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今できる事からやっていこう!

「で? いじってみたのか?」


最近は午前から特殊魔法課の授業があるときは、早めに先生の研究室に。

保管庫には沢山の栄養になるようなお肉とかお野菜があったり、それこそ珈琲なんかもあったりして落ち着けちゃうんだよね。

珈琲って嗜好品だから、一般人であるボクが買うにはちょっと……と言うか、かなりお高め。

好き嫌いもあるみたいで、先生もボクが珈琲飲めるって知ったら進んで出してくれるようになったの。やっぱり1人で飲んでるより、誰かと分かち合えるのって、おいしいもんね。


あ、ボクはミルクも砂糖も入れる派だよ?

砂糖も高級品だけどね!



「うん。マップ機能開放ってスキルを9から10にしてみたんだけどね? レベルの上げ方はわかったかな。スキルポイントさえあれば、スキルレベルを上げるのは結構簡単っぽい?」

「よかったじゃねぇか。今までなんでやらなかったんだ?」


「う~ん、正直色々ありすぎて驚いちゃって、それどころじゃなかったってのが一番かなぁ。」


「まぁこれからお前には時間はあんだし、急ぐ必要もねぇか。」

「うん。」


「じゃあ、前にヨルテんとこで話してたように、武器系スキルの取得可否をまずは試してみるか?Lv1がとれたらすぐに10にあげれるのか? ってやつ。」

「多分無理だと思うけど、できれば大きいもんね。一つずつできる事から確認して潰していくのは重要かも。」


「大きいなんてもんじゃねぇけどな。武器系スキルのLv10って、つまりは免許皆伝ってことだぞ? ってことは、本来そのレベルは人生すべてを賭けて成しえるかわからねぇほどの偉業なんだ。Lv1でも武器系スキルを取るのは楽とはいわねぇが、その難易度は違いすぎる。」

「言われてみれば……そういうことなんだ」


「まずはどうする? 初心者なら武器は槍か剣がお勧めだな。」

「やっぱり槍かなぁ。槍のメリットとデメリットって何?」


「メリットはやっぱり槍ってのは近接格闘戦武器種で言えば最強だな。同じ技量、同じ能力の人間が、それぞれの武器を持って戦ったら、槍が勝つと言われてるくらいだ。リーチが長く、応用性に富み、範囲力もある。汎用性が他の武器種に比べて段違い。剣とは違って刃が短いのも冒険者にとっては有利だろうな。メンテナンス費用も安い。他にも投擲スキルがあれば槍は投げてもよし、柄の石突で打撃もできる」


「な、なるほど。いっぱいだね……」


「デメリットはダンジョンとか閉鎖された空間で扱いづらいことだな。リーチが長い分、まともに扱えないとパーティ戦闘で味方を傷付ける可能性も高い。だから剣はそういう場所向きでお勧めだ。一番は槍と剣の2つともを最低Lv1を目指す事だな。1つの武器しか扱えない奴は兵士としちゃ失格だ。レティーシアは兵士じゃねぇからいいんだけどな」

「じゃ、じゃあ……とりあえずスキルの検証もあるし槍スキルLv1を目指そうかな。で、とれそうなら剣スキルもとっていくって感じで」


「正直な話、お前が武器スキルをとって体を作ったら前衛としてすげぇ強くなるぞ。なんつってもお前には武器破壊がきかねぇからな」

「武器破壊?」


「そのまま相手を倒しに行くんじゃなくて、まず武器を壊すか落とすかさせるんだよ。それこそ技量に差がある場合は、まずはそれを狙うのが定石だ。その方が自分に被害を受けにくいからな。たとえ相手に致命傷となる一撃を放ったとしても、相手がそのまま絶命するわけじゃねぇ。最後の悪あがきでぐさっと反撃されて共死になんてのは別に珍しい話でもねぇんだよ」


特にこの世界じゃ魔法による治癒力もそうだけど、種族による致命傷度合いの違いなんてものもあって、よく知りもしないモンスター相手に、勝った! とか思って気が緩んだ瞬間、反撃されて命を落としちゃう、なんてことが珍しくもないらしい。

人には『諦める』っていう心があるから勝てば終わる戦闘も、モンスターが負けそうだから諦めてくれるとは限らないわけだ。



「格下の相手に共死にになんて持ち込まれたら目も当てられないね。」

「そのとおり。そんなの負けだよ。負け。惨敗。明らかに相手よりも努力してきた人生は全く以て報われねぇ。……だけどお前はそうじゃない。いくら武器を壊されようが落とされようが、次の瞬間魔法で手元に出せる。こんな前衛怖くてあたしは戦いたくないね。」


「そうなの?」

「そりゃそうさ。何してくるかわかんねぇだろ? 武器で攻撃を受けたと思ったら、武器を捨てて懐に潜り込まれる。潜り込まれた懐には既に武器を持ったお前がいるんだぜ? さらに距離を開けたと思ったら武器を軽々と投げつけてくる。おまけにお前は魔法士だ。前衛がお前に対して距離を開けたら負けは確定だろうしな。」


