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ゴブリンの上位種は思ったよりも大きいのです。

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モノブーロ村から少し西部へ抜けた辺り。


切り立った崖の下にゴブリンの群れが見える。

ボクたちはフラ先生の作戦を聞き崖上に移動すると、姿を消して隠れていた。


外を警戒している見張り兵。

その一回り外を哨戒している警戒兵。

物資を運び込んだり、外に運び出している運搬兵。


この3種の兵が洞窟周りを頻繁に往き来している。

数にしたら総数で30から40くらいのゴブリン兵が入り口周りにいるだろうか。この数をフラ先生とリンク様で騒ぎを起こす前に倒すのが第一段階らしい。


今回は速度重視。


まずイオネちゃんができる限りの強化魔法を2人に付与する。常駐型ではなく、付与という形で10分制限は付くが、今回は10分も必要ないので付与で魔力を温存させる。

それが終わるとボクは、音を消す必要はないと言われたので、視覚透過の魔法だけ2人にかけた。


イオネちゃんがやっている付与という常駐しない方法は、イオネちゃんが調整適合を持っているからできる芸当らしい。ボクも試してみたけどできなかった。できなかったというか10秒も持たずに解除されてしまうのだ。仕方なく常駐させるしかないよね。


さっと2人の気配が消えた。

2人ともお互いの姿は見えないはずなのに、ぶつかったり危険ではないのだろうか……?


次の瞬間、見張りをしていた4匹のゴブリンの首が一斉に刎ね飛んだ。


「すごっ」


「リンク王子様とフラ先生、どうやって意思疎通をとってるんでしょうね……?」

「ボクも気になったけど、聞く前に行っちゃったね」

「ああ、フラ先生はリンク王子の子供の頃からの師匠の1人だからね。リンク王子の動きが読めるんじゃないかな。もちろん逆にリンク王子もね」


「え? そうなんだ……。ほんと世間って狭いんだね」

「うーん? 世間が狭いというか、魔法学園に入学する貴族は結構そういう繋がりが元からある人が多いんだよ? レティーシアちゃんやイオネちゃんみたいな突然出てくる超天才ちゃん以外は、殆どの天才や秀才ってのは幼少から英才教育ってやつを受けてるものなのさ。もちろん、俺も含めてね。」


「え、いや私はレティちゃんに比べれば全然……」

「なんというか、ボクは自覚がないんだけどなぁ」


そんな話をしているうちに、かたや警戒兵の首が次々に。かたや運搬兵の首が次々に。落とされていく。

警戒兵が全滅すると、比較的散らばっている運搬兵が両側から倒され、最後の1匹になった。


最後のゴブリンだけ首と胴が切り落とされる。ゴブリンの3枚下ろし。


ここまでにゴブリンの悲鳴一つ聞こえることは無かった。


2人が崖上まで戻ってきたのを見計らって、魔法を解除する。

そこまででちょうど5分。


「レティ頼む。皆、崖からなるべく離れるぞ」


フラ先生の指示に従って、洞窟の入り口に設置盾(アンカーシールド)を設置した。どこか別の出入り口を作られない限りは、これで出てくることはできない。


崖の空洞内に水中放火(アセチレンブラスト)の発火点を設置する。


うーん、既に水中用ではないので登録名を水中放火にしておくのも変かな?


なぜアセチレンブラストやアンカーシールドというカタカナ登録名にしないのかというと、辞書に登録されている語句がグルーネ語翻訳スキルで殆どカタカナ登録されてしまっているからだ。

登録魔法を呼び出すのは、検索するのと手間が一緒。


今回の場合、「水」って検索かければ、水から始まる語句が並ぶのだけど、辞書に登録されている語句がヒットしないので、使用したい魔法を使うのがとても楽なのだ。かといって“漢字”は、この世界にはないので読み仮名がグルーネ語翻訳機能で振られる。それを使用しているってわけ。


別に厨二的なやつで漢字にしているわけではない。

とりあえず登録魔法名を“燃焼爆発(アセチレンブラスト)”にしてセットしなおしてみる。


さすがに、こないだみたいな規模の爆発が自分の足元で発生するのは遠慮したい。魔法の設置点だけセットして、ボクもフラ先生たちと同じくらいの距離まで逃げておく。


「行きますね」


……


ドォォォォオオオオン!!




轟音と共に、()()()()()()


あれ? 崖ごと吹き飛んでしまった……。


火力が高すぎたらしい。作戦では、洞窟の内部を爆発で燃やしきってしまう予定だったのだけれど……。これじゃあせっかく出入り口を塞いだのに意味がない……。


「あ……。ごめん先生。崖が崩れた」


「……。」

「……。」

「……。」

「……。」


「……そうか。ダンジョンの壁っていうのはめちゃくちゃ硬ぇの忘れてた。今回のは単なる崖だからな。火力調整するように言っておくべきだった。あたしの指示ミスだ。すまん」


ボクとフラ先生以外の3人は開いた口が塞がっていないので声がでないようだ。

まぁそうなるよね。ボクだってこんな事になるなんて思ってなかったもん!


吹き飛んだ崖がどんどん崩れ落ちて行き、高温で吹き飛び真っ赤になった岩石が空から降り注ぐ。


「おっとっと……。風操作(コントロール)魔法術式(エレメント)風力障壁(フィールドバリア)


設置盾で防ぐと身動きがとれなくなってしまう。その点、風力障壁であれば自由に抜けることができるしね。



「レティがこの国の国民でよかったと心から思ったわ」

「エリュトスなんかに生まれてたら、今頃王子、殺されてるね」

「怖ぇこと言うなよ。まじで。今それありえる状況だから」


「皆さん! あれ!」


イオネちゃんが異変に気づき叫ぶと、崖が崩れた一帯からかなり大きな黒いゴブリンが這い出てきたのだ。


「ちっ。やっぱりいたか。ティグロ、リンク。サポートに廻れ。イオネ。3人に強化を常駐させろ。レティーシアは隙を見計らってあれを頼む。こいつらに見られることにはなるが、大丈夫だな? あまり披露したくはないだろうが、今ここで国の王子を失う損失は絶対に避けたい」


「大丈夫。さすがにボクも時と場合はわきまえてるよ」



「いくぞ!」


「おう!」

「はい!」



3人が3方向に走り出す。

フラ先生が真正面、リンクが左、ティグロ先輩が右方向へと跳んでいった。



黒い塊は、まだ……動かない。




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