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パチン。


部屋に魔水晶の明かりが灯る。


「……はぁ…………。で? 今日は何があったのよ……」


シルが帰ってきて開口一番、ボクにそう話しかけた。


部屋で明かりもつけずにベッドにもたれかかりながら体育座りしてれば、さすがに誰でも何かあったんだとは思うか。


「シルゥ……」


拾われてきた子犬のような声を出してしまった。


「はぁ。また? またなの? 貴女1人じゃ何もできないの? トラブルメーカーすぎるわよ……」


「ぐ、ぐりえんたーるのせいだもん……」

「それは貴女のスキルでしょ? じゃあ貴女が管理すべきことじゃない」


「……うぅ」

「で? 何か相談でもあるの?」


「さ、さすがです」

「はぁ。ちょっとまってて。(わたくし)も今帰ってきたばかりで少し疲れちゃったから、シャワーだけ浴びてきてもいいかしら?」


「うん」




シャワー室にシルのシルエットが浮かんでいるのを、毛布を目の下まで被ったまま、ただ見つめた。


なんとも扇情的。ジークがこんなシーン見たら鼻血出して倒れちゃうんじゃないかな?

お姉ちゃんは弟の将来が心配だよ。当の本人にはなんのことかさっぱりだろうけど。


シルが出てきた。


「……ね、ねぇ。裸を見つめられるのはさすがに恥ずかしいのだけれど……」


「え?いいじゃない。いつも見てるんだし。シルの裸綺麗だよ?」

「そ、そう……? じゃなくって。恥ずかしいものは恥ずかしいのよ」


「ええ~。ボクの特権が……」

「いいからちょっと待ってなさい」


そう言いながらバスタオルを投げつけられた。これではシルの魅惑的なお着替えシーンが見えないじゃない……。しょうがない。今日は諦めよう。今日はね。


「はぁ。で? どうしたのよ」


「うーん、それがねぇ……」


……自分からこんな話振りづらいったらない!

話し方を一つ間違えればただの自慢話だよ!


まぁ、シルに限ってそんな取り方をするわけはないのだけれど。


「今日、防具を買いに行く前にね。冒険者ギルドに寄ったんだけど……」


変な意味にならないように、気をつけながら今日の出来事を時系列に沿って話した。

特に必要もないので、逃げた公園の先でアルト様に相談に乗ってもらったところまでは話していないけどね。あ、でもあの公園はなんかよかったな。田舎暮らしが長いボクとしては、ああいうところのほうが落ち着くし。


「……そう」


話し終えると、シルは静かにそう呟いた。


「で、貴女の気持ちは?どうしたいの? どうなりたいの? それともまだ、迷っているの?」


「うん、ボクまだ王子様と会って、1ヶ月くらいしか経ってないしね……? 正直わかんないの。今の気持ちだけ言えば、結婚とか……そういうのは考えられなくて。でもこのままだとボクじゃ断れなさそうで……それでシルに相談しようかと思って」


「そう。……そうね」


「あ、あのね? う、嬉しいんだよ? 本当に。もしかしたら、この先長い付き合いになるかもしれないよね。そしたら、もしかしたら、その……そういう気持ちになるかもしれないけど……」


「……(わたくし)はね……? (わたくし)は、レティと王子のどちらかが、そういう風になっても許せるとは思っていたわ。(わたくし)は日ごろから馬鹿よばわりしてはいるけれど、ああ見えて2人とも馬鹿だけど、無能じゃないわ。国のために邁進している姿を見てきたし、リンクの方は女の扱いはなっていなかったけど、その分アレクが補っていたわ。アレクができないことはリンクがね。だから、レティが受けると言うのであれば(わたくし)は反対することもなかったのよ。レティを嫁に出すなら、あの2人ほどいい環境っていうのはなかなかありませんもの。」


「嫁って……」


「でも、さすがにそれは1国の王子として、次期国王としての行動とはとても呼べないわね。今回ばかりは本物の無能ね」


「え、えっと……王子様も言葉のあやっていうか……周りに乗せられてたっていうか……ね?」


「違うわ。だってそうでしょ? 未来の王妃よ? この国で唯一無二の一番の女になるのよ。その王妃を選ぶのに、こんな誰も幸せにならない方法なんてある?そんなの王が守るべき国民にすることじゃないわ。まぁ、そういう経験を先送りにするからこんなことになるのだけれど」


「で、でも……そのリンク王子も売り言葉に買い言葉って言うか……。」


「わかったわ。レティ。(わたくし)があいつに今回のことはちゃんと言い聞かせておくから。あなたの気持ちが固まるまでちゃんとしなさいと」


「……うん、シル……その……ね」

「あら?そうじゃないの?」


「……うん。ボクね。ボク、ちゃんと王子様に言おうと思うんだ。……ごめんなさいって」

「え? だって貴女……」


「うん。もしかしたら将来、ボク、リンク王子様のこと好きになるかもしれないよ。多分、ほんとはもうちょっと好き……なんだと思う……。それに、こんないい話、絶対もうないよね。……でも、今日1日ずっと考えたの。日が暮れるまでずっと。……そうしたら、ボク、そんな王子様を待たせたりとか……期待させるようなことしておくなんて……そ、そんな、そんな酷いこと……でき、できないなって……。そう思って。だから……だからっ……ちゃんと、言わないといけないの。リンク王子に、ごめんなさいって」


「レティ……」


「だから……だからね。シルに……は……、その……それ……を、伝える場所を……お願い」


あ~あ、なんでこんなに気持ちがこみ上げてきちゃうんだろ。

ほんと、台無し。

もっと気にしてないように言わないと、シルにはボクの気持ちなんてばれちゃうのに。


「わかったわ。……今日はもう寝ましょう。(わたくし)が話してきてあげるから。」


「……うん。……おやすみ。シル」


「おやすみなさい」




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