」
……フラ先生がこういう顔してる時って絶対悪い事考えてるんだよね……。
もう、なんか嫌な予感しかしないんですけど……。
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