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学校?

タイトルが漢字になるくらいまで成長してきました。

本編(恋愛シミュレーションという名の冒険譚)が始まるのは、15歳の入学からです。

季節も何度か移り変わり、9歳になり春が来た。


平民であるボクには関係ないのだけど、街に住んでる裕福な子であれば、9歳から3年単位で学校に行ったりもできる。


農家にしたら、これから戦力になる子たちを学校にいかせている暇などないわけだから、ボクには関係ない。でも、アレクは貴族なのだから今年から学校が始まってしまう。


「アレクは、来月から学校に通うの?」


そういう話は今までしてこなかったので、聞いてみる。どう見ても貴族の子供であるアレクが学校に通わないわけがないんだけど。


「うん、そうだよ! レティはどこの学校へ通うんだい?」


9歳から通う学校は、比較的平民の子でも通えるところだ。どうやらアレクは、ボクも通うものだと思っていたらしい。


「え? ボクは家を手伝わなきゃいけないから、学校には通えないよ……」

「え!? そうなの??」


本当に驚いてるよう。びっくりしながら執事さんの顔を見ていると、執事さんもうんうんと返している。


「ご、ごめん、レティ。子学校は皆くるものだと思ってたんだ……」


子学校とは、いわゆる小学校だ。基礎授業のみを行い、3年もたたずに卒業する。

その3年間も毎日通わなければいけないわけでもないので、そこまで行く必要がないと感じるのは、ボクの前世のおかげだろう。

そうでなければ基本は、この3年で四則演算であったり、最低限の読み書きを教わる。


通えない最大の理由はもちろん家業もあるのだけど、最大でない理由としては、ボクはもう卒業するまでの過程はすべてできるのだから、必要ないともいえる。

ただ、お友達というのはやっぱり学校で作るもの。そこはあこがれるけど、しょうがないと割り切るしかない。

ボクの住む村には学校なんて無いから、近くの学校へ通うだけでも時間とお金が掛かっちゃうしね。

既に出来るボクが無駄使いなんかするより、ボクが家を手伝って弟妹達が通えるようにする方がはるかに有意義なのだ。


「そ、そっかぁ……レティは学校行かないんだ……そっかぁ……」


あからさまにアレクのテンションが下がった。


「う、うん。だから来月からはアレクとも会いづらくなっちゃうね」


9歳の子供が絶望したら、こんな顔になるんだ。


アレクにも友達が少ないのかな?

まぁ、ボクなんて少ないどころか友達はアレクしかいないけどね!


貴族には社交界みたいなパーティがあるって聞いたことはあるけど、子供のデビューは基本的には12歳以降らしい。

それなら友達が少なくてもしょうがないのかな。


そんな話をしながらお弁当を食べていると、今日は集中できそうにないから、という理由で、午後の魔力練習は執事さんが取りやめ、帰ることになった。


ボクとしては、まだお迎えが来ていないので、とりあえず図書館に戻って父親を待つことにする。




家に帰ると、弟と妹たちも6歳になり、ある程度手のかからないようになってきた。

ボクに手のかかる時期がなかっただけに、双子で一度に手のかかる時期を迎えている両親はとても大変そうだったので、ボクが主にする親の手伝いは、基本的には兄弟の面倒をみることだ。


「ねえちゃん! あそぼ!」

「おねえちゃん! 魔法! 魔法見せて!」


ねえちゃんと呼ぶのが弟のほう。おねえちゃんと呼ぶのが妹のほう。

愛いやつらめ! しょうがない、このおねえちゃまが遊んであげよう!


魔法が使えることは、家族だけの秘密にしてある。村のみんなは、勉強をしているのは知っているけど、まさかボクが魔水晶を持っていて、既に魔法が使えるとは夢にも思っていないだろう。


魔法訓練を始めて、かれこれ5年は経っただろうか? もう火をつけたり、真水を生成したりなんてお手の物。アレクくらいしか比べる子が周りにいないから、同じ年代の子がどれくらいできるのかはわからないけど、アレクよりは魔力操作は得意みたい。鼻高々。


火を出すのはさすがに危ないので、土魔法で丸い碁石と碁盤を作り、五目並べを教えてあげる。




ふふふ。おねえちゃんは負けないのよ。

な、泣いてもだめだからねっ!


ちょっとママに怒られた。

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