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ゴブリン洞窟殲滅作戦!

「リンク様、もしモンスターや魔獣がこの小屋に入ってきたら、即倒せる?」

「誰に聞いてんだ? ゴブリン程度目を瞑ってたって瞬殺できるわ」


「逃がしちゃうとさすがにばれちゃうからお願いね」

「わかった」


「イオネちゃん、今のうちにリンク様だけでもいいから補助魔法をかけられる? イオネちゃんの魔力が長時間持つ範囲でいいのだけれど」


「うーん、それなら自然治癒力と……全身強化を1人分であれば魔力回復量と相殺くらいで掛けられるかも。常駐させなければ効果時間は10分だけど、付与っていう方法で掛け直してれば2人にかけても魔力量は減らないよ?」

「あれ、そうなの? それなら常駐させないほうがお得よね?」


「戦闘中に魔法を一々掛け直したりとかはできないからね。そういう場合は常駐させておかないと、突然自分の能力が落ちたら、その瞬間が致命傷になりかねないしね?」

「なるほど。じゃあ神聖調節魔術士って魔力量の管理が大事なんだね」


「そうなの。私も魔力量があんまし多くないから、本当はもうちょっと欲しかったんだけど……。魔力量ってなかなかあがらないから……」


子供の頃に読んでた魔力量に関する本によれば、魔力量の最大値を上げるためには幼少期からって書いてあったもんね。

それで子供の頃から頑張ってきたボクでさえ、結局グリエンタールを差し引いた自力の魔力量は199しかないわけだし、大人になってから後天的に魔力量を上げるっていうのは相当難しいみたい。


「じゃあ、フラ先生とティグロ先輩が戻ってくるまではイオネちゃんとリンク様にお願い。ボクは自分でなんとかするから」

「わかった」


イオネちゃんが了承すると、すぐに2人の体が少し光って消える。


「お、せんきゅ。魔法効率いいな、この強化魔法」

「えへへ。私、神聖調節の適性持ってるんです」


「なるほどな。自分で掛けるより調子いいわ」


リンク様が体を動かしたいのかうずうずしだした。こんな情報が何も無いとこで暴れるのはやめていただきたいが、こと戦闘に関しては天才側の人間なので、そんなことはしないだろう。




村は静か。一向に何者かの影が現れることもなく、10分が過ぎた。



「あ、戻ってきたみたい。ティグロ先輩が来たよ」

「ん?レティには消した奴がいる場所がわかるのか?」


「うん。透過の魔法とは別でマップスキルがあるからね」

「マップスキル? 人の場所なんてわかるんだっけ?」


あ、そうか。マップスキルの上級版は保持者が少ないって書いてあったっけ。


「あー……うん。魔法と組み合わせるとね……?」


このマップスキルは相当使い勝手のいいスキル。イオネちゃんには説明してあるけど、内容を伝える人はそこまで増やせないし、今話す内容でもないのではぐらかすことにした。


「お前、勉強ができるとか固有魔法が使えるとか以外もなんかあるだろ……?」


「さ……さぁ? あ、先輩おかえりなさい。魔法解除しますね」


ティグロ先輩が小屋の中に現れる。


「自分の姿が見えないって想像以上に怖いね……。このまま見えないままだったらとか考えちゃうとほんと震えるよ……」


「あはは、そういうのもありですね!」

「レティーシアちゃん……怖いこと言わないで……」


「んで? どうだったんだ? まだフラ姉は帰ってきてねぇみたいだけど」

「俺は村の東側一帯、先生は西側一帯を村から見える範囲も込みで偵察してきたんだけど……。俺のほうに生存者はなし。多分村は一昨日のうちに全滅してそうだね。さらに男性の死体はあっても女性の死体がないってことから、ここまで綺麗に女性だけ連れ去られてるあたり、ゴブリン系の群れなのはほぼ確実だろうね。もし女性を捕らえて移送しているのであれば、今頃移送隊は既に拠点へ戻っているだろうね」


「つまり最前線はゴブリン本隊の精鋭のみで雑魚が減ってる状態だな」

「そ。後は西側だろうけど……」



「……ああ、本隊が村の西側にある丘の崖下に拠点を作ってやがった」


フラ先生も小屋に帰ってきたので魔法を解く。


「あ。先生。帰ってきたんですね」


「規模は?」


リンク様がやる気満々だ。イオネちゃんの強化魔法を受けていて、体を動かしたいみたい。


「約300。確認できた中でもゴブリンリーダークラスが30はいたな。ってことはさらにその上位種がいるのは間違いない。最悪ゴブリンキングがいてもおかしくねぇな」


「ちっ。その規模は5人で捌く規模じゃねぇな。どうする? フラ姉。増援を呼ぶか?」


「……いや、多分……というか確実にいけるな。あいつら崖を掘って拠点を作ってるからな」

「ああ? それこそまずいだろ。もし囲まれたらそれこそデッドエンドだ」


「こいつがいるだろ?」

「あ? レティーシア? 消える魔法をどうやって使うんだ?」


「いや違う。レティーシア。こないだのフルカルド行った時使った燃焼系元素魔法使えるよな?」

「うん。使えるよ?」


「入り口塞ぐ奴は?」

「うん。問題ないよ」


「なら問題ねぇな。とりあえず、作戦はこうだ……」




ゴブリンはモンスター種だ。


つまり、マナと酸素で呼吸し活動できる。

とだけ聞くと便利に聞こえるかもしれないけど、2種類の方法で生命維持が出来る種族には2通りの場合が存在する。

……両方が無ければダメな種族と、どちらか片方でもあれば大丈夫な種族。


今回の場合、低位のゴブリンであればどちらかが不足しても死んじゃうみたいなんだけど、今回は精鋭がかなりの割合を占めるためそのどちらかを奪ってもあまり意味はないらしい。種族による違いの他にも、進化による違いっていうのもあるんだね。


両方奪えばかなりの確率で大半を倒せるんだろうけど、もしそれでも生き残るような上位種がいれば、姿と音を消していてもシュヴァルツ・クラウンウルフの時のようにマナを放出して感知できるため接近する前にばれてしまうし、マナを放出できるということはそれだけで倒せるなんてこともない。




ボクたちはフラ先生の作戦に頷き、移動を開始した。



どうやらティグロ先輩とリンク様とイオネちゃんは、この作戦が本当にうまくいくのかいまいち半信半疑のようだ。

そりゃそうだよね。

先生はいつものごとく全てを説明なんてしてくれてないんだから。





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