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うふふ。人の恋路ってなんか楽しいよね。

今回同行している新米冒険者2人の名前は、男性の方がクアル、女性の方がルアというらしい。


歳は2人とも16歳で、ボク達の1つ上。王都に住んでいる平民の子なんだそうだ。

子……っていうのは失礼かもしれない。平民の16歳なんて、基本的には立派な大人として扱われるから。


格好からすると、クアルの方が前衛型で、バックラーと片手剣を装備している。

ルアの方はシーフ職かな?弓と軽装な格好に腰には短剣というかナイフ。


ちなみにボク達の方はというと、シルはちゃんとした防具をつけている。

普通に超かっこいい。


胸の部分はシルの為に特注で作ったであろう銀色に光った胸当てに、あれ家紋かな?かっこいい紋章が中央に彫っててある。……ん? なんで特注なのがわかるのかって? そりゃ一目見ればわかるよ。胸の部分だけ異常に大きいからだよ?

後ろから見ると、銀色の装飾が綺麗に飾られている。

お腹にはレザーの防具。隙間からチェインメイルを下に着ているのが見える。


下はパンツ型。びったりとした厚いレギンスに、膝まである鈍色の重そうなブーツでカツカツと音を立てて歩いている。


軽装ではあるんだけど、重装に見える。これが重軽装ってやつか。

あのくらいちゃんと防具はそろえないとダメなのかな……?


イオネちゃんはローブ装備だ。

多分下は肌着とローブ用の下着だけだと思う。後でちょっと触って確かめてみよう。


そしてボクは!

……私服だよ!


え?防具はどうしたのかって?


リンク様が冒険者ギルドで変なこと言い出すもんだから、まだ買えてないんだよっ!!


おじさん達に買ってもらった上下一体式の防具もあるにはあるんだけど……。

あれパンツ丸見えだし。あれを着るにはまだ下着が足りないのだ……。


ボクの私服は、今日は結構ぴったりとしたちょっと厚手の長袖を着ている。

森に行くのに肌を露出するのはダメだと、イオネちゃんにきつく言われちゃったからね!


下着と長袖の2枚しか上は着ていないけど。

下もスキニーパンツのようなぴったりした奴。

ブーツは長めの、膝下くらいまである。


とても動きやすい格好だけど……ちょっと体のライン出すぎかな……?Tシャツみたいな物くらい、一枚上に着てくればよかったかも……。




「皆さんは魔法学園の1年生ですか?」


「うん、ボク達は3人ともこの春に入学したんだよ? ね。」

「はい!」

「そうね。」


「あ、後2人は貴族だけどボクは平民だから、ボクに敬語はいらないよ?」

「えっそうなの?」


「貴族じゃないのに学園に入学するのって、確かすごいんじゃないっけ?」

「えっそうなの?」

「うーん、どうなんだろ?ボク自身はあんまり自覚ないんだけど……。」


どちらかというと、クアルの方が社交的でルアはおとなしい印象。

ボク達とクアルの会話に相槌を打って、お互いの顔を行き来しているのは、年上ながらちょっと可愛い。


「普通にすごいのよ。貴女は。」

「……やだ。面と向かって言われると恥ずかしいね。」


「あはは、私も魔法が使えたらよかったのになぁ。勉強とかしておけばよかったよ。」

「俺らは勉強をしていたとしても、魔水晶が手に入らなかっただろ。多分。」

「確かに!あれ高すぎだよねぇ。どんなにちっちゃいのでも銀貨10枚くらいするんだもん。」


「ボクはそんなことも知らないで子供の時から勉強してたんだけどね!ちょっと縁があって知り合いに買ってもらえたんだ~!2人も子供が生まれたら買ってあげたらいいんじゃない?」


「えっ!?」

「うぇっ!?」


「え?2人はまだ結婚してないの?」


「えっ……と、結婚してないどころか……その……別に付き合ってるわけでもないと……いいますか……。」

「あっと……その……な?」


兄弟というわけでもなさそうだし、それにしてはもう夫婦みたいな仲だったから、逆にボクがびっくりしたよ。2人とも真っ赤じゃない。


「え?じゃあ付き合っちゃえば?」

「は!?」

「えぇっ!?」


「えぇー。だってどう見てもそうなるんだし、この場で言っちゃいなよ! ね? ルア」

「えぇ!? こ、心の準備というかぁ……そのぉ……」


「ほら、ルアも待ってるよ?」

「うぇっ!?……っと……その……」


「こら。」


シルに小突かれてしまった。


「そういうのは縁なのよ?あんまし他人が急かすものではないわ。」

「ま、確かに~」


じぃっとクアルと目を合わせてあげる。


「わ、わかったよ! 言うよ!」


ふふふ。決心したようね。


「あわわ。」

「あらあら。」


うんうん。いいと思うよ!


「うぅ……その……なんだ?……あ、帰ってから!帰ってから!……な?絶対に言うから!」


「……。」

「……。」


暖かい空気になってたイオネちゃんとシルも優柔不断なクアルに冷たい視線を向けてしまう。


「……わかった。うん! 待ってるね!」


それでもいいルアは、とても嬉しそうだった。



「え?何言ってるの?ダメだよ?」


「レティ?」


突然、素のトーンでボクが返したものだから、シルが心配しだす。


「この場で言うか、帰っても言わないか。どっちかじゃないとダメ」


これは譲れないよね。


だってこのままじゃ最悪2人とも今日のクエストで死んじゃうから。

この世界のフラグ回収率なめちゃいけないよ???


「はぁ!?容赦ねぇな……。」

「え!?っと……その……別に、後でもいい……よ?」

「え、ダメだよ?」


「っ………………わ、わかった!わかったよ……言うよ……。」

「う、うん。」


「な、なぁルア……恥ずっ……帰ったら俺と……つき……付き合って……くれないか?」

「あ、帰ってからとかダメ。今、この場からに訂正して。はい、やりなおし」


「……もう泣くぞ俺……。ルア、俺と付き合ってくれ!!!」

「うえぇぇぇ……。」

「はわわわわ!」


イオネちゃんがなんでそんなに赤いのよ!


「レティ?何かあるの?」

「あ~……うん。」


「そう。」


それ以上シルは何もいわなかった。


「……は、はい。」


「おお!やったねクアル!」

「お前、強引すぎだろ!なんか今はすげぇ感謝してっけど!!」

「よ、よかったね、ルアちゃん。」


イオネちゃんが優しくなでなでしてあげている。

一応イオネちゃん、ルアちゃんよりも年下で、背もちっちゃいんだけどね……!


「……うぅ。」


恥ずかしさがまさりすぎてルアちゃんが小さくなってしまったようだ。


これで死亡フラグは回避できたし、よしとしよう。




まぁ死亡フラグ立てさせたのボクなんですけどね!!!




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