「そんな戦い方もあるのね。」

「戦いってのは工夫と常識が折り合わさって組み立てるんだが、お前の場合武器を一瞬で作れるせいでその常識と工夫を悠々と飛び越えられるからな。」


「なんかかっこいいかも!」

「お前が本気で前衛技能を学んだら、最強の全衛ができるだろうな。全領域で戦闘ができる全衛な。」


「おぉ~!ボクそれ目指そうかな!」

「やってみるのはいいことだ。まだ1年の前期も終わっちゃいねぇ。お前には未来が山ほどあるんだからな。」


「じゃあ、とりあえず槍の訓練も始めるよ。」

「ああ、お前特殊魔法課の授業で元素と次元の単位貰える分、他の生徒よりも授業進度速いだろ? その分他の授業も取れるはずだ。特殊魔法課の授業のときに槍術を教えてやってもかまわねぇが、単位に余裕があるんなら授業で軽装兵科をとっておくのもいいぞ。」


「あ、確かに。折角グリエンタールの検証ができるんだし、出来れば特殊魔法課の授業の時はそっちをやりたいかな。」

「じゃあそうするか。新しいスキルを取る方法について、何か思い当たる節でもないのか?」


とはいわれても、グリエンタールの愛惜ってゲームをやってたのって、もう30年も40年も前の事だから、システムみたいなものもほっとんど覚えてないんだよね……。

それさえ覚えてれば、どんなスキルが取れるのかとか、少しは参考にくらいなったんだろうけど……。


「う~ん、学園に入るまでは今あるスキルを取得していた事すら知らなかったから……。」

「そうか、ちなみに強く願えばいいなら、取得できるスキル一覧を願うなんてのはだめか?」


「え?一覧を?」

「ああ、もし一覧なんてありゃすげぇ楽だろ。」


「……やってみる。」


イメージが湧く。


グリエンタールのウインドウにスキル名が表示されるような。イメージ。

確かにそんなのがあれば欲しい。


あれ?取れるんじゃない?これ。


そう思った瞬間、目の前にウインドウが表示され、文字が羅列されていく。

どんどんウインドウは大きくなり目の前の視界を埋め尽くした。


「うわわわっ!」

「どうした!?」


「で、できたかも……。」

「なんだ、やりゃ簡単じゃねぇか」


「あ、でも……。」


文字が変形してしまっている。これでは読むことが出来ない。

なんでだろ?


「文字がわけわかんなくなっちゃってて読めない……。」

「む、なんでだ?」


「わかんないけど、どんどん表示されるスキルが増えていってる間は読める文字だった気がするから……多分処理能力の問題かなぁ。」


「処理能力……? よくわからんが、そのスキルはとりあえず使い物にはならねぇのか?」

「うん。全然だめっぽい……。」


「じゃぁ次の検証をするか。”スキルは消せるのか。”だ。」

「あ! なるほど。スキル部分を消したいって考えながらタップしてみれば……。あ、できた。」


「スキルポイントは?減ったままか?」

「あ、減ってない。多分戻ってくるのかも。」


「これでまた一歩前進だな。この調子でやってくぞ。」

「おお!なんか楽しいね!」


「あたしは正直怖えけどな。お前、絶対悪い男とかに捉まんじゃねぇぞ? 恋は盲目とか言うからな。もしお前が変な男に入れ込んで利用なんてされたら眼もあてられねぇよ。国が滅ぶわ。」


「先生がいい男紹介してくれる?アルト様みたいな。」

「はぁ? お前アルトみたいなのがいいのか? ふっ……。アルトな、アルト。いいぞ。紹介してやろうか?」


「え!?本当に!?」


あれ? なんか今先生一瞬笑わなかった?

ボ、ボクがアルト様の事好きなの、そんなにおかしかったかな?


「それにしたって、お前本気か……?お前にはリンクとかもっといい物件がいんだろうに……」

「リンク様もいいとは思うけど、一度断った手前流石に……なんというか……。」


「まぁお前の人生お前が決めればいいからな。イケメン紳士様はまた今度クエストに行く時にでも誘ってやるよ。あいつ基本暇だしな。」


「もう!先生はいつもそうやって言う!」

「お前が付けたあだ名じゃねぇか。もうあたしらのクランじゃ浸透してるんだぜ?」


「……え?」

「あたしが広めてやったからな! もうあいつの名前忘れてる奴もいんじゃねぇか?ぷふっ。」


ご、ごめんなさい……アルト様……。

ボクの知らない所でそんなことになってたなんて。


え? もしかして公園で会った時にはそうなってたのかな?

それならなんていい人なんでしょう!

原因であるボクの相談に優しく乗ってくれるなんて。


ボクの好感度ポイントはまた上がった気がするよ!


アルト様って何歳なんだろ??



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