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パーティ戦闘を始めよう!

「ゴブリン……スタンピード???」


ボクたちは現在、各員準備を整えて冒険者ギルドにきている。


ちなみに王子は現在奔走中。昨日しでかしたことのケリをつけると言って、それぞれ知り合いの冒険者に頭を下げて回っているところだ。

なんというか、当事者としては心苦しいけど


「リンク自身のことなんだからお前は何もするな」


と先生に言われたので、こそこそ隠れながら掲示板を見ている。


緊急クエスト掲示板に


『大至急』


と書かれている枠が追加されていた。


昨日見ていたゴブリン村のクエストだ。

3件あったのが纏められ、ゴブリンスタンピードの予兆あり!と書かれていた。昨日は確か、こんな文言はなかったような気がするんだけどな?


「ああ、やっぱりこうなってたね」


ティグロ先輩も同じ時間にクエストを覗いてたはずだから、多分先輩はこうなると予想していたということだよね? スタンピードってなんだろ。


「あー、こりゃまずいな。先発のパーティはどうなってんだ?」


「ちょっとギルド情報にアクセスしてきますね。レティーシアちゃんと先生たちは並行して受けられるものでもないか探しててよ」

「イオネちゃんは何か受けたいクエストある?」

「私は採取系くらいしかお役に立てないかもなので……」


「えぇ~? イオネちゃんの調合とか、神聖調節強化魔法とか支援魔法にはちょー期待してるんだから!」

「お、そういやイオネの特性を把握してなかったな。お前もしかして神聖調節持ちか?」

「あ、はい先生。なので身体強化とか部位強化とか、ヒーリング系みたいな魔法は全部登録してあります! 後、研究科志望なので錬金術や薬剤調合なんかもその場で一応できるくらいには……」


「はぁ?……普通に冒険者パーティに1人いたら有能な人材じゃねぇか。レティーシア、どこで拾ってきたんだ?」

「中庭のベンチで!」

「レティちゃん!? 確かに、最初は中庭のベンチで声かけてくれたところからだけど!?」

「いいでしょ~! 先生。でもあげないよ? イオネちゃんはボクのなんだから!」


「お前本当に冒険者やる気なんだな……。お前の能力なら研究職でもなんでも、もっと安全で稼げる職なんていくらでもあんだろうに」

「ん~いいの。そういうのじゃないから! ボクがやりたいのは!」


「先生、ギルド情報とってきました。昨日登録冒険者が4パーティ出て、いずれもクエスト未達成、現状報告などの連絡もないみたいですね。今日は一般冒険者のPTが3つ。うち1つは結構大所帯で20人規模のパーティです。さらにギルドからの指名クエストで大手クランから上級冒険者のパーティが1つ」


「あ? どこの上級だ?」

「エーレーメン・ベルデですね。」


「ああ、タキんとこか。なら登録冒険者の救出は任せられるな。ベルデはどこに向かったんだ?」

「この3つの村のうち、ピーノ村方面に向かったらしいです」


「じゃあ、うちはそれ以外の村方面だ。大所帯が向かったところはどこだ?」

「シルロ村みたいですね。1つだけ孤立しちゃってる場所にあるから、ここが本命と踏んだのかな?」


「じゃ、あたしたちは残りの1つに行くか」

「モノブーロって村らしいですね。現状一番被害報告が少ない村みたいですね」


「多分、ここがあたりだな」

「先生? なんか俺がとってきた以外の情報でも持ってるんですか?」


「女の勘だよ」


……こういう場面で時が止まるあたり、ティグロ先輩もまだまだだよね。


「…………先生、俺は先生のこと、女だと思ってますからね」

「ああ? ティグロ。わざわざそういうことを言うってことは、今日の履修はハードにしてほしいってことだよな?」


「……おかしいな。こんなはずじゃ……」


ボクはイオネちゃんと後衛配置についての確認を。

フラ先生はティグロ先輩とまじめにクエスト確認を。

リンク様はなんか1人でどっかで奔走を。


進めていると、フラ先生から全員に召集がかかった。

どうやら色んな情報を集め終わり、これから出発のようだ。


今回クエストに掲載されていた村は、3つとも王都から見て北から北西の間にある。


王都から北西方向に行くと大きな山脈があるんだけど、ピーノ村はこの山脈の麓にある村で、次に遠いシルロという村はさらにそこから山脈に沿って北東に行った所にある。

今回ボク達が向かおうとしているモノブーロ村は、ピーノ村から見て真東にあって、丁度王都から見ると真北に位置する場所。

ピーノ村とシルロ村は山脈の麓に位置する村だけれど、その2つの村の間には大きな森があるため、シルロ村は他の2つの村から見ても孤立しているのだ。


本来であればこの3つの村を調査するならどこに行くにしたってモノブーロ村を経由して行ったほうが調査効率だっていいんだろうけど、それだとどうしたって遠回りになるからね。敬遠されて残っているのかな? まぁ他にも一般冒険者のパーティが向かってるって話しだし、他のパーティが既に向かってるかもしれないけどね。


「……ねね、先生。スタンピードって結局なんなの?」

「ああ。その名の通り、繁殖力の強い魔獣やモンスターの大発生だな。今回の場合はゴブリンだって話しだな」


「へぇ……。大発生ってどれくらいになるの?」

「それは行ってみなきゃわかんねぇんだが、冒険者の被害からしたら舐めてかかれる量ではないだろうな。なんつっても今回は指名で上級冒険者パーティが出張ってるようだしな」


「さっき言ってたベルデさんてとこ?」


「ああ、エーレーメン・ベルデ。『エーレーメン』クランに所属してる『ベルデ』っていうパーティって意味だ。ベルデっつーのは、上級冒険者証にエーレーメンディシナールっていう稀少魔宝石が埋め込まれてるタキってやつがリーダーやってるクランでな。その功績は調査・救出・隠密なんかがメインだ。だから、ベルデが向かった場所は、多分ゴブリンどもの本拠地だろうな。ゴブリンどもは本拠地に餌や捕虜を置くんだ」


「へぇ? じゃあ主力もそこにいるってこと?」

「いや、ゴブリンの集団は、主力が最前線にいることが多い。だから当たりと本拠地は別地点なのさ」


「なるほどー」

「ああ、ゴブリンは頭は悪いからな」


後ろからリンク様の声が聞こえてきた。どうやら集合で戻ってきたらしい。


「あ、リンク様、お帰り」


「……。まぁいいけど。とりあえずこの場にいる連中にはケリつけといたからな」

「う、うん……」


「じゃあ全員揃ったし、いくぞ」


先生の掛け声で出発となった。


いつも2人の時は馬車なんかを使っていたんだけど、ティグロ先輩のせいで走って現地へ向かうらしい。

実は馬車より走ったほうが速いのは確かなんだから、今回みたいな少し緊急性を要するクエストの場合馬車を使わない方が正解ではあるんだけど、本来であれば今回みたいな討伐クエストの場合、走り疲れたままクエスト開始って、実際すっごい危ないからね。


あまりこうなる事はないんだけど……。


でも、ティグロ先輩のせいで、そういう条件下での訓練という実習になってしまったのだ。


ティグロ先輩のせいで。


「ごめんってば!」





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